2017年11月26日

子供の貧困−現状は深刻、打開へ力を注げ!

 日本の子供の貧困をめぐる状況は依然深刻。厚生労働省が6月末公表した国民生活基礎調査で子供の貧困率(2015年)は13・9%へ低下したものの、約7人に1人の子供が「貧困ライン」を下回ったままだ。一人親世帯の貧困率は50.8%と主要国では最悪の水準である。家庭の経済的困窮が子供の現在と未来を閉ざしている現状に対し、安倍晋三政権の対策は極めて不十分である。抜本的な解決へ向け、政治の姿勢を変えることが必要ではないか。
 厚労省が3年ぶりに公表した日本の貧困についての数値は、国民生活の厳しい現実を改めて裏付けている。貧困を示す国際的な指標である「相対的貧困率」は下がったとはいえ、17歳以下の子どもでは13.9%(前回16.3%)、全体では15.6%(前回16.1%)という結果となった。
 相対的貧困率は、世帯の可処分所得などをもとに、その国で生活できる、ぎりぎりの「貧困ライン」(今回は年間122万円)を算出し、それ未満の所得しかない人がどれくらいの割合でいるかを示す指標である経済協力開発機構(OECD)が14年にまとめた36ヵ国の子供の貧困率は13.3%だった。日本の水準はそこにもなかなか到達できませんないのだ。子供の貧困をはじめ格差と貧困を解決することが、日本の政治と社会の優先課題の1つであることは明らかではないか。
 とりわけ母子家庭など1人親世帯の状況は過酷。貧困率は50.8%(前回54.6%)で、なおも高水準である。調査では、母子世帯の82/7%が「生活が苦しい」と答えている。「貯蓄がない」と回答した母子世帯は37・6%にのぼり全世帯平均14.9%の2倍以上となっている。子供のいる世帯への経済支援をいっそう強める必要がある。
 貧困問題はどの世代にとっても深刻だが、発達・成長過程にある子供時代の貧困は、健康や学力など子供に必要な条件が経済的困窮によって奪われるという点など影響は大きく、子供本人の人生だけでなく、社会全体にも損失をもたらす。
 研究者や市民団体の粘り強い取り組みなどを通じ、子供の貧困対策法が成立し、地方自治体などで実態調査など改善への動きが多少始まっているが、安倍政権は貧困問題に真剣に向き合おうとせず、対策の立ち遅れが際立っている。世論と運動の広がりの中で、安倍政権は、1人親世帯への児童扶養手当の一部増額や、給付型奨学金の部分的導入を行ったが、あまりにも規模が小さく、事態の本格的な打開の道筋はみえない。


posted by GHQ/HOGO at 08:17| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

子供の貧困が改善したのは、政府による貧困対策の結果ではない?

 子供の貧困がわずかだが改善している。だが先進各国との比較では、依然として日本の貧困率は高く、労働市場の構造的な問題も示唆される。
 厚生労働省が2017年6月27日公表した「国民生活基礎調査」によると、2015年における子供の貧困率は13.9%と前回(2012年)よりも2.4ポイント改善した。子供の貧困率が改善するのは実に12年ぶりのことである。
 子供の貧困率は、平均的な所得の半分を下回る世帯で暮らす17歳以下の子供の割合を示したもの。日本における子供の貧困率は依然から高かったが、2012年には16.3%にまで上昇した。
 子供の貧困率が上昇する最大の原因は、シングルマザーの雇用環境と考えられるが、今回の調査では子供がいる現役世帯のうち、大人1人の世帯における貧困率が54.6%から50.8%と大きく改善した。政府による貧困対策はほとんど進んでいないという現状を考えると、施策による効果というよりは、雇用環境の改善が寄与した可能性が高い。
 だが諸外国と比較すると状況はかなり悪い。欧州各国の子供の貧困率はほとんどが10%以下となっており、日本とはかなりの開きがある。先進主要国の中で、日本よりも貧困率が高いのは、苛烈な弱肉強食社会である米国などごく一部というのが現実である。
 特に日本の場合、シングルマザー世帯の中で、仕事がある人とない人の間で貧困率が大きく変わらないという奇妙が現象が観察される。最低賃金制度があるにもかかわらず、仕事の有無で貧困率が変わらないということは、労働基準方に違反した不当な賃金が横行している可能性が指摘される。
 これまでの日本では、ブラック企業に代表されるような、不当な労働環境は事実上、黙認されてきた。だが、ここ数年、社会の雰囲気は大きく変わり、当局も厳しい姿勢で臨むようになっている。こうした社会の変化を背景に、正当な賃金が支払われるケースが増え、これがシングルマザー世帯の所得を増やした可能性がある。
 正当な賃金が支払われないというのは、いわば奴隷労働であり、先進国ではあってはならないことである。貧困対策を充実することが重要なのは言うまでもないが、こうした前近代的な雇用慣行を是正するだけでも、大きな効果が得られる可能性がある。
posted by GHQ/HOGO at 08:16| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。