2017年09月27日

なぜ女性の貧困は見えないのか?

 なぜ女性の貧困は見えないのか。理由は、貧困女性が声を上げることは、男性以上に難しいからだ。不安定な非正社員女性が家庭を持つと、生活できるお金を稼ぐために長時間働かねばならず、仕事の合間には性別役割分業による家事・育児もこなさなければならない。
 あるシングルマザーの場合、3人の子供を抱えて離婚したが、子持ちでしかも40代の女性というだけで求人はパート労働に限られる。パートの時給は700〜800円台と最低賃金すれすれのことが多い。子供たちを育てるため、女性は、昼と夜、2つのパートを掛け持ちしてやっと年収300万円になったが、労働時間は通常の男性正社員の約1.5倍の3000時間に達していた。
 こんな状態では、窮状を訴える活動を起こす時間が確保できない。加えて「女性は男性が食べさせてくれるはず」という社会的な偏見がある。こうした偏見が「女性は賃金が安くても困らない」「失業しても困らない」という思い込みを招き、女性の貧困を「改善すべき重要課題」ととらえる声を抑え込む。
 もう1つが、女性に対する暴力の問題だ。貧困から路上に出る男性は目立つが、女性はほとんど見えない。路上に出たときの危険度が女性の場合、男性以上に高いため、外食チェーン店で夜を明かすなど、隠れているから、といわれる。ホームレスの現金収入の道として考案された雑誌「ビッグ・イッシュー」編集部も、女性には販売をすすめられないと言う。売っているだけでホームレスとわかる商品なので、女性の場合弱みにつけこまれて思わぬ被害にあいかねないからだ。
 貧困解決のカギは、それを直視して適切な対策を打つことだといわれる。女性の貧困は、男性に経済力を集中させ女性を扶養させる仕組みや、女性への暴力といった「私たちの社会があまり見たくないもの」に支えられている。だからこそ解決が難しい。だが、女性の貧困が、他の働き手の非正規化、貧困化の出発点になったことを考えれば、その転換なしでは、他の貧困は克服できない。性別や属性にかかわらず、1人ひとりが自立できる働き方を目指した貧困解決策、雇用政策が必要になっているのだ。
posted by GHQ/HOGO at 07:06| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする