2017年09月30日

ブラック企業の正社員にはなるな!

 会社から一定の評価を得ているのだろう。そうであれば、正社員にならないかと打診されたりしないのだろうか。
 「そういう声をかけられることもあります。でも正直なところ、ぼくのような立場の、会社が責任を負わずにすむ人間を大勢雇っている会社は、本質的にブラック企業なんですよ。一部のポストに就ける人は潤っていますが、そうでない人は、精神を病むほど異常な量の雑務をやらされ、追い込まれているのを見ていますから。安易に正社員になったりすれば、それこそ病気やケガをするのと同じ結果が待っていると思います」
 そう冷静に分析する高田さんだが、その口調は重くはなく、意外なほど飄々としている。ただし、達観しているのではない。諦観しているのである。
 「この時代にいまから正規雇用されることなんて、まずないと思っていますから。独身ですし、最後は国のセーフティネットに頼るしかないですよね」
 高田さんのような非正規雇用の、いわゆるフリーターが目立ちはじめたのは1990年代半ばごろのことだった。以来、その数は増えつづけている。
 厚生労働省によると、雇用者に占める非正規雇用者の割合、すなわち非正規雇用率は、80年代半ばには十数%だったものが、今年は40%近くにまで達している。いまや、この国の労働力の5人に2人、実に2000万人以上が非正規雇用者というのが実情なのだ。
 労働経済ジャーナリストの小林美希氏によると、80年代後半、自由な働き方を示すものとして“フリーター”という言葉が誕生する一方、労働者派遣法などが改正され、企業が責任を負わずに簡単に労働力を確保できるようになった。その後、折からのバブル崩壊で、93年大学卒業組からはじまる、いわゆる“就職氷河期組”がどっと社会に出た。
 高田さんのような非正規雇用の、いわゆるフリーターが目立ちはじめたのは1990年代半ばごろのことだった。以来、その数は増えつづけている。
 厚生労働省によると、雇用者に占める非正規雇用者の割合、すなわち非正規雇用率は、80年代半ばには十数%だったものが、今年は40%近くにまで達している。いまや、この国の労働力の5人に2人、実に2000万人以上が非正規雇用者というのが実情なのだ。
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2017年09月29日

中年フリーターの現状はどうなっているのか?

 少し前まで夢ある子育て世代だったはずの中年の間に、フリーターが激増している。滅入る話は、そこに止まらない。彼らが老後を迎えたとき、一斉に「老後破産」状態に陥って、生活保護費が今の何倍にも膨らみかねないという。日本を覆すような話なのだ。
 フリー・アルバイターを縮めた造語であるフリーターとは本来、少年や青年、いずれにせよ若者を対象とした言葉だったはずだが、最近、“中年”と呼ばれる世代のフリーターが激増している。
 彼らの収入は月15万から20万円程度と、生活保護受給者とあまり変わらず、家賃と光熱費を支払ってしまえば、やっと食べていける程度しか残らない。もちろん、年金を納める余裕などないし、それどころか、健康保険料すら支払えない。
 そんな人たちが増えているのはなぜなのか。そのことは近い将来、想像を上回る「老後破産」社会が到来することを暗示しているのではないだろうか。中年フリーター高田さんの場合はこうだ。
 「不安は、ないんです。ただ……」
 と言葉を濁したのは、45歳になる高田淳史さん(仮名)だ。ある離島出身の高田さんは、高校卒業と同時に神戸にある石油関連企業に就職した。まだ、バブル真っ盛りの時代である。だが、それから数年して、
 「阪神大震災があって、会社の先行きがあやしくなったんです。何もかもが壊れてしまったあの地震のあとは、ぼくの価値観も大きく変わってしまって」
 勤め先の将来に不安をおぼえて退職し、東京に出てきたという高田さん。いったんは、ある会社に正社員として入社したものの、すぐに退職してしまった。それ以来、ずっとフリーターである。いろんな仕事をしてきたが、ここ5年ほどは、百貨店などの催事で使う冷蔵庫などの什器をリースする会社で働いている。といっても、日雇いである。おもな仕事内容は、冷蔵庫などの設営と撤去だという。
 「早くて2週間前に、急なときは当日なんてこともありますが、会社から〈○月○日に○○百貨店○○店へ行けますか〉といった内容のメールが届くんです。自分の体力と相談して、1日にどれだけの仕事を掛け持ちできるか考えてから返信します。賃金は1現場につき4500円です」
 平均すれば、1ヵ月に30ヵ所ほどの現場を回る。4500円の“基本給”は1現場につき5時間までの金額で、労働時間がそれを超過すれば1時間1000円の残業代が支払われる。こうした合計で、手取りの月収は多いときで15万円ほどになるという。
 「まず家賃を払います。次に光熱費。残りのお金でなんとか生活するという感じですかね」
 高田さんの自宅は東京都内にある。1人暮らしだから、なんとかギリギリの生活はできると語るが、
 「蓄えはありませんし、年金も払っていません。病気になったりケガをしたりすれば、立ち行かなくなるのはわかっています」
 仕事は軽くない。生活にもまったく余裕がない。しかし、意外にも会社からは、それなりに“いい扱い”も受けているという。
 「設営場所の周囲には高価なモノも置かれたりで、それなりに緊張感がある現場なので、何も考えないで労働できる、というわけではないんです。それに、慣れる前に辞めてしまう人も多いだけに、長続きすると、会社も優先的に仕事を回してくれたり、仕事内容が比較的ラクなところを斡旋してくれたりするんです」
 中年フリーター馬場さんの場合はこうだ。
 馬場弘明さん(仮名)は、現在46歳。すでに同じ仕事を10年以上つづけている“熟練”の中年フリーターである。九州出身で、大学を卒業すると、いったんはコンピューター関連企業にSEとして就職したそうだが、
 「企業体質が合わなくて、研修期間中にやめてしまいました。以来、フリーター暮らしで、もう15年間、空調設備のメンテナンスをやっています」
 メンテナンスと一口に言っても、その内容は細分化されており、およそ100項目にものぼるという。仕事に赴くのは都内が中心だが、ときに地方への出張もあるそうだ。
 「空調設備が置かれているのは、狭い場所がほとんどなので、無理な姿勢がつづくのがつらいですね。時間帯も、相手先の都合などによって早朝から深夜まで不規則なので、体力的には最近、かなりきつくなってきました。そのうえ老眼がすすんできたので、細かい作業の時は、目がつらくて本当に困ります。近視なのでコンタクトレンズを使っているのですが、老眼になると、近くを見るのが本当に難しくなるんです」
 そう言って笑う馬場さんの表情からは、苦悩が透けて見える。それでも、15年間、この仕事一筋に磨いてきた腕をもってすれば、それなりの見返りは得られるのではないだろうか。
 「毎月、1ヵ月ほど前に提示される予定表に、働ける日を書き込みます。1現場あたり1万円の日雇いです。夜勤の時は1万2000円になりますが、体力的にきついので、あまりたくさんの仕事を詰めこむことはできません。毎月、だいたい12から13カ所の現場に出ていて、それでなんとか生活できる感じですかね」
 むろん、生活できると言っても、ギリギリである。
 「年金も払ってないし、生活に余裕はありません。好きな音楽活動をつづけるためには、自由な働き方はいいんですが、ときどき、1人きりになると、いろいろ考えますね。友人からはよく“孤独死するよ”と言われるんです」
 それでも馬場さんに、いまの生活を変えようという気ちはない。
 「実家の両親は、僕に結婚してほしいと思っているみたいなんですが、いまは交際している女性もいないし、結婚なんてまったく考えていません。この仕事をやめて、ほかになにかがあるという気もしませんね」
 そこまで語って、馬場さんはぽろっと漏らした。
 「“日本は厳しいな”とは思います」
 たしかに、日本の状況は日に日に厳しくなっているが、そのことは、中年フリーターの増加と軌を一にしていると言っていい。
 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、35歳から54歳までの非正規雇用者(女性は既婚者を除く)の数は今年、273万人を超えた。これは大阪市の人口を若干上回る数字である。前出の小林氏はこう指摘する。
 「デフレがつづいているかぎりは、彼ら中年フリーターも、たとえギリギリであっても、衣食住をまかなって生活を維持することができます。しかし、一度物価が上昇すれば、たちまち立ち行かなくなります。それに、いまは働いているからなんとか生活できていても、老後になればすぐに限界が訪れます。たとえば、健康保険料を払っていないから、体調を崩してもなかなか病院に行かない。病状が悪化してようやく医者にかかったときには、自己負担の医療費が大きくのしかかってくる。年金も払っていないから受給できません」
 その結果、どうなるのかと言えば、
 「将来、生活保護などの社会保障費が、爆発的に増えることになってしまうと思います」
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2017年09月28日

貧困の自己責任説蔓延というウソ?

 日本社会では貧困の自己責任説が蔓延っているというが、ネットでの反応を見る限り、自己責任説をとる者はほとんどいない。つまり、日本社会に貧困の自己責任説が蔓延している、という仮説は事実ではない。したがって、自己責任説の蔓延がホームレス支援の妨げになっているという主張はデタラメにちかい。
 日本社会で、ホームレスが自己責任であると思っている人間はいないのではないかと思うほどである。つまり、多くの国民は、ホームレスは自己責任だと思っていないのである。
 皮肉なことに、多くのネット論客は「日本社会に貧困の自己責任説が蔓延し、それがホームレス支援の妨げになっている」という虚構を信じることで、自己の価値基準からそれはいかんと思い、躍起になって貧困の社会責任説を支持する仕組みになっているのである。これが、自己責任論を道徳的に叩くネット論客の心理構造である。このことによって、日本国民がほとんどホームレスの自己責任説を支持していないという事実が隠蔽されることになる。
 反貧困運動は、虚構物語としての貧困の自己責任説蔓延説を仮想的敵として、運動の動機付けを調達しているのである。この社会運動上の巧妙なトリックに気づいている者は少なく、多くの浅学のネット論客は、貧困の自己責任説蔓延説を事実と勘違いし、自己責任説を叩くのである。
 日本社会に貧困の自己責任説が蔓延し、それがホームレス支援の妨げになっている、という確かな事実はない。少なくとも、もし自己責任説を否定する多くのブコメの論客たちが日本国民の意見を代表しているというのなら、なおさらそうであろう。
 もし自己責任説が蔓延しているというのなら、自己責任説に賛同するブコメのコメントが欲しいものであるが、まったくない。やはり貧困の自己責任説を唱える者はおらず、仮に唱えても叩かれるわけであり、貧困の自己責任説を持つことは世間の集合的制裁にあうのである。自己責任説を唱えている人をネットで探すのは困難だ
 むしろホームレス支援団体のケースワーカーや福祉事務所職員たちのほうが、本音においては自己責任説が実感として正しいと思っていると思う。日頃からホームレスと関わる福祉事務所職員や施設職員たちは、自己責任説が正しいと心の中で思っていても、世間や反貧困思想をもつ人たちに叩かれるので、口に出せないのが実情ではないか。
 ちよっとした職場でのトラブル、飲酒やギャンブルなど、自分勝手な理由で仕事をやめ、自分勝手な理由から家族を頼らず、福祉事務所に金を出せと脅迫にくるホームレスに深く傷つけられた福祉職員たちが、蔓延している反貧困思想のせいで、大きな声で自分たちの本音を表明できない状況をつくっている。
 よかったら、自己責任説を支持しているブログを探してみはと思う。ほとんどないだろう。それは、自己責任説を唱えると叩かれるからである。これではネットは、大衆全体主義社会と同じである。ここでも、ニセ科学批判運動と構図は同じである。
 ただし、自己責任一本でもすべてをクリアできないのも確かなことで、木を見て森を見ないということになりかねない。誰もが自分の思い通りに生きていくことはできないし、自分の希望を押し通すことができないのが現実だからである。どのような妥協があり得るのか。どうすれば希望が持てるのか。1億年もすれば人類が滅びるというのに…。
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2017年09月27日

なぜ女性の貧困は見えないのか?

 なぜ女性の貧困は見えないのか。理由は、貧困女性が声を上げることは、男性以上に難しいからだ。不安定な非正社員女性が家庭を持つと、生活できるお金を稼ぐために長時間働かねばならず、仕事の合間には性別役割分業による家事・育児もこなさなければならない。
 あるシングルマザーの場合、3人の子供を抱えて離婚したが、子持ちでしかも40代の女性というだけで求人はパート労働に限られる。パートの時給は700〜800円台と最低賃金すれすれのことが多い。子供たちを育てるため、女性は、昼と夜、2つのパートを掛け持ちしてやっと年収300万円になったが、労働時間は通常の男性正社員の約1.5倍の3000時間に達していた。
 こんな状態では、窮状を訴える活動を起こす時間が確保できない。加えて「女性は男性が食べさせてくれるはず」という社会的な偏見がある。こうした偏見が「女性は賃金が安くても困らない」「失業しても困らない」という思い込みを招き、女性の貧困を「改善すべき重要課題」ととらえる声を抑え込む。
 もう1つが、女性に対する暴力の問題だ。貧困から路上に出る男性は目立つが、女性はほとんど見えない。路上に出たときの危険度が女性の場合、男性以上に高いため、外食チェーン店で夜を明かすなど、隠れているから、といわれる。ホームレスの現金収入の道として考案された雑誌「ビッグ・イッシュー」編集部も、女性には販売をすすめられないと言う。売っているだけでホームレスとわかる商品なので、女性の場合弱みにつけこまれて思わぬ被害にあいかねないからだ。
 貧困解決のカギは、それを直視して適切な対策を打つことだといわれる。女性の貧困は、男性に経済力を集中させ女性を扶養させる仕組みや、女性への暴力といった「私たちの社会があまり見たくないもの」に支えられている。だからこそ解決が難しい。だが、女性の貧困が、他の働き手の非正規化、貧困化の出発点になったことを考えれば、その転換なしでは、他の貧困は克服できない。性別や属性にかかわらず、1人ひとりが自立できる働き方を目指した貧困解決策、雇用政策が必要になっているのだ。
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2017年09月25日

85 年は女性の貧困元年?

 均等法はなぜ、歯止めにならなかったのだろうか。それは、「平等を求めるなら男性並みに働くべきだ」との経済界の求めに応じ、均等法が、女性保護の撤廃と引き替えに導入されたからだ。日本では、労働基準法36条の規定で、労使協定があれば事実上「青天井」の残業が可能だ。そのため、均等法前まで、女性は休日労働や10時以降の就労を禁止されていた。これは、男女分業を前提にし、育児や家事の時間を女性にだけ確保することで社会生活を持続可能なものにしようとする策だった。
 そもそも、日本の男性が、青天井で長時間労働できるのは、家庭に主婦という女性がいて、仕事以外の労働を担ってくれるからにすぎない。また、女性の低賃金を補って「妻子を扶養」するために、男性は青天井で働くことを拒めない。保護抜きの均等法は、「妻つき男性モデル」ともいえるこうした働き方を正社員の標準として改めて定式化した。おかげで、「妻」を持てない多数の女性は、出産後は正社員にはとどまれず、非正規労働者への道を歩むことになった。
 欧州では、雇用平等を進める過程で、男女双方の労働時間規制を強化し、両立モデルを働き方の標準とすることで女性の経済力を高めた。日本は、男女両方の労働時間規制緩和という形で「均等」を進めたことが、女性の急速な非正社員化を招いたということになる。85年は同時に、「主婦年金」といわれる第3号被保険者制度と、労働者派遣法も導入された年でもあった。第3号被保険者制度は、配偶者の扶養下にある人の保険料を免除するものだが、扶養からやっと抜け出る程度の低賃金では、保険料負担で世帯収入がむしろ減ってしまう場合がある。
 そのため、自主的に収入制限をするパート女性も多く、これもパートの低賃金が続く原因になった。こうした働き方は、夫の年金に頼れない女性たちを極端な低年金、または無年金に置くことになり、高齢社会の無年金女性問題というもう1つの貧困を生む結果となった。労働者派遣法も、「均等法後は正社員の長時間労働に耐えられない女性の増加が見込まれるため、その受け皿として、パートより専門的で時給の高い仕事が必要だった」(高梨昌・信州大名誉教授)として、導入された。
 こちらはその後、「年越し派遣村」などに象徴される貧困のもとになった。藤原千沙・岩手大准教授は、均等法・第3号被保険者制度・労働者派遣法を、その後の女性の貧困を深刻化した3点セットとし、「85年は女性の貧困元年」と呼んでいる。
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2017年09月24日

女性の貧困の深刻化

貧困はこれまで、男性の問題として受け止められがちだった。だが統計からは、女性の低収入ぶりが、はっきりと見えてくる。財務省の給与所得統計では、年収200万円以下の働き手は女性の4割以上にのぼる。「年収300万円時代を生き抜く経済学」といった本があったが、その水準を大きく下回る自活できない働き手だ。
 男性の貧困も増えてはいるものの、年収200万円以下は1割に満たない。確かに、4割の中には、世帯主男性の扶養下にあって、日々の生活には困らない女性も少なくないだろう。だが、パートナーからの暴力や離婚の激増、男性の貧困化、非婚男女の増加で、こうした従来型の「結婚による安全ネット」では、事態は解決しなくなっている。にもかかわらず、自立できる経済力を持てる女性が、ごくわずかにとどまっていることが、女性の貧困の深刻化を招いている。
 背景にあるのは、女性労働の非正規化の急速な進展だ。85年に男女雇用機会均等法が制定されて以降、女性の社会進出は進んだようにみえる。高位の女性や高賃金の女性も出てきた。だが、均等法以後に増えた働く女性の3 分の2 は、パートや派遣などの非正規労働に流れ込み、非正規労働者はいまや女性の5 割を越えている。「非正規」は例外という意味を含んでいるが、それがむしろ多数派という異様さだ。
 これら非正規労働者の賃金を時給換算すると、女性パートは男性正社員の40% 台で推移し続けている。これでは、週40 時間の法定労働時間働いても、年収200万円程度しか稼げないのは当然といえる。正社員主体の企業内労組が主流の日本では、パートや派遣労働者は労組の支えがなく、賃金は横ばいを続けがちだ。最低賃金すれすれの時給でボーナスも手当も昇給もないという安さに加え、短期雇用なので、次の契約を更新しなければ削減も簡単という「便利さ」が企業に受けて、90年代後半からの不況では人件費削減のため、非正規労働は、女性から、新卒者や男性、公務労働にまで及んだ。働き手の3人に1人が非正規という社会では、親や夫がいない生計維持者も非正規労働となり、生存を脅かされ続けている。酷い話だ。
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2017年09月23日

格差が拡大しないような方策を検討すべきだ!

 日本以外の先進諸国でも経済活動のグローバル化によって拡大した海外からの所得の分配が労働分配率の低下に関わっている可能性があり、高齢化が進んで日本の経常収支が赤字化しても労働分配率の低下が続く恐れもあるだろう。
 第二次世界大戦後の各種の改革で資産の再分配が行われたこと、さらに遡れば明治維新のような大きな社会変化があったことは、日本の資産格差を比較的小さなものにしてきた原因の1つかも知れない。
 格差が小さかったということは、必ずしも日本社会の固有の特徴ではないとすれば、日本でも資産の格差が所得の格差を生み、それがまた資産格差を拡大させるという、格差の拡大再生産が起こる可能性は否定できない。
 まったく格差のない社会が理想的でないことは明らかだが、余りに格差が大きく固定的な社会も望ましくない。これまでは格差が小さい国だったということに安心していないで、日本でも許容範囲を超えて格差が拡大しないような方策を十分検討する必要があるのではないだろうか。
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2017年09月22日

海外からの所得が増えている?

 対外資産の蓄積が進んだことも、労働分配率の低下を引き起こしている原因の1つと考えられている。日本では1980年頃から経常収支の黒字基調が定着した。これが毎年の金融収支の黒字となって海外に保有する資産の増加につながるので、長年、対外純資産残高の増加傾向が続いてきた。
 日本の対外純資産は名目GDP比でみても1967年末には0.7%の債務超過だったが、2014年末には純資産が77.3%にも達する規模に拡大している。こうした対外資産から得られる所得も増加しており、2014年度には海外との間の利子や配当の受払などの海外からの所得は名目GDP比で4.3%の黒字に拡大している。
 かつては経済活動を見る指標としては、GDP(国内総生産)ではなくGNP(国民総生産)が用いられていたが、三面等価の原理からGNPとGNI(国民総所得)は等しい。GDPは国内の経済活動水準を示す指標としては適切だが、消費や投資に使える所得を考える場合には海外からの利子・配当などの所得を含めたGNI(GNP)を見る方が良い。これは、資産家の世帯を考えれば働いて得る所得がほとんどなくても、財産所得が大きければ豊かだということと同じことだ。
 日本社会が豊かになったのかどうかという指標としてはGNIを見るべきなのだから、名目GDP比で8割近くにも達する対外純資産の収益性を高めることには大きな意味がある。
 経済政策の方向としてもGDPの動向だけではくGNIの拡大にもっと注意を払うべきだというのは確かで、安倍内閣が2013年に策定した「日本再興戦略」では1人当たりGNIを10年後には150万円以上増やすという目標を示している。
 海外への投資取引を考慮していないことも、資本と労働の間の分配率が一定となるという結果が得られる理由である。だから、近年の世界経済のように海外への投資が活発になっている状況では、労働分配率が一定になるとは期待できない。なぜなら、所得が賃金と資本に分配されると考えるのは、所得を得るためには労働と資本の両方が必要だからだ。
 しかし、海外から得られる財産所得は国内の労働を必要としない。例えば海外子会社から得られる配当が、日本にある本社で海外戦略を担っているような部門で働く人達の賃金に反映されることはあるだろうが、国内の工場などで働く人達の賃金にも分配されるとは考え難い。
 今後対外投資を拡大することで海外からの所得が増え、日本全体としては所得の増え方が速くなるはずだ。しかし、対外資産から得た所得が普通の労働者に賃金として分配されるとは考えにくく、国民所得の伸びを賃金の伸びが下回って、国民所得の中で賃金に分配される比率である労働分配率は低下していく可能性が高いだろう。
 大幅な経常収支黒字を続けているドイツなどを除けば、先進国の多くはそれほど大きな経常収支黒字を出しているわけではない。とくに米国は経常収支の赤字が続いていて、対外債務が対外資産を上回る純債務国になっているにもかかわらず、第一次所得収支は黒字が続いている。
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政府債務の拡大も所得格差を拡大する一因

 政府債務が拡大していくことが、所得格差に及ぼす影響も懸念される。国債の残高が増えるとそれだけ家計の金融資産も増えることになるが、富裕層ほど多くの金融資産を増加させることになるからだ。
 財政破たんのリスクが高まれば、国債の金利は高くなるはずで、税で吸い上げられた所得が相対的に多くの国債を保有している富裕層により多く利子所得として分配されることになる。累進的な所得税制度がある財政には所得再分配機能があるはずだが、格差を抑制する効果は弱まってしまうのではないか。
 子、孫と子孫が遺産を分割していくので大金持ちの資産は分散して行き、貧しい人達も資産を蓄積して豊かになって、両者ともに平均に回帰すると期待したい。しかし親の成功の結果は普通に考えられているよりも長く子孫に受け継がれているようだ。グレゴリー・クラーク(1957-)が各国の長期に渡る苗字と職業や所得との関係を研究したところでは、社会階層間の移動は意外に遅いという。
 例えば社会の流動性が高いと考えられているスウェーデンですら、医者や法曹界などで特定の姓が人口中の比率よりも長期にわたって高い比率を維持しているという。相続などを通じて世代を超えて格差が固定化されて、どこかで限界を超え、大きな社会的な混乱を引き起こしてしまうのではないだろうか。
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2017年09月21日

政府債務の拡大も所得格差を拡大する一因

 政府債務が拡大していくことが、所得格差に及ぼす影響も懸念される。国債の残高が増えるとそれだけ家計の金融資産も増えることになるが、富裕層ほど多くの金融資産を増加させることになるからだ。
 財政破たんのリスクが高まれば、国債の金利は高くなるはずで、税で吸い上げられた所得が相対的に多くの国債を保有している富裕層により多く利子所得として分配されることになる。累進的な所得税制度がある財政には所得再分配機能があるはずだが、格差を抑制する効果は弱まってしまうのではないか。
 子、孫と子孫が遺産を分割していくので大金持ちの資産は分散して行き、貧しい人達も資産を蓄積して豊かになって、両者ともに平均に回帰すると期待したい。しかし親の成功の結果は普通に考えられているよりも長く子孫に受け継がれているようだ。グレゴリー・クラーク(1957-)が各国の長期に渡る苗字と職業や所得との関係を研究したところでは、社会階層間の移動は意外に遅いという。
 例えば社会の流動性が高いと考えられているスウェーデンですら、医者や法曹界などで特定の姓が人口中の比率よりも長期にわたって高い比率を維持しているという。相続などを通じて世代を超えて格差が固定化されて、どこかで限界を超え、大きな社会的な混乱を引き起こしてしまうのではないだろうか。
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2017年09月19日

労働分配率の低下による相乗効果

 経済が発展していく原動力は、資本の蓄積と人口の増加、そして技術進歩だ。一見、経済が発展してビルや工場の設備などの資本が増えていくと国民所得から資本への分配が増えてしまい賃金が圧迫されそうにみえる。しかし、ニコラス・カルドア(1908-1986)は経済成長について長期的に観察される事実として、国民所得の労働と資本に対する分配率はほぼ一定だということを指摘している。
 教科書で習うコブ・ダグラス型の生産関数では、市場原理が働けば、資本の蓄積が進むと資本収益率が低下して労働分配率は一定に保たれる。技術進歩があれば、労働の取り分も資本の取り分も拡大することが可能になる。
しかし、現実の経済がこのように都合のよい生産関数の形をしているとは限らないし、不完全競争の世界では企業と労働者が共有する余剰の分配は交渉力次第ということもある。現在の社会は資本家と労働者という2つの階級に分裂しているわけではないが、それでも労働分配率が上昇すれば所得格差は縮小するということは変わらない。
 逆に労働分配率が低下していくと、資産家は大きな財産所得を得るので速いスピードでさらに資産を増やして行くのに対して、元々資産が少なく勤労所得だけが主な収入源となっている人たちは資産の蓄積速度が遅くなる。資産格差と所得格差の相互作用で格差は雪だるま式に拡大してしまう恐れがある。
 日本銀行の資金循環統計では2014年度末の家計部門の金融資産残高は約1700兆円だから、世帯数を約5000万世帯とすると一世帯当たりの金融資産は3000万円以上にもなる。しかし、家計調査での平均貯蓄額は1798万円に過ぎず、資金循環統計から求めた平均貯蓄額とは大きな差がある。
 これは資金循環統計には個人企業の金融資産などが含まれているということだけではなく、家計調査の調査対象サンプルに含まれたかった著しい大金持ちが少数だがいるからだ。
 さらに言えば、家計調査による貯蓄保有額の中央値(貯蓄額の順に並べたときにちょうど真ん中の世帯の保有額)は1052万円に過ぎず、分布はかなり偏っている。
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2017年09月18日

貧困層の増大を直視すれば、新たな締め出し・締め付けなど本末転倒! 貧困層の増大を直視すれば、新たな締め出し・締め付けなど本末転倒!

 生活保護見直しが議論されているが、前提が間違っている。保護費の膨張に歯止めをかけることが狙いだという前提だ。生活保護受給者が213万人を超えたという事態をどう見るのか。貧困層が増えている証しだ。それだけにとどまらない。
 「受給資格があるのに受けていない人はその3〜5倍もいるとされる」
 「保護を要する生活レベルなのに、利用世帯は約3割にとどまるという統計もある」
 「(保護)対象者のうち実際の利用者の割合を示す『補足率』は20%にすぎないと言われる。」
 「欧州諸国の5〜9%と比べて1・6%の生活保護利用率しかないなど必要な人が利用できていない」
 言い方はさまざまだが、生活保護が必要な世帯・人は受給者の3倍は存在していて、しかも増えている。
この現実、貧困層の増大こそ前提として見直すべきなのだ。
 「日本では急速に貧困層が拡大している。現実を直視し、貧困の固定化を防ぐ対策を打たなければ生活保護の肥大化に歯止めをかけることはできない。基準の切り下げだけでは何の解決にもならない」(京都新聞)
「不正は許されないが、一部に問題があるからといって引き締めを強めれば、必要とする人がますます受けにくくなる。1月に札幌市白石区で孤立死した40代姉妹のように、行政や社会との接点を失う人が増えかねない。見直しには慎重さが欠かせない」
 「自立しても、すぐに生活保護に逆戻りすることがあってはならない。求められるのは、生活保護を含めた貧困対策の拡充だ。実質的な収入増になるよう低家賃の住居の提供や、最低賃金の引き上げなど国、自治体、企業が対策を張り巡らさなければならない」(北海道新聞)
 「心配なのは過度な締め付けにより、本当に保護が必要な人まで制度の外に置かれる恐れがあることだ。『最後のセーフティーネット(安全網)』としての機能を損なわないようにしなければならない」「全国各地で餓死や孤立死が相次ぎ、社会問題化した。保護相談の窓口を3度も訪れながら、受給を断念した40代の姉妹が亡くなった。…困窮者の一部にしか、救いの手が届いていない実態をうかがわせる。」(新潟日報)
 「留意したいのはどんなに適正化しても、それで貧困問題の解決にはならないことだ。締め付けが行き過ぎれば、かえって社会保障の最後のセーフティーネット(安全網)さえ機能不全に陥る恐れがある。むしろ、いかに生活保護から脱してもらうか、自立支援にこそ力を入れるべきだ」
 「生活保護を受けることに負い目を感じる人が申請を控えかねないとの指摘がある。もっともだ」
 「適正化は当然だが、真に助けが必要な人を見捨てない仕組みづくりを優先する社会の方が望ましくはあるまいか。やむを得ない事情で生活に困る人がいる現実を見据え、安定生活を保障する対策を講じることこそが求められよう」 (愛媛新聞)
 「救うべき人を放置したまま支給水準を切り下げれば、日本弁護士連合会も危惧するように、際限のない引き下げにつながりかねない」(中国新聞)
 そもそも、生活保護受給者が213万人を超え、さらに貧困層が拡大している原因は何か。
 「生活保護受給者は今年6月時点で211万5千人に上る。戦後の混乱期にも200万人を超えていたが、経済成長に伴い減少。それが増加に転じたのは1995年からで、リーマン・ショックによって現役世代の受給も急増した。日本経済の停滞と軌を一にしている。非正規雇用が増え、失業が生活困窮に直結する社会では、生活保護は多くの国民にとって身近な問題だ」(琉球新報)
 「今問題なのは雇用の悪化や非正規雇用の広がりで、『働きたくても働けずに困っている』現役世代の受給者の増加だ。高齢や病気でなく働ける人が約四十万人いると推計されている。就労への支援が最も求められている」(東京新聞)
 「経済状況の悪化と、そのもとで人減らし・リストラをすすめてきた政府・大企業の責任です。
働く場を奪っておいて、『就労』を強い、不熱心だから保護を厳しくするというのは本末転倒です」(赤旗)
という見方も一理ある。
 大企業に対して、雇用を守る社会的責任を果たさせることも政治の責任としてやるべきだ。
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グローバル化による格差拡大を知らなければ貧困に陥る !

 日本は世界一成功した社会主義国家と言われる。社会主義と言うと聞こえは悪いが、中間層が太く、教育、医療、インフラが素晴らしく、いろいろな規制は厳しいと言う国である。
 バブル崩壊まではJapan as Number Oneと言われ、世界中に日本製品を輸出し、日本国内も強烈に経済発展してきた。しかし、小泉政権以降、グローバル化に舵を切り、いろんな規制を緩和していった。
 この規制緩和によって過度な競争が生まれ、必要以上に値段が下がり、労働者が徹底的に搾取される構図ができあがった。長時間労働、パワハラ、セクハラ、過重労働で何人の人たちが辛い思いをしていることか。
 グローバル化によって格差はどんどん広がり多くが貧困に陥ることになってきた。グローバル化をひた走っているのはアメリカだが、アメリカの格差は強烈だ。格差を示す係数としてジニ係数がある。これは格差が大きいほど数字が大きくなる。アメリカ、南米、アフリカ、中国あたりは格差が大きい。ヨーロッパ、オーストラリア、日本は格差が比較的小さいが、日本は格差が大きい枠にしばらくすれば入ることになる。理由はTPPなどのグローバル化を推進しているからである。
 グローバル化を推進すると、なぜ格差が広がるかが疑問に思うはず。それはグローバル化とは国と国との堺(境界)をなくし、相互にあらゆる面で移動できるようにするからなのだ。関税がなくなり、世界標準の法律に変更されるので、人件費が安い場所で製品を作れば作るほど利益が出る。以前は中国だったが、今後はアセアン、そして南米やアフリカへと製造国は変わっている。中国は世界の工場と言われるまでに成長した。この成長によって中国人の多くは、給与と資産が爆発的に増えた。その代り先進国の人間の賃金が下がり貧困化してしまった。
 今後の大きな流れとしては、今まで発展途上国と言われていた国の労働者の賃金が上がり、先進国の日本やアメリカなどの国の労働者の賃金はさらに下がるか、賃金が低い人が増えていく。TPPによって法律が規制緩和され、いつでもリストラできる体制になる。解雇規制が緩和されるので、米国のようにいつでもリストラされる環境がさらに進む。大手企業に勤めていようが、中小企業に勤めていようが、企業の利益が危ぶまれると真っ先に削られるのは広告費と人件費なのだ。削られる人件費としては、派遣社員・アルバイト切り、賞与カット、次に正社員で給与が高く中高年の年齢、そして使えない若い人たちと言った順番だ。酷い貧困がますます増えることになる。
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2017年09月17日

グローバル化による格差拡大を知らなければ貧困に陥る !

 日本は世界一成功した社会主義国家と言われる。社会主義と言うと聞こえは悪いが、中間層が太く、教育、医療、インフラが素晴らしく、いろいろな規制は厳しいと言う国である。
 バブル崩壊まではJapan as Number Oneと言われ、世界中に日本製品を輸出し、日本国内も強烈に経済発展してきた。しかし、小泉政権以降、グローバル化に舵を切り、いろんな規制を緩和していった。
 この規制緩和によって過度な競争が生まれ、必要以上に値段が下がり、労働者が徹底的に搾取される構図ができあがった。長時間労働、パワハラ、セクハラ、過重労働で何人の人たちが辛い思いをしていることか。
 グローバル化によって格差はどんどん広がり多くが貧困に陥ることになってきた。グローバル化をひた走っているのはアメリカだが、アメリカの格差は強烈だ。格差を示す係数としてジニ係数がある。これは格差が大きいほど数字が大きくなる。アメリカ、南米、アフリカ、中国あたりは格差が大きい。ヨーロッパ、オーストラリア、日本は格差が比較的小さいが、日本は格差が大きい枠にしばらくすれば入ることになる。理由はTPPなどのグローバル化を推進しているからである。
 グローバル化を推進すると、なぜ格差が広がるかが疑問に思うはず。それはグローバル化とは国と国との堺(境界)をなくし、相互にあらゆる面で移動できるようにするからなのだ。関税がなくなり、世界標準の法律に変更されるので、人件費が安い場所で製品を作れば作るほど利益が出る。以前は中国だったが、今後はアセアン、そして南米やアフリカへと製造国は変わっている。中国は世界の工場と言われるまでに成長した。この成長によって中国人の多くは、給与と資産が爆発的に増えた。その代り先進国の人間の賃金が下がり貧困化してしまった。
 今後の大きな流れとしては、今まで発展途上国と言われていた国の労働者の賃金が上がり、先進国の日本やアメリカなどの国の労働者の賃金はさらに下がるか、賃金が低い人が増えていく。TPPによって法律が規制緩和され、いつでもリストラできる体制になる。解雇規制が緩和されるので、米国のようにいつでもリストラされる環境がさらに進む。大手企業に勤めていようが、中小企業に勤めていようが、企業の利益が危ぶまれると真っ先に削られるのは広告費と人件費なのだ。削られる人件費としては、派遣社員・アルバイト切り、賞与カット、次に正社員で給与が高く中高年の年齢、そして使えない若い人たちと言った順番だ。酷い貧困がますます増えることになる。
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生活保護担当職員の専門性向上を求める

 現状の生活保護制度は、明らかに不備が多すぎて、全肯定はまるでできない。現状の社会のリソースを考えると遠大で非現実な理想論にも思えてしまうが、願わくばまず生活保護の担当職員の専門性向上、そして医療との連携で、貧困当事者を「扶助」ではなく「治癒」に導く積極性が欲しい。
 連携する医療とは、心に抱えた見えない痛み(脳の機能阻害状態)をケアする医療であって、まずはその痛みを医学的に可視化し、病名診断すること。さらにここでも「対症ではなく治癒」を目指した医療。同時に見えない傷の治癒具合を可視化することもまた必要で、本人の意思だけではなく、明確な診断基準をもって「この人はそろそろ就労可能」と判断できるようになること。つまり「貧困者の医学的エビデンス」だ。この基準が科学的でなく現場の専門性のない職員の判断のみが基準なら、それこそ不正受給問題なども本質的に解決はしない
 貧困と脳のトラブルに関連性があるならば、希望もある。基本的に人間の脳神経細胞とは一度壊れてしまえば不可逆(元には戻らない)とされているが、脳には壊れた部分をほかの細胞が補っていく機能が備わっていて、機能的には「可逆性」があり、人の脳は発達し続ける器官だからだ。
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2017年09月16日

生活保護担当職員の専門性向上を求める

 現状の生活保護制度は、明らかに不備が多すぎて、全肯定はまるでできない。現状の社会のリソースを考えると遠大で非現実な理想論にも思えてしまうが、願わくばまず生活保護の担当職員の専門性向上、そして医療との連携で、貧困当事者を「扶助」ではなく「治癒」に導く積極性が欲しい。
 連携する医療とは、心に抱えた見えない痛み(脳の機能阻害状態)をケアする医療であって、まずはその痛みを医学的に可視化し、病名診断すること。さらにここでも「対症ではなく治癒」を目指した医療。同時に見えない傷の治癒具合を可視化することもまた必要で、本人の意思だけではなく、明確な診断基準をもって「この人はそろそろ就労可能」と判断できるようになること。つまり「貧困者の医学的エビデンス」だ。この基準が科学的でなく現場の専門性のない職員の判断のみが基準なら、それこそ不正受給問題なども本質的に解決はしない
 貧困と脳のトラブルに関連性があるならば、希望もある。基本的に人間の脳神経細胞とは一度壊れてしまえば不可逆(元には戻らない)とされているが、脳には壊れた部分をほかの細胞が補っていく機能が備わっていて、機能的には「可逆性」があり、人の脳は発達し続ける器官だからだ。
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2017年09月15日

精神科医は貧困問題にも知識を持つべき

 精神科に救いを求める=心に痛みを抱えた状態は、常に失職や収入の喪失と相関性がある。ならば本来、精神科医は心の痛みに対する対症療法のみならず、根本的にその心の痛みの原因を取り除く医療や、患者の就業や所得の状態に興味を持って欲しいし、貧困問題にだってある程度の知識があるべきではないのか。ソーシャルワーカーにつなぐルートや、生活保護申請のノウハウなども知っているべきだ。
 願わくば、投薬以外のカウンセリングについても、保険適用の医療であって欲しい。現状で保険が利くカウンセリング的医療は認知行動療法などに限定されているが、鬱が国民病とまで言われる中、対症療法が中心というのはどうにも腑に落ちない。
 精神科とは、本来、貧困当事者のワン・ストップ・サービスを提供する場にもなるはずのポジションなのだ。さすがに「生活保護の申請はハローワークへ」などと思っている医師は特殊かもしれないが、現状貧困の当事者にとって精神科医療がなせていることはあまりにも少なく感じてならない。
 加えてもう1つ言及したい。まず生活保護の申請段階について。メンタルにトラブルを抱えた者が生活保護の申請をすると、申請段階でメンタルの状態が一段階、いや、数段階悪化するようなケースがいくつもある。そこで行われていることは、おそらく生傷=トラウマ記憶のほじくり返しだ。心に傷を残すような過酷な体験をした結果、貧困に陥った人々にとって、その体験を思い出し、聞き出され、他人に語るということは、被害の追体験にほかならない。パニックを抱えた当事者にとって、自分のつらい記憶を思い出し、かつ現状の窮状を体系立てて話すことが、いかに苦痛を伴い困難なことなのか。
 心に大きな傷を抱えた者に過去の聞き込みをすることは、そのことが原因で当事者が死んでしまえばそれは間接的な殺人にもなりかねない危険な行為だ。にもかかわらず、かねてから生活保護のケースワーカーは、新卒公務員が配属される「外れ部署」だったり、「修業の場」化しているというのは、すでに多くの報道などでも指摘され、現役のケースワーカーから何度も聞いている。。
 この生活保護の窓口セカンドレイプともいえる状況が当事者の苦しみしか生まないならば、生活保護のケースワーカーは、最低限の心理職の専門性を持つ人を配属するか、心理職と常に連携できる態勢であるべきなのではないか。
 心に抱えた見えない激痛が脳の機能阻害状態に起因するとして、たとえば同様のトラブルを抱えた脳卒中患者の脳の回復は、年単位の時間規模を要している。だとすれば回復に至るには、傷つけられてきた人生の長さよりはるかに長く、それを耐えてきた時間よりもはるかに長い時間が必要なのではないか。その期間を短縮するためにも、そこ必要なのは就労指導ではなく医療的ケアだ。すべてのタイミングが、環境が、狂っていたように思えてならないのだ。
 かかるべき精神科を間違え、専門性の低いケースワーカーが心の傷を悪化させ、誤ったタイミングの就労指導で最終的に倒れることで、本来、そこそこの就労能力を有していたはずの患者の社会復帰は、大きく先延ばしされることとなる。何という損失だろうか。
posted by GHQ/HOGO at 07:26| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月14日

日本の貧困線=生活保護基準?

 生活保護改革が行われている。保護基準を下げ、受給に係わる罰則規定を盛り込む、生活保護受給を絞るための改悪、これが官僚、シロアリ族のシナリオだと見抜かなければならない。 思慮浅い愚かな厚労大臣は官僚の思う壺にはまって反応をする。このシロアリ族の思うがままに反応する。
 日本社会は産業の空洞化、仕事が減っている。年功序列の名残の中で高齢者が相対的に裕福、預金もこの層に集中しているが、子育て中、結婚をしたい若い世代は不安定雇用、失業、あるいは正規雇用を失わないため、命を削る程の過酷な労働である。それでもやっとやっとの家計である。
 家族に病人がいればどうなるか、自分の健康も危うい放射能禍の日本。がれき処理で全国に広く放射能を運びこむのだから、日本国民1億2500万人総被爆の危機である。国民の生活は風前の灯なのに、官房機密費に繰られたマスコミは煽りたてる。
 しかし貧困は惨めで、人に無力感を生じさせる。貧困が蔓延すればマンパワーも国力も落ちる。日本経済を考えても、生活保護のお金はすぐに食費、住宅費などに消費される。厚生次官だった人は、退職後1人で10億も税金から支払われる。
 家計に税金を入れることをばら撒きと言うが、そうではない。自分達が受け取る官房機密費こそばらまきである。貧しい家計に税金を入れることは、いやでも食べ物、子供の衣服など消費に直結である。経済は活性化する。
 西欧福祉国家の限界は2つ、1つは財政肥大。似通った保護政策、業界保護などの既得権益者、シロアリ族飼育費の増大である。もう1が不平等を是正するための福祉給付(生活保護など)が、その制度の受給者に対する社会的な「非『承認』」を生じて使われないというジレンマ(生活保護制度を受給する惨めさこそそれだ)である。
 この2つの限界を越えようとするのではなく、時代を逆行してシロアリ飼育費を守り、生活保護受給者への反感や「非『承認』」を増大させ、国民を騙して、まさに福祉国家の悪弊に戻る。これは破滅への道であって、自分達の利益だけを守るため、シロアリ飼育費を確保する為の策謀である。
 大切なのは国民を貧困から守ることではないか。それが国家の存在理由であろう。危機の時代の社会保障は、貧困政策を中軸に据えた、貧困に陥ったら遠慮なく使い、脱貧困することのできる社会保障、そのような社会を創るひつようがある。国民の消費を促し、経済を廻し、産業を促す。そのために家計に細かく税金を入れるべきではないか。
 シロアリ族はどれほどの税金を浪費しているか、それをはじき出すのが構造改革だ。それを国民の庶民感情に根を持つ恥を煽り、「税金からただで生活費をもらっている」と。自分たちは1人でその数百倍、みんなでその数千倍も税金を大きな顔で持って行く。
 生活保護基準は日本の貧困線である。これを下げるには国民的議論が必要である。貧乏はその人の道徳観とは別の所からもやって来る。事故、病気、失業、運の悪さ。ワーキングプアは日本中に溢れ、子供たちも貧困に陥る可能性は高い。どうすべきなのか。
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2017年09月13日

グローバル化は滅亡への道 5

 E 実は、グローバル化は非効率
 グローバル化により人、モノ、カネの資源が最適に配分されることは効率的である。その考えは正しいようですが穴がある。貿易や旅行により大量の物資や人員が地球を駆け巡わることになる。そこに膨大なエネルギーのロスがあるのだ。地産地消という考え方であれば、莫大なエネルギーを使って世界中の物資を運搬する必要はない。もちろん、ごく限られた地域でしか採取できない資源もあるだろうから、そのような資源の移動はやむを得ないかもしれない。しかし、消費財をなぜ外国で生産しなければならないのか。なぜわざわざ中国やインドネシアで生産しなければならないのか。それは為替レートに起因している。為替の関係から途上国で生産したほうが金銭的なコスト収支が有利だからなのである。使用されるエネルギー収支から言えば、実際には余計にエネルギーを浪費している。
 つまりグローバル化のメリットは為替の差による「人件費コスト」を利用しているに過ぎないのだ。為替差を利用して途上国の労働力を安く利用すること(搾取)がグローバリズムの本質であり、為替差のポテンシャルを食いつぶせばやがて為替差はなくなる。だから先進国は生産拠点を中国からベトナムへ、そしてさらに貧しい国へと移動しながら、為替差のポテンシャルを食いつぶす。そのたびに途上国の環境を破壊し、貧富の格差を広げて社会問題を引き起こすのだ。ただ「カネのためだけに」。グローバル化に未来はない。
 F 相互依存から自助自立へ〜脱グローバル化
 グローバル化がまったくダメというのではない。現実的には国際分業や貿易が不可欠なものであることは確かなのだ。しかし、グローバル化は目指すべき理想の社会ではない。新自由主義のように、何でもすべてグローバル化、グローバル化神聖主義のような考えに陥ることなく、グローバル化を冷静に見つめることがひつようなのである。冷静に考えれば、何でもすべてグローバル化ありきではなく、必要に応じたグローバル化、適切な範囲でのグローバル化という視点を手に入れることができるかが問題になってくる。
 それこそがバランスのとれた世界経済の仕組みを構築する上で不可欠なことなのかもしれない。
posted by GHQ/HOGO at 06:56| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

グローバル化は滅亡への道 4

D グローバル化は適応しすぎて滅亡した古代生物に例えらる
 仮にすべての国が友好的で世界が平和になったとしたら、グローバル経済はすばらしい経済体制なのだろうか。それは違っている。世界分業ということは、生産地域が偏在することを意味するのだ。生産地域が偏在した場合、その地域の生産が何らかの理由で不可能になった場合、その影響は全世界に広がる。たとえば穀物の生産をアメリカに依存していたとして、アメリカが大干ばつに襲われて穀物がほとんど収穫できなかったらどうなるか。当然、アメリカはアメリカ国民のために穀物を使い、輸出は完全に途絶えるはずだ。そうなれば穀物をアメリカに依存していた国は大量の餓死者を出すことになってくる。もし、経済効率を優先するのではなく、すべての国々で食糧自給率を高い状態に維持していたなら、アメリカの大干ばつの影響は最小限に抑えることができる。
 高度に分業化された社会は効率的で高い生産性を有するのだが、ひとたび何かがあると悪影響は連鎖的に全世界に広がり、経済はたちどころに瓦解してしまう。それはまるで環境に適応しすぎて絶滅した古代生物に例えられるのだ。アンモナイトや恐竜といった古代生物は、進化の過程で無駄な機能を次々に捨て、生存のための最高の効率を手に入れた。このためアンモナイトや恐竜は爆発的に繁栄したが、その後、一気に絶滅している。なぜなら、無駄をすべて捨てたがために、環境が激変したとき、もはやそれに適合する能力を失っていたのだ。効率優先は「大繁栄か絶滅か」というまるでギャンブルのような行為なのである。効率化すれば良いとは限らないのだ。
 つまりグローバル化は最高の効率を求め続け、その結果、内部に巨大な「滅亡へのリスク」を抱え込むことになる。
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2017年09月12日

グローバル化は滅亡への道 4

D グローバル化は適応しすぎて滅亡した古代生物に例えらる
 仮にすべての国が友好的で世界が平和になったとしたら、グローバル経済はすばらしい経済体制なのだろうか。それは違っている。世界分業ということは、生産地域が偏在することを意味するのだ。生産地域が偏在した場合、その地域の生産が何らかの理由で不可能になった場合、その影響は全世界に広がる。たとえば穀物の生産をアメリカに依存していたとして、アメリカが大干ばつに襲われて穀物がほとんど収穫できなかったらどうなるか。当然、アメリカはアメリカ国民のために穀物を使い、輸出は完全に途絶えるはずだ。そうなれば穀物をアメリカに依存していた国は大量の餓死者を出すことになってくる。もし、経済効率を優先するのではなく、すべての国々で食糧自給率を高い状態に維持していたなら、アメリカの大干ばつの影響は最小限に抑えることができる。
 高度に分業化された社会は効率的で高い生産性を有するのだが、ひとたび何かがあると悪影響は連鎖的に全世界に広がり、経済はたちどころに瓦解してしまう。それはまるで環境に適応しすぎて絶滅した古代生物に例えられるのだ。アンモナイトや恐竜といった古代生物は、進化の過程で無駄な機能を次々に捨て、生存のための最高の効率を手に入れた。このためアンモナイトや恐竜は爆発的に繁栄したが、その後、一気に絶滅している。なぜなら、無駄をすべて捨てたがために、環境が激変したとき、もはやそれに適合する能力を失っていたのだ。効率優先は「大繁栄か絶滅か」というまるでギャンブルのような行為なのである。効率化すれば良いとは限らないのだ。
 つまりグローバル化は最高の効率を求め続け、その結果、内部に巨大な「滅亡へのリスク」を抱え込むことになる。
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2017年09月11日

グローバル化は滅亡への道 3

 B 産業の空洞化による先進国の格差拡大
 グローバル化は途上国の社会にゆがみをもたらすだけではない。コストを安く生産する目的で多くの先進国では工場が途上国に移転し、産業の空洞化をもたらした。それは先進国の人々から多くの雇用を奪う結果となり、深刻な失業問題と貧富の格差を引き起こした。欧州ではサブプライムローン・バブル崩壊後のデフレ不況も相まって失業率が20%を超える国もあり、さらにコストダウンのために外国人労働者の雇用が増加することで移民との間で対立が発生し、暴動すら引き起こしている。もちろん移民はグローバル化だ。グローバル化は資本の移動だけでなく、人の移動も推進しているからである。そして移民の中にはテロに走る若者も現れ治安は悪化し、社会の質は確実に損なわれている。グローバル化はヨーロッパに幸福をもたらしてはいない。
 C 相互依存による経済の不安定化
 グローバル化により相互依存が進むと、個々の国はそれ単体では生存できなくなる。例えば穀物は生産性の高いアメリカが圧倒的なシェアを占めている。多くの国々は自国で穀物を生産するのではなく、アメリカから穀物を輸入している。このような状況では、アメリカがもし、ある国に穀物の輸出を行わないと恫喝すれば、その国はアメリカの要求に従わざるを得ない弱い立場に立たされる。最近では中国がレアメタルで同様のことを行ったのは記憶に新しいところだ。これらの物質は「戦略物資」と呼ばれている。グローバル経済は生産性が高い一方、経済を他国に依存することになるため、立場は弱く、不安定なものになる。
 グローバル経済はすべての国が友好で、世界が平和でなければ成立しない。ところが世界はとてもそんな状況にはない。どの国も自国の利益を最大化しようとしのぎを削っており、しかも紛争が絶えることはない。そんな状態で経済のみがグローバル化し、食糧やエネルギー資源など国民の生命に関わる重要な商品をすべて輸入に依存するようになることは、極めてリスクが高い。
posted by GHQ/HOGO at 07:06| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

グローバル化は滅亡への道 2

 A 深刻な途上国の環境破壊
 グローバル化は深刻な環境破壊も引き起こしている。先進諸国では環境保護に関する法律が整備され、今や公害や環境破壊に直接悩まされることはない。そのために多くの人々が公害問題に鈍感になっているが、実際には世界中で環境破壊が凄まじい速度で進んでいる。その環境破壊と引き換えに得られた資源が先進国に輸出され、消費社会を支えているという現実がある。本来はジャーナリズムがもっと伝えるべき途上国のグローバル化による悲惨な環境破壊の実態は、先進国ではほとんど忘れられているのだ。
 アフリカで素朴に暮らしていた人々は、先進国から持ち込まれる目のくらむような消費財に心を奪われて、それを手に入れるためにカネを欲しがり、その地下に資源があるとなれば、先祖伝来の土地を売ってカネを得る。それで一時的に豊かになれるが、生活の基盤だった土地を追われ、日々の糧を得るため鉱山労働者としてわずかのカネで雇われる賃金奴隷となる。そこにはもはや民族の誇りも伝統文化もある。残されたのは先進国から持ち込まれた拝金主義という新たな異教だけなのだ。
 やがて環境は開発で破壊される。途上国は環境保護の規制などあってないようなもの。アマゾンの熱帯雨林はどんどん伐採され、木材は輸出され、農地には単一の商品作物が大規模に栽培される。鉱山を開発すれば有害な物質がどんどん出る。そして環境破壊の代償として得られた貴重な資源は次々に先進国へ運ばれ、消費され、大量のゴミとなる。そしてゴミもまた途上国に持ち込まれる。
 また卑近な例では中国の環境破壊、公害問題がある。グローバル社会では「中国の高い経済成長が世界経済を牽引した」などと中国を高く評価するが、その高い経済成長は環境の破壊を前提としており、これを高く評価するグローバル社会は偽善ではないか。こうした中国の環境破壊はグローバル社会も当初から予測可能だったはずである。なぜ問題が深刻化するまで放置したのか。それはまさにグローバル経済の性格を如実に表している。カネがすべてなのである。
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2017年09月10日

グローバル化は滅亡への道 2

 A 深刻な途上国の環境破壊
 グローバル化は深刻な環境破壊も引き起こしている。先進諸国では環境保護に関する法律が整備され、今や公害や環境破壊に直接悩まされることはない。そのために多くの人々が公害問題に鈍感になっているが、実際には世界中で環境破壊が凄まじい速度で進んでいる。その環境破壊と引き換えに得られた資源が先進国に輸出され、消費社会を支えているという現実がある。本来はジャーナリズムがもっと伝えるべき途上国のグローバル化による悲惨な環境破壊の実態は、先進国ではほとんど忘れられているのだ。
 アフリカで素朴に暮らしていた人々は、先進国から持ち込まれる目のくらむような消費財に心を奪われて、それを手に入れるためにカネを欲しがり、その地下に資源があるとなれば、先祖伝来の土地を売ってカネを得る。それで一時的に豊かになれるが、生活の基盤だった土地を追われ、日々の糧を得るため鉱山労働者としてわずかのカネで雇われる賃金奴隷となる。そこにはもはや民族の誇りも伝統文化もある。残されたのは先進国から持ち込まれた拝金主義という新たな異教だけなのだ。
 やがて環境は開発で破壊される。途上国は環境保護の規制などあってないようなもの。アマゾンの熱帯雨林はどんどん伐採され、木材は輸出され、農地には単一の商品作物が大規模に栽培される。鉱山を開発すれば有害な物質がどんどん出る。そして環境破壊の代償として得られた貴重な資源は次々に先進国へ運ばれ、消費され、大量のゴミとなる。そしてゴミもまた途上国に持ち込まれる。
 また卑近な例では中国の環境破壊、公害問題がある。グローバル社会では「中国の高い経済成長が世界経済を牽引した」などと中国を高く評価するが、その高い経済成長は環境の破壊を前提としており、これを高く評価するグローバル社会は偽善ではないか。こうした中国の環境破壊はグローバル社会も当初から予測可能だったはずである。なぜ問題が深刻化するまで放置したのか。それはまさにグローバル経済の性格を如実に表している。カネがすべてなのである。
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2017年09月09日

グローバル化は滅亡への道 1

今日、主流といわれるエコノミストの多くは経済のグローバル化を当然のように受け入れ、何の疑いもなくグローバル化を推進している。彼らの主張は「グローバル化、とりわけ新自由主義と市場原理主義で世界中の資源が最適に配分され、より多くの富を生み出し、世界経済は発展する」というものだ。ところが実際にはその逆の現象が数多く報告され、疑問の声も挙がっている。グローバル化はユートピアをもたらすのか。
 経済のグローバル化による効果は、理論上、すばらしいものであるかに見える。自由貿易を行う複数の国が、互いに資源の過不足を補完し、より生産性の高い分野の生産を分担して行う「国際分業」は非常に効率的で生産性も高いことは間違いない。しかし生産性が高いからと言って、人々が豊かで幸福になるとは限らない。実際にはその逆のことが生じている。生産性が高くとも人々に不幸をもたらすのであれば、それは社会のシステムとして不適切なのだ。
 @ グローバル化が招く貧困問題
 確かに多くの途上国はグローバル化によって「国家としての経済成長」を遂げている。BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ)はもちろん、その他の東南アジア諸国、アフリカでも高い成長を示している。しかしグローバル化は同時に途上国に深刻なインフレと貧富の格差をもたらした。2012年はアラブの春などと言われ、中東諸国の独裁政権が民衆の武力暴動により次々と打ち倒された年だが、この暴動の背景には貧富の格差の問題がある。グローバル化の波に乗り、経済成長した中東の国々で貧富の格差が許容範囲を超え、多くの人々の怒りを誘ったのだ。また成長著しい中国でも格差が拡大し、農村部では暴動が絶えず、開発で土地を奪われた農民が都市に溢れている。途上国の経済成長は人々に豊かさをもたらしたとは必ずしも言えない。豊かな人がますます豊かになり、貧しい人はますます貧しくなる。国の経済規模で見れば成長したかも知れないが、社会的な完成度としてはむしろ後退したと言えるのではないか。
 また、貧困がテロの温床になっているとはずいぶん昔から指摘されていることだが、それは解消されるどころか、グローバル化の進展した今日、ますます悪化している。つまりグローバル化による貧富の格差こそテロの温床ではないかと疑われる。グローバル化で資本の移動がどんどん行われるようになり、多くの途上国は経済成長のためという名目で、先進国からの莫大な債務を抱えるようになった。先進国から借金することで利益を得るのは一部の人々であっても、債務の返済のためにおカネを払うのは多くの庶民なのだ。その返済のために人々の貧困化に拍車がかかっている。たとえばある途上国では先進国からの債務の支払が滞ったために公共事業としての水道事業を外資に売り払う羽目になり、水道料金が引き上げられて暴動が発生している。このような途上国における格差の問題は中東のみならず、世界のすべての途上国に共通する社会問題と言えるう。
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2017年09月08日

日本の貧困対策がどれほど貧困かよく分かる数字

 生活保護に充てる予算はどのくらいか、GDPにしめる生活保護費の比率を見てみよう。
 OECD加盟国平均2.4%
 アメリカ3.7%
 イギリス4.1%
 ドイツ2.0%
 フランス2.0%
 日本0.3%
 日本はOECD加盟国の中でも生活保護費の占める割合はGDP比率が0.3%と極端に低いのだから、これで国家財政が圧迫されて破産するとは考えられない。国が国民の最低限の生活をしっかり支えようということにいかに不熱心かわかる数字だと思う。その上、追い打ちをかけるように消費税増税してさらに貧困者の負担を増大させ、その一方で法人税減税して大企業ばかりますます肥え太る・・・。こういう政治が国民を幸せにするとはとても思えない。
 さて一方の国民のほうはというと、自力で生きていけない人たちを国や政府は助けるべきだとは思わないと言う人が日本では3人に1人以上もいることがアンケートでわかった。
 日本 38%
 アメリカ 28%
 イギリス 8%
 フランス 8%
 ドイツ 7%
  中国 9%
 インド 8%
 日本は何という生きにくい国なのだろうか。「人様に迷惑をかけるな」という日本的な美徳は、度が過ぎれば他人に冷酷であることの裏返しでもあるのだ。
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2017年09月07日

グローバリズムはなぜ、貧困を引き起こすか? 2

 ある種のクライシスマネジメントの一環として、例えばジンバブエやチリ、イラクのような崩壊した秩序の再建築(リビルド)を目指すということであれば、一時的なハイパーインフレの引き換えとして効率的な経済システムの萌芽を育てることは可能だろうし、すでに秩序ある社会に立ち戻るためのコストを吸収することもできるだろう。なぜなら、すでに社会は混乱しきっているからだ。
 でも、(いまさらながら、という言葉を使うべきかどうか悩むが)日本がこれからさらにグローバリズムに対応するための規制撤廃を進め、移民を奨励し、経済効率を高めていくのだという議論を立ち上げるのは、どちらかというと反対だ。日本人は閉鎖的で、経済効率面で立ち遅れ少子高齢化が進む現在、このままでは日本は駄目になる、というような主張はあまり賛成できないかもしれない。そもそも論として、ここ20年ぐらいのアメリカの経済成長とそれに伴う国際的な流動性の増加というのは、何の裏づけがあってなされたものだったか、結果として誰がグローバリズムの利益を享受したのか、はっきりしないからである。
 しかし、この国だけでなく世界中が国民の求心力を高めるべく社会を統制する方向へと向かおうとするだろう。もう世界の富が増大する前提で国家の経済を設計するような、楽観的な世界観は終わってる。
好むと好まざるとに関わらず、おそらく向こう10年ぐらいは「国民の生活水準が切り下がる」局面に入ると思う。資源高とか、ガソリンが、とか、生鮮食料品の値上がりとか、そういったレベルの話が断続的に、ゆるゆると10年ぐらい続く。それでいて、賃金は上がらない。なぜなら、置き換えのきくスキルを持つ労働者は海外と戦うからである。そのため、国内生産を保つために移民を奨励しようという議論になるが、それは国内の日本人の職が奪われることとなる。それはつまり、国外に職を奪われるか、国内にいる移民に職を奪われるかの違いでしかない。
 そうであるならば、経済効率を上げていくということは字義的に、「下級国民の賃金を「国際的水準に」引き下げ、世界を向こうにまわして競争していくという、高度成長時代の日本と同じ文脈での果てなき戦いに従事しますよ」宣言にほかならない。それは世界の富が増大しているという前提ならば多少は未来は明るいかも知れないけれども、現実はまったくそうではない。
 グローバルな競争に勝ち抜くために、移民を奨励するというカードを切るのは、勝って利得が見えない勝負に手持の全チップを張る策にしか見えないので、保守主義的観点から見ると賛同できない。とてもじゃないが、日本人が膨大な移民、例えば全人口の5%なり10%なりを受け入れる、というような心構えを総意で持っているとは思えない。
 移民の話を出したけれども、放送通信行政であれネット規制であれ金融行政であれ、だいたい根っこは同じところにある。9条(改憲)の話もそう。世界経済が衰退しそうである、そのとき日本は統制するべきか開放するべきかという選択の問題だ。国内のベクトルと同様に、親米路線を前提とする場合、日本の繁栄を維持する最善の方策を何に求めるのかという国外の問題もある。
 個人的には、リスクを減らすべきだと思う。つまり日本にはこれ以上のリスクを抱える余地がそれほど残されていない。すなわち、賭けられる資産が少なくなっている状況があるように思う。ただ、直近では経済の問題でとりわけ中国経済のクラッシュはまあ8割がたあるとして、アメリカ経済もかなり長い期間後退し、日本だけが株価2万円を維持して笑顔という話には絶対ならない。では、グローバルにおけるマイナスの成長を、各国で押し付けあう形になる、と考えたらどうなるだろう。そこに正常な市場原理が働くだろうか。
 財界人が大きく誤解しているのはそこだ。原理的な市場にフェアが絶対的に存在すると思っている。投機的な仕組みに翻弄されて一国の経済をズタボロにできるグローバリズムが、ある種の神、信仰の対象になっているとしか思えない。神からこれだけの恩寵を蒙っている多国籍企業が、一生懸命政策担当者をオルグして回っているような状況なのだ。それがいけないというのではないが、そもそもが無理筋なんだろうと思う。
 突き詰めてしまえば、成長しない経済下で家計と企業というのは潜在敵で、企業が国際市場での収益性を高めようと思えば家計を押し下げるほか方法がない。家計を押し下げないように競争力を確保する方策は企業では達成できないから、当然のことだ。では、国家が競争力を確保するための政策をどう立案するのか。経済の形をデザインするのか。
 これは、たぶん、日本の選択として、本当にどうにもならなくなるまで何もせず動かない、という選択肢を選ぶことになってくる。日本とは、そういう国家であり、社会であり、国民であると思う。だから、原理原則のところだけ大枠を決めておいて、それまでに政治的な頚の部分は極力シンプルにしておいて、問題点の整理と解決の道筋だけでも考えておくのが一番効果的なのではないか。それこそ、政治的再分配はどのあたりが日本として適切なのか、社会的移動性はどうなのかというあたりは、もっぱら政治の領域とはいえいろいろな議論のバリエーションが発生し得る。
用意するだけしておいて、実際に起こるまで何もしないというのが、おそらく日本社会の持つ固有の知恵だと割り切って、迂闊に割を喰わないような外交的、安全保障的な部分だけ整理したほうがいいのではないか。
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2017年09月06日

グローバリズムはなぜ、貧困を引き起こすか? 1

 何か刺激的な表題だが、基本的なところで、金融業者でも結構ベーシックなところの理解が共有できていない。もちろん、経済学そのものを体系的に深く学んでおらず、読書や業務の中できっとこういうことなのだろうという経験則を当てはめながら理解しているので人のことをどうこう言えた義理でもないが、社会保障論とかで紐解かれる一般的な経済思想が分かっていればそれほど理解が困難な世界でもない。また、あまり理系文系で分けるのは好きな論法ではないが、数理的なモデル論を知らなくてもある程度の政治的分配について見識があればそれほど齟齬が起きるような話でもない。
「保守主義者ではあるけれども、グローバリストではない」という姿勢に批判があるが、その国や地域に自律的な経済システムが存在しているなかで、フリードマン流の自由貿易原理主義のようなものが暴力的に介入して過大な流動性を持つ市場を駆使しながら地場の富を収奪し、市場から流動性が失われる危機が演出されたときに誰よりも早く逃げ散ることに対する批判(とりわけヘッジファンドに対する規制を声高に叫ぶ先進国の金融政策担当者)は一理あるのではないか。
 証券市場にしても、教科書的には企業は株主のものであるということには賛同するにしても、その国や地域でビジネスを行い雇用を創出しているからにはそこの社会に対する社会的責任を企業は負い、その見えようとして、従業員重視の経営方針や、顧客に対する徹底的なサービスの追求のために株主利益を後回しにする経営方針というのも許容されるべきだろう。
 これは従来からの産業、すなわち設備を必要とする製造業や流通、小売業のような業態だけでなく、IT産業やサービスなどの領域でも地域や顧客、従業員、環境などに対する積極的な関与とコンプライアンスの遵守というのはビジネスを行っている地域にあわせて行わなければならない責務があるはずだ。それは、そこで暮らしている人々やその根底に流れる風習、文化というものに、企業あるいは市場がどういう互恵的な関係で「乗っかっているか」を重視することで、社会が適切に市場の調整能力を使いながら経済効率を上げることができる。
 すなわち、その国の経済というのは世界標準の市場があってそこからハブ的にぶら下がるものではなく、あくまで従来からの社会、経済の流れの中に市場というファンクションが調整弁として働くというモデルを「より良いもの」と考えるのが保守主義的なアプローチだろうと主張したい。当然、そこには旧態依然とした規制や商慣習などの問題がその国や地域の経済効率を下げ、結果として国際競争力の喪失という形で国益を損なう結果になるという議論もあるわけだが、市場をある種の原理主義的な機構の対象として祭り上げ、極端な市場原理の元に生産性の向上を目指して国民間の所得など社会が本来兼ね備えていた調和をないがしろにすれば、結果として社会コストの増大を招き暴動の絶えない国になってしまう。
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2017年09月05日

暴力団脱退装い実は…。生活保護費の不正受給めぐり山口組系幹部を逮捕 大阪府警

 暴力団組員であることを隠し、堺市から生活保護費約24万円を不正に受給したとして、捜査4課は、詐欺容疑で、同市堺区向陵中町、指定暴力団山口組系幹部、笠原正治容疑者(51)を逮捕した。容疑を認めているという。
 同課によると、笠原容疑者は数年前まで別の暴力団に所属。脱退後に生活保護を申請・受給していたが、現在の組事務所に定期的に電話をしたり、定例会に参加したりしていたことが判明したという。
 逮捕容疑は4月下旬〜6月上旬、2回にわたり、同市から生活保護費計約24万円をだまし取ったとしている。
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2017年09月04日

時給100円余「だまされた」 元患者が医療法人を告訴 最賃法違反罪など

 時給100円余りの賃金で通院先のクリニックで働かされたとして、東京都内に住む50代の元男性患者が14日、最低賃金法違反罪と労働基準法違反罪で、医療機関を運営する医療法人などを上野労働基準監督署に刑事告訴した。この医療法人は、生活保護を受給する患者の相談員として、都内の福祉事務所に職員を派遣。生活保護費を管理するなど患者の囲い込みが疑われており、男性の代理人弁護士は「経費削減を図り、患者の利益をないがしろにした貧困ビジネスの象徴」と話している。
 男性が告訴したのは、通院していた精神科クリニック(東京)を運営する医療法人(同)と理事長ら。
 告訴状などによると、男性は大田区の福祉事務所の勧めで昨年9月から今年8月までクリニックに通院。今年4月以降、週3回にわたり、他の患者の誘導などクリニックの業務を行うよう指示され、4〜5月は無給、6〜7月は当時の東京都の最低賃金(888円)を下回る時給約111円〜約125円で働かされたとしている。賃金はクリニックの職員が管理していたという。
 男性は「クリニックに『ヘルパー2級の資格がとれる』といわれて働いたが、資格もとれず、だまされたという気持ち。生活保護費も管理されていたので、辞めることができなかった」と話した。医療法人側は「担当者がいないので対応できない」としている。
精神疾患者を食い物に―有名クリニックが劣悪な環境で貧困層を囲い込み
 院内隠し撮りの画像がテレビのニュースになった。これは都内に4つのクリニックを持つ、某医療グループのことだ。実はこの医療グル―プに関しては、過去『ニコ生タックルズ』(http://ch.nicovideo.jp/hisada)において、薬物依存で通院する患者に出演してもらうなどしていた。その際、様々な問題点も提起されたのだが、今回はなぜそれが問題になったのか。
 実は、この医療グループは大田区や江戸川区等に相談員を派遣して、アルコール、薬物依存、ギャンブル、性依存等、精神疾患患者の相談に乗り、自分のクリニックに通うよう指導していたのだ。大田区では19年度から4人を派遣してもらう随意契約を結び、江戸川区では同じく19年度から3人の派遣を受け、区内にある福祉事務所に置いていた。随意契約の理由は「毎日派遣してもらうクリニックがここしかなかった」である。
 多くの受給者が指示に従い通院して、病院を辞めたい等申し出ると、生活保護を打ち切るなど、何も権限が無いクリニックに虚偽の説明をされて、通院せざるをえなかったという。通院は当然患者の意思が第一であり、これは当然違法である。
 過去、『ニコ生タックルズ』に出演してもらった男性は大田区の福祉事務所に薬物依存の件で相談に行き、相談員同行のもと、このクリニックに連れて行かれ、それから現在に至っている。また、別の男性は江戸川区に生活保護受給の相談に行った所、このクリニックに通う事が条件の上、生活保護受給が決定した。彼は現在、このクリニック付近のとあるNPOが運営する寮に入れられ、日の当たらない地下室の二段ベッドを十個位並べられたカーテンで仕切られた狭い部屋で生活を余儀なくされている。体の具合が悪くてもクリニックを休みたくても休めないのだ。なぜならクリニックから迎えが来て、半ば強制的に連れ出されてしまうからだ。
 このクリニックは、医療費が軽減される「自立支援医療制度」を利用し、自己負担なしで通院治療やデイケアを受診させる。クリニック側には1日10時間のデイケアで、1万円の自立支援医療費(精神通院医療)が支払われている。彼らも必死なのだ。
 では、実際にクリニックではどの様な自立促進の治療が行われているのか。
 調べてみると、患者は朝9時半に通院したスタンプを押してもらい、10時から始まるプログラムを受け、18時45分に終了のスタンプを押され、帰路に着いている。ある日のプログラム表には、芸術支援療法、ミーティング等の文字が見られる中に、買い物ツアーと言う日もあった。
 これは依存症の患者を引き連れて、電車に乗り、安い洋服がある繁華街に買い物に連れて行くのだが、20〜30人いる患者に対して、看護師等の資格を持っている引率職員はわずか2名というお粗末さだ。どんな事態が起こるか分からない依存症患者の引率がたった2名で非常事態にどの様な救急治療が行われるというのか。また、人を巻き込む事態になったらどの様な行動が取れるのであろうか。なかには散歩等のプログラムもあるが、これは近くのデパートに行き、そこで1時間位の自由行動を取らせるだけだった。これは利用されているデパートもお客さんもいい迷惑であろう。
 さらに、このクリニックでは患者の金銭管理までしている。通常の生活保護受給者でも役所が金銭管理する事もあるが、ここのクリニックは度を越している。1日1000円貰えるならまだいい方で、現金の代わりに現物支給と言う制度まで存在している。これは生活保護費が役所からこのクリニックへ現金書留で郵送され、それをクリニック側が管理。プログラム終了後に職員引率の元、近くにあるコンビニに連れて行き、数百円の買い物をさせるというものだ。クリニックが開いている平日は質素だが食事は出ている。しかし、休日前日は弁当等は腐ってしまうので、カップラーメンを買うしか選択肢は無い。その方法が依存症の治療に効くのかは分からないが、その役所から送られた現金の預り証すらクリニックからは発行されない状況だ。金銭出納帳はあるにはあるのだが、患者によるとその金額は訂正されている事が多いという。だから患者本人は今、いくら自分のお金が溜まっているのかを確かめる術も無いのだ。
 貧困ビジネスが社会問題となり、規制が厳しくなった現在でも、自立支援乱用の法規制までは追いついてはいない。そこが盲点となり、この様な医療が成立しているのであろう。数人の元患者が弁護士と共にこの医療グループを訴え、東京都、厚労省でも問題視されている。
 そして、この医療グループの各種行事に数年前まで有名な女性衆議院議員が来賓として挨拶をしていたという。
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2017年09月03日

「なぜイケメンが私に…?」貧困女子を狙う悪質ビジネスに気をつけて!

 社会問題化している「貧困女子」。低所得、失業や再就職への不安、新卒女子の就職難……一人で生きることに不安を覚える彼女たちの弱い部分につけ込み、まったく無意味な資格や教材を高額で契約させる悪質なビジネスが増えているという。
 「基本的に、喫茶店で対面に座らせるところまで持っていったら、ほぼ8割成約です。営業の人間は基本50種類以上の資格・スクールについて営業トークできますから、相手が取りたい資格があるかないかも関係ない。後輩に1人の女に12個も資格を取らせたヤツがいます。キーワードは美容、民間療法、占い、芸能ですかね。要するにみんな、怪しい系です(笑)」
 資格営業マンで統括ポジションにあるという30代前半のK氏は言う。だが、彼の名刺にはなぜか不動産会社の名が……。
 「ウチは営業会社でいろいろな企業から営業業務を委託されている。柱は独身女性向けの不動産。その他は、化粧品と健康食品が中心。その中に資格とかスクール系の営業が含まれているということ。
 マンションの営業をしてると、なかには年収150万円なんて女も出てくるじゃないですか。こういう女は不動産は買えないかもしれないけど、将来が不安だったり生活が厳しいから、資格ならいける。そんな女をリストアップして、別の営業が呼び出して対面営業かける。最近、資格系の斡旋がかなりの売り上げを占めてます」(K氏)
 つまりK氏の営業会社は、複数の資格事業者から顧客開拓をアウトソーシングされているのだ。
 K氏曰く、最も営業成績を上げられるのは資格取得費が5万〜15万円ほどの女性向け「独自認定系資格」とのこと。その営業方法は悪質極まりない。K氏の同僚で、“前職”は振り込め詐欺をしていたというS氏(28歳)は言う。
 「大学や専門学校から流出した就活のエントリーシートや、美顔器とかパワーストーンなんかを買った女性の顧客リストをベースに電話やメール営業をかける。優秀な営業はSNSや出会い系サイトを使ったり、自ら婚活パーティとか無料セミナーに潜り込む。街頭のスカウトから紹介してもらうこともある。
 どちらにせよ、大事なのは営業員をイケメンで固めてること。デート商法に近いんだけど、対面営業に持ち込めば勝ったも同然です。営業したその場で契約書を書かせるし、よっぽど珍しい名前じゃなけりゃ会社に印鑑置いてありますから……」
 要するに、契約書に印鑑を勝手に押してしまうということだ。さらに受講料の回収方法も酷い。
 「年収が低くてローン組めない女も多いんで、例えばクレジットカード持ってるなら、ショッピング枠で金券買わせて、換金して払わせる。カードのない女には『信販会社を紹介する』って言って契約書を書かせ、○○ファイナンスみたいな名義から、そのコの銀行口座に現金を振り込んじゃう。つまり押し貸しの闇金」(S氏)
 一方でS氏の詐欺時代の後輩だというT氏(26歳)は、資格の押し売りのみで利益を上げるグループをつくっている。
 「僕はゴミ教材の押し売りですね。K君のところから『オカワリOK』の顧客名簿をもらったり、自分で開拓した女に営業してる。大手資格スクールの教材をキンコーズなんかで丸コピーしたものや、昔のVHSビデオ(笑)の教材、ネットで売ってる士業系の情報商材のパクリなんかを10万円ぐらいで売りつける。
 身内のスカウトとかにも声かけてるけど、こっちはK君のところと違って利益率95%以上のフルコミ(完全出来高制)ですからね。先月はこれで60万円稼ぎました」
 最後にK氏は貧困女子はカモとして最適だと言い切る。
 「この営業を始めて、世の中にはカネのない女、なんとかして稼げるようになりたい女がこんなに多いことに驚いた。単価は安くても潜在客数がとんでもないですからね。今は関東中心だけど、これを地方で展開したらとんでもないビジネスに化けますよ!」
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2017年09月01日

貧困ビジネス 会社社長を業務上横領容疑で逮捕

 生活保護受給者3人を所有するアパートの部屋に居住させ、生活保護費が入金される口座から保護費を着服したとして、神奈川県警は、相模原市緑区、不動産会社社長の被告の男(62)(詐欺罪などで起訴)を業務上横領容疑で逮捕した。
 県警幹部によると、被告は40〜50歳代の男性3人と金銭管理契約を結び、同市内のアパートに入居させたうえで、保護費が振り込まれる口座を管理する「貧困ビジネス」を展開。2014年12月から15年12月の間、3人が退去したにもかかわらず、振り込まれた保護費計約120万円を勝手に引き出し、着服した疑い。
 調べに対し、被告は「俺はやっていない」と容疑を否認しているという。
 県警は、被告が同市内のアパート12棟に分散所有する計54室に現在、受給者約50人が入居していることを確認。一部の受給者は、被告と金銭管理契約を結んでいるという。
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