2017年08月28日

相対的貧困は不平等の指標

 ストーニー・ブルック大学の経済学准教授、ノア・スミス氏の日本が貧困に陥っているという意見に対し、ロンドンのアダム・スミス研究所のフェロー、ティム・ウォーストール氏は、スミス氏が見ている数字が表すものは相対的貧困であり、絶対的なレベルの貧困以下で暮らす日本人が増えているということではないと指摘。また、ユニセフが調査で測っているのは「不平等」だと述べる。
 これはエコノミスト誌も指摘している部分で、ユニセフも含め日本の子供の貧困率は相対的貧困率であり、手取りの世帯所得を世帯人数で調整し、中央値の50%以下を貧困と定義した上での数字だ。日本の子供の相対的貧困率は1985年には11%だったが、2012年には16%まで上昇し、OECD諸国の中でも上位に入るという。そしてユニセフは、日本における豊かな家庭と貧しい家庭の子供のギャップは、アメリカよりも顕著で、メキシコやブルガリアとそう変わらないレベルだとしている。
 日本の非正規雇用はすでに雇用全体の5分の2を占め、夫婦両方がそうである場合は特に経済的に厳しいこと、また、貧困にある子供の3分の1がシングルマザーに育てられていることも、エコノミスト誌は問題視している。日本の貧困家庭の子供達は、途上国のように飢餓にあるわけではないが、1日のうちまともな食事が給食しかない、電気、水道、ガスが止められたため公衆便所で体を洗う、お金がないため放課後友達と出かけたり、塾に行ったりすることができないと、その実態が説明されている。
 すでに政府はソーシャルワーカーの数を増やしたり、一人親家庭の児童扶養手当増額を決定したりしている。これについて、首都大学東京の阿部彩教授は、離婚したシングルマザー自身を責める声が多かった自民党がここまでしたのは驚きだ、と述べている。
 エコノミスト誌は、政府は高齢者よりも若者を助ける政策を打ち出しているというイメージを作り上げようとしているが、子供の窃盗、売春、劣悪な生活環境などが新聞の見出しを飾るなか、対応は容易ではないだろうと指摘している。
posted by GHQ/HOGO at 06:51| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする