こうした労働者を搾取する目的で行われる「貧困ビジネス」だが、今や日本の貧困層は底辺の日雇い労働者だけではなくなっているのが現実だ。小泉政権が「新自由主義経済政策」と「構造改革」を推し進めた結果、企業は終身雇用を捨てて正社員の代わりに派遣労働者を取るようになった。これを推し進めた張本人は竹中平蔵という男だ。
この男は「企業は正社員をたくさん抱えるということが非常に大きな財務リスク」と言って、派遣労働者を増やす政策を強力に推し進めていった(正社員をクビにしやすい社会になったら、儲かる男がいる)。その結果、企業は若年層を正社員として雇わなくなっていったので、彼らはいつクビにされるのか分からないような不安定な状況の中で働くことを強いられるようになった。
結局、その中でも学歴のない人や、職種が合わずに会社を辞めざるを得なくなった人や、怪我や病気になった人などが、改めて仕事を探しても正社員になれず、やむなく非正規雇用で雇われて、貧困に落ちていくことになった。 一流企業に就職できた者でも、リストラや一身上の都合で会社を辞めたら、次の仕事がなかなか見付からず、非正規労働者となって落ちぶれていく姿も普通になっていった。
そして、どうなったのか。日本の底辺では貧困の人間をターゲットにしたビジネスがどんどん増えていくようになったのだ。