2017年06月21日

消費支出は地域経済を支え、税収にもはね返る

 自前の財源を含めて、自治体が保護費の一定部分を実質負担したら、それは損なのか。
 その際、考える必要があるのは地域経済である。生活保護費は基本的にためこまれず、ほとんどが医療費、家賃を含めた消費支出に回る。一般世帯に比べ、食費の比率が高めで、大半が地元で使われる。したがって、地域経済への直接的なプラス効果が高い。地域によっては、生活保護利用者がいるおかげで成り立っている商店、飲食店、賃貸家主、医療機関もある。たとえば大阪市西成区は人口比の保護率が24%(16年6月)と極めて高く、もし生活保護の人がいなくなったら、バタバタと店がつぶれて、西成区の経済は危機的になるだろう。
 大阪市の14年度の決算ベースの保護費2916億円のうち、市が実質負担する591億円を引いた2325億円は、国のお金。市が591億円を出すことによって、国から2325億円を引っ張ってきて、計2916億円を地域に落としたという解釈もできる。これは、国から補助金が出る公共事業が地域にもたらす経済効果を強調するときに、しばしば使われる論理と同じ。
 地域経済にプラスになれば、税収にもはね返える。生活保護利用者が使ったお金は、商品やサービスを売った側の収入になるからだ。仮に保護費総額2916億円に個人市民税の所得割の税率6%を掛けると、175億円になる。実際には、法人を含めて多段階のお金のやりとりが生じる。また消費税8%のうち1.7%は地方消費税(都道府県税)で、その半分は市町村に配分される。
 経済効果や税収はねかえりの具体的な見積もりは難しいが、市が591億円を出しても、市税などの収入として戻ってくる分が、けっこうあるわけだ。以上のことは大阪市以外の自治体や、地方交付税の不交付団体にも言えること。もちろん、保護を受けていた人が就労などで経済的に自立して買い物をできるようになるなら、それにこしたことはない。
posted by GHQ/HOGO at 06:56| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする