高齢者の困窮はじわじわと進み、厚生労働省が発表した「生活保護の被保護者調査」(2016年3月分)によると、生活保護受給世帯に占める65歳以上の高齢者世帯の割合は、今年初めて5割を超え、50.8%になった。 受給世帯数は163万5393世帯で過去最多。受給者実数は216万4154人。高齢者だけか、高齢者と18歳未満の子供で暮らすいわゆる「高齢者世帯」が、全体の半数を超える82万6656世帯。高齢者世帯の半数超えは、1950年の生活保護制度スタート以来初めだ。このうち約9割は1人暮らし世帯。
高齢貧困層は今後さらに増えることが予想されます。中でも注目すべきは、生活保護受給世帯だけでなく、保護基準に届かず、生活保護制度の外側にいる実質貧困層の増加である。わずかな年金と低賃金労働で生きる「生活保護寸前層」が膨らんでいる。