2017年05月26日

市区町村には、給与・年金の情報がすべて届いている

 不正受給と言っても、大部分は稼働収入の無申告・過小申告と年金等の無申告であり、その大半は、市区町村が持つ税情報との照合、年金機構への照会といった定期的な事務作業で発覚している。収入をごまかすために手の込んだ偽装工作をしていたわけではなく、簡単にばれている。
 なぜ、簡単にばれることをするのか。いくつかの原因が考えられる。
 1つは、給与や年金の情報が市区町村に届くことを、保護の利用者が知らないケースである。
 すべての事業主は、法人・個人を問わず、前年中に支払った給与について、「給与支払報告書」を作成し、1月1日現在の従業員等の住所地の市町村(東京23区内は各特別区)に提出する義務がある(地方税法317条の6)。
 アルバイト、パート、役員を含め、給与の額の多少にかかわらず、提出しないといけない(違反すると刑事罰がある)。所得税や住民税を源泉徴収するかどうかには関係ない。
 また、公的年金や企業年金を給付する団体は、「公的年金等支払報告書」を同様に市区町村へ提出する。国税当局は、所得税の確定申告書の情報を市区町村へ届ける。市区町村は、そういった情報をもとに住民税の額を決める。
 このデータは「課税にかかる資料」「税情報」などと呼ばれるが、たとえ課税されない額でも、給与や年金の情報は市区町村に入っているわけだ。福祉事務所は少なくとも年1回、本人の申告内容と課税情報を照合する作業をする。今はコンピューターで自動チェックできる。年金機構には別途の照会もしている。
 不正受給の中には、少しのアルバイトやパートで税金もかからないし、役所にはわからないだろう、と安易に考えていたケースが、結構ある。


posted by GHQ/HOGO at 06:45| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする