2017年05月31日

特養に入れない認知症妻を介護する78歳夫の苦労

 埼玉県内の男性(78)は、自宅で妻(84)と2人で暮らしている。最近妻の物忘れがひどく、買い物のときに迷子になって、交番から連絡が来るようになったという。あるとき、電車で1時間も離れた街に行ってしまった。 長男は関西地方で働き、長女は結婚して福岡に住んでいて、盆暮れ正月しか戻ってこない。夫は妻の認知症を疑っている。
 「これ以上症状が進むと、私では面倒を見切れなくなる。自宅で生活できなくなるのではないか。かといって高額の施設に入るお金もない。子供にも迷惑をかけたくない」
 夫婦の全収入は2人の年金月額約22万円。このレベルなら、以前は月額5万〜8万円程度の費用で特別養護老人ホームに入れていた。しかし2015年4月、特養への入所条件が「要介護3以上」に変更され、要介護1、2で認知症などを患う人たちが特養に入れない事態が発生した。
 地域包括支援センターのケアマネジャーに調べてもらったところ、男性の妻は要介護2判定だった。現状では特養入所は難しく、週3回程度の在宅ケアでしのいでいる。男性も高齢のため、老老介護がいつ破綻するか分からない。こうしたケースで近年、子供の介護離職が発生することが社会問題化している。
 厚生労働省の就業構造基本調査によると、前の年1年間の介護離職者は全国で約10万人に上った。中高年の子供が親の介護のために一度離職すると、同条件での再就職はかなり困難だ。再就職しても賃金は以前より下がり、収入や蓄えが減って今度は自分の老後を不安定にしている。
 生活保護基準相当か、それ以下で暮らしている年金受給者は少なく見積もって700万人、多く見積もると1000万人を超える。貧困寸前の状況は、介護や病気をきっかけに、子供世代に直接影響する。
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2017年05月30日

生活保護基準以下で暮らす年金生活者の綱渡り

 40代に突入した就職氷河期世代が10年後に直面する「親と共倒れ」の世界。その親世代の貧困は、すでに先行している。
 高齢者の困窮はじわじわと進み、厚生労働省が発表した「生活保護の被保護者調査」(2016年3月分)によると、生活保護受給世帯に占める65歳以上の高齢者世帯の割合は、今年初めて5割を超え、50.8%になった。 受給世帯数は163万5393世帯で過去最多。受給者実数は216万4154人。高齢者だけか、高齢者と18歳未満の子供で暮らすいわゆる「高齢者世帯」が、全体の半数を超える82万6656世帯。高齢者世帯の半数超えは、1950年の生活保護制度スタート以来初めだ。このうち約9割は1人暮らし世帯。
 高齢貧困層は今後さらに増えることが予想されます。中でも注目すべきは、生活保護受給世帯だけでなく、保護基準に届かず、生活保護制度の外側にいる実質貧困層の増加である。わずかな年金と低賃金労働で生きる「生活保護寸前層」が膨らんでいる。
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2017年05月29日

多くの日本人が貧困に沈むのは、なぜなのか?「6人に1人が貧困状態」という不都合な真実

 日本の相対的貧困率は17%前後だが、2017年もほぼ同様である。相対的貧困率とは、国民の所得分布の中央値の半分未満である状態を示す。相対的貧困率には所有する資産は考慮されていないが、誤解を恐れずに単純化すると日本人の6人に1人が貧困状態にあるということだ。今年の生活保護受給者も約220万人ほどである。
 貧困世帯には時として厳しい批判が飛ぶ。だが本当にそうなのか。病気、ケガ、介護、転職、失業……誰にでも起こりうる事態をきっかけに、人々は「安定」からいとも簡単に滑り落ちていくのだ。
 「まさかこんなことになるなんて……」
 50代の男性はそう嘆く。彼はかつて誰もがうらやむエリートビジネスマンだった。外資系IT企業を渡り歩いてキャリアアップ。ピーク時の年収は1200万円に上り、充実した生活を送っていた。ところが、現在の年収は約300万円と4分の1に。一時は生活保護の申請に足を運ぶなど、生活に困窮していた。彼の身に一体何が起こったのか。
 最初のきっかけは病気だった。2005年頃に大手通信会社系企業に転職。その後、スマートフォンの新商品発売に向けた連日の激務がたたり、脳の病気で倒れた。3カ月で復帰すると、今度は職場でパワーハラスメントを受けた。「いつ倒れるかもわからない人に年収1000万円ものコストをかけたくないから、早くやめさせたかったんじゃないか」と男性は振り返る。
 さらに不幸は重なる。しばらくして今後は母親が心臓の病気で倒れた。都内のマンションから東京郊外にある実家に戻り、看護をしながら通勤する生活に。通勤時間は片道2時間半。終電に間に合わず、週の半分はサウナに寝泊まりしていたという。それでも親の看護と仕事の両立は簡単ではない。自分が倒れたときに有給休暇を使い切っており、欠勤扱いになる日が増加。2011年末に会社を解雇されてしまった。
 解雇と同じくして母親は他界。さらに父親にも肺がんが見つかり、母の死から数カ月後になくなった。精神的にはどん底だったが、それでも働かなければ生活できない。実家暮らしで家賃負担はなかったが、希望の仕事を見つけるのは難しい。コンビニのバイトを始めた。生活保護の申請にも行ったが、持ち家と数十万円ほどの貯金があるから認められないと担当者はにべにもなかった。
 その後、家を300万円で売却。友人たちの誘いなどもあり、貯金を元手に都心に戻ってきた。現在はITの知識を生かしてフリーのコンサルタントとして生計を立てている。だが病気などで働けなくなったらどうなるのか、老後はどうするのかを考えると不安は募る。
 経済学に「貧困の罠」という言葉がある。本来は税制や社会保障制度などの欠陥によって貧困から抜け出せない状況を意味する。ただこの男性のように普通に生活をしていても、貧困に陥る「罠」は少なくない。
 転落者を受け止めるセーフティネットも手薄だ。雇用保険や医療保険、年金などのように保険料を支払い、いざというときに給付を受ける社会保障制度はそれなりにある。が、それら防貧ネットからこぼれ落ちた人たちの受け皿となるセーフティネットは生活保護しかないのが実情だ。
 その生活保護への風当たりは強い。もともと受給者の負担のない救貧施策のため、批判を浴びやすいが、保護費負担金は3.8兆円(事業費ベース)に膨らんでいることもあって、予算削減の動きが加速している。
 生活保護世帯は過去最多を更新し続けているが、構成比を見ると高齢者と障害者・傷病者が多く、全世帯の7割超を占める。これらは事実上働くことができない世帯だ。保護費の内訳を見ると医療費にかかるものが半分を占める。生活保護というと不正受給に注目が集まりがちだが、生活保護費の総額に占める割合は 0.5%前後で推移しており、多いとはいいがたい。
 高齢者が増えるに伴って、今後も生活保護受給世帯が増え続けるのは間違いない。生活保護費だけに着目して予算を削減するのではなく、年金、医療、介護など約30兆円に上る社会保障関係費全体の中で議論すべきだろう。
 多くの人は、貧困は他人事だと思っているだろうが、実はそうではないのだ。女性、高齢者、子供などにもその闇は広がり、日本を覆いつつある。まずはその事実にきちんと向き合うこと、そしてどのような対策を打つのか考える必要がある。
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2017年05月28日

不正は、まず未然に防ごう!

 元大阪市ケースワーカーの松崎喜良・神戸女子大教授(公的扶助論)は「不正受給を見つけて摘発することより、未然防止に力を入れるほうがよい。『収入は必ず申告してくださいよ』と言うだけでなく、『給料や年金は少額でも支払報告書が提出されるから、必ず役所でわかりますよ』と伝えておくべきだ。年金は生活費用を確保する重要な手段だから、ケースワーカーが受給を手助けすべきなのに、年金の知識が足りないから、把握せずに不正を招いてしまう。悪質な不正をする人間もいるのは確かだが、定期的に家庭訪問して生活の実情を見ていれば、おかしいことに気づく。ケースワーカーの人数と資質が足りないせいで、そういう基本的な努力が不十分な自治体が多い」と強調する。
 保護費を支給した後、税情報で申告のない収入を見つけ、不正の認定手続をして、返還を求める。それには、かなりの手間がかかる。その時点では、返還できる資力が当事者にないかもしれない。そういうやり方より、税情報の仕組みがあることを保護利用者に周知しておけば、生活保護の不正受給は大幅に減り、そこにかけている職員の労力も減るはずである。
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2017年05月27日

申告義務がしっかり伝わっているか?

 生活保護の利用者が、収入や資産の申告義務をきちんと理解していないケースがある。保護開始の際、担当ケースワーカーは、保護利用者の権利と義務を伝える文書を渡し、口頭でもよくわかるように説明する必要がある。その内容を理解したという書面にサインしてもらって受け取るよう、厚労省は求めている。保護継続中も、同様の説明文書を年1回以上、世帯主と世帯員に配布するよう求めている。これらの説明の中には、収入の申告義務がもちろん含まれている。
 けれども、文書配布や口頭説明、書面提出が必ず実行されているとは限らない。いいかげんにやっている自治体やケースワーカーも存在する。実行されていても、利用者側がいろいろな書類や手続にまぎれて、きちんと認識していない場合や、よくわからないまま、わかったと答えている場合もある(たとえば軽い知的障害のある人は、そういう返事をしがち)。
 高校生のアルバイトは、申告して、学業の費用や進学資金など使い道の計画を示せば、収入認定されない(保護費が減額されない)ことが今は多いのだが、申告しないで後から税情報などで発覚すると、不正受給として扱われる。親の知らない間にバイトしていることもある。だから世帯主だけでなく、高校生本人にも申告義務を説明するべきだが、不十分なことも多い。そういう高校生の無申告アルバイトも、不正受給件数の中に入っている。
 保護の利用中に障害年金、遺族年金、老齢年金などの受給を始めたときや、年金の増額改定がされたときも、すぐ申告しなかったり、うっかり申告を忘れたりするケースがある。
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2017年05月26日

市区町村には、給与・年金の情報がすべて届いている

 不正受給と言っても、大部分は稼働収入の無申告・過小申告と年金等の無申告であり、その大半は、市区町村が持つ税情報との照合、年金機構への照会といった定期的な事務作業で発覚している。収入をごまかすために手の込んだ偽装工作をしていたわけではなく、簡単にばれている。
 なぜ、簡単にばれることをするのか。いくつかの原因が考えられる。
 1つは、給与や年金の情報が市区町村に届くことを、保護の利用者が知らないケースである。
 すべての事業主は、法人・個人を問わず、前年中に支払った給与について、「給与支払報告書」を作成し、1月1日現在の従業員等の住所地の市町村(東京23区内は各特別区)に提出する義務がある(地方税法317条の6)。
 アルバイト、パート、役員を含め、給与の額の多少にかかわらず、提出しないといけない(違反すると刑事罰がある)。所得税や住民税を源泉徴収するかどうかには関係ない。
 また、公的年金や企業年金を給付する団体は、「公的年金等支払報告書」を同様に市区町村へ提出する。国税当局は、所得税の確定申告書の情報を市区町村へ届ける。市区町村は、そういった情報をもとに住民税の額を決める。
 このデータは「課税にかかる資料」「税情報」などと呼ばれるが、たとえ課税されない額でも、給与や年金の情報は市区町村に入っているわけだ。福祉事務所は少なくとも年1回、本人の申告内容と課税情報を照合する作業をする。今はコンピューターで自動チェックできる。年金機構には別途の照会もしている。
 不正受給の中には、少しのアルバイトやパートで税金もかからないし、役所にはわからないだろう、と安易に考えていたケースが、結構ある。
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2017年05月25日

稼働収入の無申告・過小申告、年金の無申告で8割近くを占める

 不正の内容を見てみよう。15年度の内訳で、一番多いのは稼働収入の無申告で、過小申告と合わせると58.9%になる。次いで各種年金等の無申告が19.0%。これらだけで不正件数の8割近く(77.9%)を占めている。
 生活保護世帯は、すべての収入を福祉事務所へ申告しないといけない。働いて得た収入があるか、年金・福祉給付があるのに、申告しないまま保護費を受け取ると、本来、収入に応じて減額されるはずだった部分が不正受給になるわけだ。
 不正が見つかるきっかけは、照会・調査が89.2%と、大部分を占めている。福祉事務所が生活実態に疑いを持って照会・調査することもあるが、多くは、市区町村が持つ税情報との定期的な照合や、日本年金機構への定期的な照会によるものである。
 これ以上の詳しいデータを厚労省は公表していない。総務省の「 生活保護に関する実態調査 」の結果報告書の中に、12年度の不正受給のデータ分析があるので、それを少し参照しよう。12年度の不正受給は4万1909件。内訳は、稼働収入の無申告46.9%、稼働収入の過小申告10.6%、年金等の無申告20.8%と、15年度とほぼ同様。
 そのうち監査報告書に個別事案が記載された6693件の分析によると、不正額は10万円未満が39.6%。10万円以上20万円未満が15.3%と、少額のものが目立つ。発見のきっかけは課税調査(税情報)が59.7%、実施機関(福祉事務所)が28.6%。とくに稼働収入の無申告・過小申告は、81.8%が課税調査による発見だ。年金等の無申告は48.8%が課税調査、40.5%が実施機関による発見。年齢層や世帯類型で見ると、稼働収入の無申告は60歳未満・母子世帯・その他世帯に目立ち、年金等の無申告は60歳以上・高齢者世帯に目立つ。
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2017年05月24日

生活保護の不正受給率はごくわずか 未然に防げるものが多い

 不正はいけない―あたりまえだ。とりわけ、悪質で規模の大きい不正には厳しく臨む必要がある。生活保護の不正受給についても、それは当然である。
 とはいうものの、生活保護と言えば不正受給を連想するというような風潮が、あまりにも過剰に広がっている。まるで不正だらけのように言う国会議員もいて、実態とかけ離れている。生活保護の不正受給はごくわずかな比率だし、不正と扱われていても悪質と言えないケースは多い。
 神奈川県小田原市の生活保護担当課が「保護なめんな」などのローマ字が入ったジャンパーを作り、相当数の職員が着用していたことが問題になった。保護の申請者・利用者を不正予備軍のように見て、不正受給防止を職員の主たる仕事のように位置づけるなら、本末転倒だ。威圧的な姿勢は、助けの必要な人を阻む壁になる。他の自治体も、不正受給の実情を冷静に見つめ直し、職員のスタンスに問題はないか、この機会に点検するべきだ。
 厚生労働省は、2015年度(平成27年度)の生活保護の不正受給の状況を 全国厚生労働関係部局長会議 の資料(社会援護局詳細資料2)の中で公表した。不正受給の件数は4万3938件、不正金額は169億9408万円(過年度の支出分を含む)。1件当たりの金額は38万7千円だった。これに伴う保護の停廃止は1万0587件。悪質性が高いとして刑事告発に至ったのは159件だ。約170億円というのは、軽視できない額。
 とはいえ、15年度の保護費の総額は3兆7786億円(予算ベース)。不正受給額をそれで割ると、0.45%にすぎない。ごくわずかな比率であって、不正がはびこっているとは、とうてい言えません。逆に見ると、99.55%は、いちおう適正な支出だったわけだ。
 保護世帯数は、15年7月末時点で160万2551世帯(被保護者調査)。不正件数をこの世帯数で割ると、2.7%(1つの世帯が複数の不正にかかわることもあるので、これが単純に不正率とは言えない)。36.5世帯に1件の不正があったというレベルの数字である。
 そうは言っても、不正が見つかるのは氷山の一角ではないか、という疑問が出る。確かに、そこは重要な論点なので、いくつかの角度から検討していこう。
 まず、年次推移を見よう。厚労省の資料をもとにすると、2000年代に入って不正の件数も総額もどんどん増え、とくに11・12年度は大幅な伸びでした。しかし、13年度から件数は頭打ちになり、不正の総額は減ってきている。
 件数が増えたと言っても、2000年代は生活保護の利用者そのものが急増しているので、不正の程度がどれぐらいかは、比率を見ないといけない。不正件数を保護世帯数で割った比率は、次第に上昇を続け、11・12年度に大幅に上がり、その後は微増ないし横ばいだ。不正の見つかる率がだんだん高まったけれど、ここ数年は頭打ちということ。一方、不正総額を保護費総額で割った比率は、じわじわと上昇したものの、上がり具合はゆるく、13年度からは低下傾向になっているまた、不正1件あたりの金額は、どんどん減少が続いている。これらは、どういうことを意味しているのか。
 簡単に言うと、細かな不正をたくさん見つけるようになった、あるいは細かい案件まで不正として扱うようになった、ということである。
 もし、発覚する不正が本当に氷山の一角であって、本格的な不正がそこらじゅうにあるならば、1件当たりの金額が減り続けるという現象は起きないはず。いつまでたっても高額の不正が見つかるだろう。不正の件数が横ばいなのに不正の総額は減り、1件当たりの金額がどんどん小さくなる。これは、どんどん細かなものを見つけ、不正として扱うようになったからなのだ。
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2017年05月23日

炊き出しや食糧配布に関する情報源は公共機関のWebサイトに

 ボストン中心街の近くにある炊き出し施設。マイナス4℃の気温の中、ダウンジャケットなどの防寒衣に身を包んだ人々が並ぶ。
 早朝にボストン市街を移動していて、食欲をそそる匂いに鼻をくすぐられることがある。肉やチーズと思われる美味しそうな匂いが漂ってくる方向を見ると、たいていは炊き出しが行われている。ホームレスを含めた貧困層の人々が並んでいたり、食べ終えて談笑していたりする。
 並んでいる人々の中には、障害者の姿が目立つ。日本の障害者は、職を得ることも継続することも困難なゆえに、ホームレスになったり、最初から受刑を目的として軽犯罪を犯したりする以外の選択肢をなくすことが多い。日本とは障害者に対する考え方や障害者福祉制度がかなり異なるアメリカだが、そのあたりの事情はあまり変わらない。
 これらの炊き出しの情報は、炊き出しを行なうNGOなどの団体が提供している。それらの団体のサイトへのリンクは、ボストン市役所など公共機関のサイトの内部のページからリンクされていたりする。日本でいえば、東京都のサイト内に、ホームレス・困窮者支援団体のサイトへのリンクがあるのと同じような状況である。
 このことを、「公共が手に負えない問題をNGO・NPOに丸投げしている」と見ることも可能であろうし、「このように民間活力を利用すれば、低福祉の小さな政府でも大丈夫」と見ることも可能かもしれない。
 ただ、はっきりしているのは、アメリカは決して成功例ではないということだ。街に溢れる多数のホームレスが、そのことを証明している。アメリカの社会保障制度から何かを学び、日本に取り入れるべきであるとすれば、ホームレスを増加させ続けてきた冷酷な側面ではなく、困窮の末に孤立しがちな人々を社会へとつないで包摂する、決して押し付けがましくない営みの数々ではないか。
 マサチューセッツ州の9つの郡と190の町で炊き出し・食糧配布を展開する「The Greater Boston Food Bank」のサイト内には、最寄りのどこで、いつ食糧が配布されるかを示す地図がある。
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2017年05月22日

ホームレス排除とボランティアの努力

 ボストン市内のベンチ。日本の大都市圏と同様、ベンチの上で人が横になれないよう、アームレストが設けてある。とはいえ、アメリカといえば多数のホームレスを思い浮かべる方も多いであろう。ボストンでは数多くのホームレスを見かける。大量の荷物を持ち運んでいる姿や、しばしば生気の乏しい表情、何よりも、ビルの前でドアを開けては金銭を乞う行動などから、「この人はホームレスなんだ」と明確に分かる。
 とはいえ、そのホームレスたちが、服や身体から異臭を漂わせていることは非常に少ない。多くは、小ざっぱりとした身なりをしている。頭も身体も、清潔に保たれている印象を受ける。何人かのボストン在住者は、「シェルターがあって、食事を食べられたりシャワーを浴びられたり、清潔な服をもらえたりする」という。
 しかし、ある女性は、「シェルターはまったく足りていない、何しろホームレスは増え続けているんだから」と語った。彼女をはじめとするボストン在住者たちに聞いた話を総合すると、単身のホームレスがシェルターでシャワー・食事・清潔な服などの提供を受けられるのは事実なのだが、ホームレス全員が寝泊まりできるほどのシェルターはない。数日に一度、シェルターが利用できれば幸運、という感じであるらしい。
 彼女は、「空き地でキャンプしたり、公園で寝泊まりしているホームレスを、警察は排除しつづけていて、それは大きな問題になってる。日本でも同様の問題はある」という。日本にも同様なことがある。現在進行形の問題として、東京都江東区堅川での野宿者排除問題がある。そして、「そのエリアは、成田空港から東京方面に『成田エキスプレス』で行くときに通過する場所だから、河川敷や空き地を見かけたら『ホームレスが排除された場所かも』と思ってみて」と話しながら、「何か、自分が心から『日本の誇り』と思えることを話せればいいのに」 と思ったが……「日本の」という括りで答えられることは、何も思い浮かばない。お笑い芸人の母親が生活保護を受給していたことに端を発した「生活保護バッシング」。勇気をもってデモや記者会見に臨む当事者たちにネット上でぶつけられた誹謗中傷の数々。どれ1つ取っても、「日本人として恥ずかしいから、外国の人には、話さずにに済むなら話したくない」と思うことがらばかりだ。
 彼女はまた、ボランティアとして支援活動に参加しているとも語った。過去、ホームレスが販売する雑誌として知られる「The Big Issue」の編集・執筆に関わっていたこともあるという。
「同じ雑誌が日本にもあるよ」
 日本の誇るまでの大風呂敷は広げられないけれども、日本のポジティブな側面として伝えられることが1つはある。
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2017年05月20日

日本の生活保護基準は「米国並みに下げる」べきか?

 ボストン市中心街を大きなカートを押しながら進む、50代と思われるホームレス女性。女性のホームレスが厳冬期の夜を安全に過ごせる場所は数少ないという
 日本の生活保護基準は、金額を国際的に比較したときには、決して世界的に低い水準にはない。日本よりも高い国を探すほうが大変なほどである。このことを根拠に、「日本の生活保護基準は高すぎるから、引き下げて先進諸国並みにすべき」という意見が数多く見られる。このとき、金額以外の要因が考慮されることは少ない。
 また、日本の捕捉率(公的扶助を利用している人数を、貧困状態にある人数で除したもの。日本では、20%前後と推定されることが多い)は、決して高くない。このこともまた、「1人当たりの生活保護水準を引き下げれば、必要な人が全員、生活保護を利用できるようになる」という主張の根拠とされる。たとえば日本の捕捉率が20%であるとすれば、生活保護費の総額を変えずに貧困状態にある国民全員に扶助を行うためには、生活保護費を現在の20%まで引き下げればよい計算になる。
 このとき、引き下げてよい根拠としてしばしば引用されるのは、アメリカの制度である。
 たとえば、「アメリカの公的扶助では現金給付はなく現物給付が主である」と言われる。確かに、アメリカの制度を見てみると、一般には「フードスタンプ」と呼ばれる「SNAP(補助的栄養支援プログラム)」をはじめとして、購入可能な品目を限定したICカード・食事そのものの無料提供・家賃補助・医療保険など、現物支給と考えても支障なさそうな扶助メニューが目に付く。
 一方で、アメリカの捕捉率は高く、約60%と言われている。現金給付である「TANF(貧困家庭一次扶助)」では、金額は1家族あたり年間8000米ドル程度と低く抑えられている。また、5年間の有期制であり、就労訓練・ボランティアが義務付けられている。これらの事柄をもとに、
 「日本においては生活保護基準を切り下げて有期制にすることが、公的扶助の捕捉率向上へとつながり、さらに当事者の就労自立へのモチベーションとなる」という主張がされる場面も多い。
 しかし日常的に、「アメリカでは」という主張は要警戒である。現地の風土、現地の文化、現地の社会の生態系と切り離して、1つの制度の1つの側面だけを「……では」と取り上げることには、多くの場合、意味はまったくない。
 たとえば2011年、アメリカの公的扶助のうち食事・住宅・医療に関する5つのメニューに必要であった費用の合計は、5077.8億米ドルであった。「1米ドル=95円」とすれば、48兆円である。人口を考慮しても、日本の生活保護費の約3倍程度の規模ではありそうだ。ここから「日本の生活保護制度は、そもそも予算不足すぎる」という結論を導くことも可能である。
 なお、これらの制度はアメリカ全土に適用される最低限度のものである。実際にはこれらに加え、州や各自治体が独自に提供している制度もある。制度により所得制限などの条件が異なり、したがって利用人数が異なるため、日本の生活保護制度のように1人当たりの金額を単純に算出することはできないが、少なくとも金額だけを見る限り、日本に比べ、かなり充実している。
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2017年05月18日

世代別の貧困者支援対策が重要

 世代によって必要な政策が分かれてくる。まず子供向けでは特に母子世帯向けの所得保障と就業支援が重要である。また貧困世帯児童向けの教育費用の支援も重要になる。若年・現役者向けには、非正規労働者への支援が重要である。非正規労働者は、国民年金や国民健康保険に加入するケースが多いが、これらの保険料は定額負担の性格が強く、低所得者ほど逆進性が高く、未納率の原因になっている。
 したがって、当面必要な所得再分配政策は、非正規労働者にも正規労働者と同じ社会保険(厚生年金、健康保険)を適用し、将来の生活展望や医療アクセスを保障する、非正規労働者でも将来展望を持って家族を形成できるように、住宅手当、児童手当の加算、子どもに対する奨学金を充実させることである。低所得高齢者には、基礎年金制度を補う最低所得保障制度の導入、医療・介護費の保険料、窓口負担の軽減が重要になる。
 さらに全世帯に共通して生活困窮者の生活支援も重要である。就職の失敗や離職に伴う長期無業となり、引きこもるもの、多重債務を抱えるものも増えているが、現在、これに対する支援政策は存在しない。これらの問題は、現金給付だけでは対応できないので、就労支援、生活相談、金銭管理支援などさまざまな生活支援政策を行う必要がある。2015年4月からスタートした生活困窮者支援制度は、このような多様な生活困窮者の生活を包括して支援する新しい仕組みであり、その成否に期待がかかるが、効果があるかは未知数である。
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2017年05月17日

1人親世帯の貧困率は50%で世界トップクラス

 全世帯の格差・貧困率の動向を見てきたが、ここでは世代別の貧困の課題を見てみよう。まず子供の格差・貧困であるが、これは大人の貧困率の上昇とともに上昇傾向にある。日本の子供の貧困率は16%であり、先進国でも上位にある。また特に1人親世帯の貧困率は50%であり、先進国でもトップクラスになっている。こうした貧困が子供に与える影響については、教育水準、健康面で明らかにされている。
 教育面については、親の所得階層によって基礎科目の成績で差がでていることや、大学などのへ進学率に差がでていることにより、所得格差と学力、進学機会の格差の関係が明らかになっている。またさまざまなデータが子供の貧困と貧困の世代間連鎖を明らかにしている。たとえば、少年院における貧困世帯の出身者の率の高さ、生活保護受給世帯出身の子供が成人後、自らも生活保護受給になる確率が高いこと、養護施設出身の子供が成人後に生活保護を受ける割合も高いことなどが明らかにされている。
 次に若年者・現役世代の格差・貧困を見てみよう。90年代半ばから非正規雇用が拡大し、特に不本意ながら非正規労働者にならざるを得ないという若い世代の増加は、格差・貧困率の上昇、未婚率の上昇の重要な原因になっている。また学校、進学、就職・転職の失敗などをきっかけとする若い世代の引きこもりの増加が大きな問題になっている。
 高齢者の格差・貧困の主要因は、低い年金や無年金である。被用者は厚生年金、非被用者(自営業、無職、非正規労働者)は国民年金と加入する年金が分立している日本では、国民年金(基礎年金)のみの高齢者は850万人程度おり、その平均年金額 (月額) は5.5万円であり、生活扶助基準を大きく下回る。また2015年度から初めてスタートしたマクロ経済スライドによって、基礎年金の実質水準は今後30年間にわたり約30%程度低下するとされている。今後の高齢者数の増大も考慮すると、膨大な貧困高齢者が発生する可能性もある。
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2017年05月16日

相対貧困率と生活扶助基準ライン

 所得分布が格差の大きさを示すのとは別に、貧困の程度を示すものとしては相対貧困率がある。正確には相対貧困水準とは「世帯人数を調整したうえでの中位の所得の半分の所得を相対貧困ライン」と設定し、その相対貧困ライン以下の人の割合と定義される。もう1つの貧困ラインとしては、生活保護制度の定める最低所得水準(以下、生活扶助基準の貧困ラインとする)によるものがある。生活扶助基準からみた貧困ラインは、世帯を構成する家族の年齢や居住地によって異なるので、単に人数調整した相対貧困ラインとは単純比較できない。
 しかし、相対貧困ラインからみて貧困世帯とみなされる低所得世帯と生活扶助基準ラインからみて貧困世帯とみなされる世帯は86%重なっていることが確認できている。したがって、相対貧困率の動向は、生活扶助基準以下の貧困率と類似した動きを示すことになる。全体として貧困率は上昇傾向にあり、特に若年世代の貧困率が大きく上昇している。一般に、貧困率の上昇は、収入が少ない高齢者数が増加したためであるという指摘もあるが、決して人口要因だけではないことは確かである。
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2017年05月15日

所得分布からみる格差の拡大―所得上位5%の占有率が急上昇

 日本国内での格差・貧困の動向についてもう少しきめ細かく見てみよう。格差・貧困の動向を見るためにはいくつかの指標を組み合わせてみる必要がある。
 まず所得の中位値と平均値である。厚生労働省の2013年「国民生活基礎調査」によると、2012年の平均世帯所得は537万円であるが、中位の世帯所得(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は432万円である。中位値より平均の方がかなり高めにでる原因は、高所得世帯の所得が平均を押し上げているからである。そこで中位値の世帯所得の動向に着目すると、世帯人数が減少していることや人口の高齢化が進んだことをも考慮しないといけないものの、1995年は550万円、2000年は500万円、2005年は458万円、2012年432万円というように、約20年間で中位値は120万円程度低下している。
 次に2012年の所得分布を見てみよう。全世帯の下位から約2割(19.4%)は世帯収入「0から200万円」にある。中位の世帯所得の半分は216万円であり、これは後ほど触れる相対貧困ラインにも相当するが、それ以下の世帯が20%程度存在することになる。他方、上位から5% (4.8%)が世帯所得「1300万円以上」、同じく上位10%(11.3%)が世帯所得「1000万円以上」の高所得世帯層となっている。したがって、大ざっぱにいうと日本の世帯所得分布は1000万円以上で上位10%、201万円から999万円で中間層70%、200万円以下の低所得者層20%から構成されている。
 次に高所得層への集中を明確にするためには、高所得層への占有率に注目する必要がある。OECDのデータベースでは、各国の所得上位層が全所得(課税前)の何パーセントを占有しているか公表している。上位5%の所得層の占有率を見ると、日本は90年代に入って急速に上昇しており、米国の約35%、英国の約30%には及ばないものの、25%に接近している。なお、フランスは21%、スウェーデンは17%であり、決して日本が格差や所得の集中度が低い国ではないことがわかる。
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2017年05月14日

国際比較から見た格差の現状―低所得層の大幅所得低下は日本だけ!

 トリクルダウン政策は、日本でも2000年代前半に雇用規制緩和などを進めた小泉純一郎政権、それに続く(第1次)安倍晋三内閣でも「上げ潮政策」として採用されているが、それが低所得世帯にどのような結果になったかは十分検証されていない。国際的にも過去20年から30年間で、先進国における格差がどのような状況になっているかは重要なテーマになっている。この点について経済開発協力機構(OECD)の “Divided We Stand: Why Inequality Keeps Rising” (2011年) は、1980年代半ばから2000年代後半の期間における所得上位10%の階層と下位10%の階層の実質所得の変化率について、「世帯規模」と「物価水準」を調整した上で、国別に動向を明らかにしている。
 フランスのように下位の所得の成長率が上位の成長率よりも高い国は例外であり、多くの国で、高所得者の所得の成長率は低所得者の成長率よりもはるかに高く、格差は拡大していることが確認できる。それでも低所得者の実質所得の成長率はわずかでもプラス成長であるが、日本のみ低所得者層の所得は実質所得が年平均マイナス0.1%になっている。日本では、低所得層の所得がより大きく低下していることが確認されたことになる。
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2017年05月13日

成長か分配か―揺れ動く国民の評価

 生活保護受給者数は約216万人となっており、戦後最多の状況が続いている。生活保護を受給している世帯の約4割が高齢者世帯であるが、増加率に着目すると若い世代の生活保護受給者も増加している。このように貧困問題はより深刻になっているものの、所得再分配か経済成長のいずれを優先すべきなのかという問題は、常に経済政策で大きな論争になり、国民の評価もそのときの社会経済状況で大きく揺れ動いてきた。
 2007年から08年のように生活保護を打ち切られて餓死した高齢者の事件や、リーマンショック後の解雇で仕事と住居を同時に失った人々が日比谷公園に集まり、派遣村が開設されたことなどが報道されると貧困・格差に関心が集まり、再分配政策を支持するようになる。
しかし、最近のように生活保護受給者が増加し、不正受給などが報道されるようになると、再分配政策への支持は小さくなる。再分配政策を重視した民主党政権とは異なり、自民・公明連立政権は、経済成長重視を鮮明にしている。
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2017年05月12日

増加し続ける生活保護受給者

「不景気で事業を廃止せざるおえなくなった」
「貯蓄が底を尽いた」
「派遣切りで職を失った」
「病気や障害、高齢でで働けない」
さまざまな理由で生活保護の受給率は増加の一途を辿っている。生活保護の受給者数は平成7年を底に増加に転じ平成28年度で約216万人となっており、生活保護の利用総額約3兆8000億円になっている。
 受給者の半数近くを占めるのが高齢者で、高齢化社会になってゆく日本は今後も生活保護受給者は増える一方である。受給者数を年齢別で見てみると、60歳以上が50%を占めており、20代〜30代は20%と少ない。その理由の1つに、就労が困難というのがあげられます。
 生活保護を受給しながら働くことは可能だが、その割合は少なく保険証を持つことができないため必然的にアルバイトやパート就労となってしまうからだ。意外なのが、10代の受給者数が20代〜30代を上回っているということ。おそらく、母子家庭の子供が要因だと思われる。
 生活保護者が増る一方で生活保護の不正受給がメディアで報道されることが増え、生活保護=不正受給というイメージが横行しているが、そういったケースはわずかなことで不正受給は全体のわずか0.53%しかない。利用者が増え、国の財政が圧迫されているという意見もあるが、生活保護は「セーフティーネット」で、職を失った人が生活の立て直しを計るためのものなのである。
 ですが、毎年10万人以上の人が受給廃止となる中「収入が増えた」という廃止理由が全体のわずか12%というのが現実で、不正等の廃止理由よりはるかに下回っているというのが現実なのだ。中には失踪、家でといった悲しい理由もある。厳しい制約に嫌になったのかもしれない。
 生活保護者の受給者数は増加しているが、実は受給資格がある世帯の内80%もの世帯が受給していないというのもまた実情なのだ。その多くは自身に受給資格があることを知らずに生活している。世界的に見ると、ヨーロッパは60〜90%の世帯が利用しており、先進国の中で日本の生活保護率はとても少ない。
 大声で生活保護費が財政を圧迫しているという意見も出るが、むしろ日本の受給者が少なくされてきたというほうが問題が大きいのではないか。公的扶助が行き届いておらず、政府の政策は貧困削減の効果がなく、格差社会に拍車がかかり、さらに貧困が生み出されているということになってしまった。
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2017年05月11日

政府の政策は後ろ向き?

 NHKニュースでも報じられたが、生活保護対象者の増加は、高齢者世帯の受給が増えたことが主因。この報道中、「雇用情勢の改善などで、働くことのできる世代を含む『その他の世帯』などでは減少傾向が続いているが、年金だけでは生活できない高齢者の単身世帯は今後も増加するとみられる」との厚労省のコメントは、統計的にも適確なものだ。
 政府は、『一億総活躍社会の実現』と銘打った経済対策を打ち出そうとしているが、生活保護の被保護世帯数や被保護実人員数の増減理由は、政府の経済対策とは結果的に何らの関連は見られない。アベノミクスが生活保護分野の改善に効果も効能も及ぼしているとはとても言えない。そもそも、景気対策と生活保護には相関関係は見られてこなかった。生活保護対象者の増加は、高齢化が主因なのだ。
 生活保護には、生活扶助、医療扶助、住宅扶助、介護扶助などがある。いずれの扶助も抑制していくことを迫られているとされるが、個々の受給ごとに事情が異なるので、マクロ財政の視点から優先・劣後の順位付けをすることは難しい。生活保護は個人向け補助金であるが、財政事情を慮れば1人当たりの支給規模を今後増やす余地はないと政府は決めつけている。
 また、 解決策の1つとして、現金給付から現物給付への移行を真剣に検討すべきであるという意見もある。そして最終的には、1人当たり受給額の総額規制など上限を設定するといった手法を取るようになるはずだ。これは、年金や医療・介護費など高齢者向け社会保障費にも適用されるべきことでもあるという政府見解からも明らかではないか。
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2017年05月10日

世帯主が障害者なのに「その他の世帯」?

厚労省では、生活保護の世帯類型を次のように定義している。
ア  高齢者世帯
 平成 16 年度までは、男 65 歳以上、女 60 歳以上の者のみで構成されている世帯若しくは、これらに 18 歳未満の者が加わった世帯
平成 17 年度からは、男女ともに 65 歳以上の者のみで構成されている世帯若しくは、これらに 18 歳未満の者が加わった世帯
イ 母子世帯
 平成 16 年度までは、現に配偶者がいない(死別、離別、生死不明及び未婚等による。)18 歳以上 60 歳未満の女子と 18 歳未満のその子(養子を含む。)のみで構成されている世帯
 平成 17 年度からは、現に配偶者がいない(死別、離別、生死不明及び未婚等による。)65 歳未満の女子と 18 歳未満のその子(養子を含む。)のみで構成されている世帯
 ウ 障害者世帯・傷病者世帯
 世帯主が障害者加算を受けているか、障害、知的障害等の心身上の障害のため働けない者である世帯並びに世帯主が入院(介護老人保健施設入所を含む)しているか、在宅患者加算を受けている世帯若しくは世帯主が傷病のため働けない者である世帯
 エ その他の世帯
 上記アからウのいずれにも該当しない世帯
 ところが、世帯主(多くは単身)が障害者であるにもかかわらず、あるいは障害者作業所に通ったりしているにもかかわらず、ケースワーカーから健常であることを前提にした就労指導をされ、何かの拍子に「障害者世帯」ではなく「その他の世帯」にカウントされていたと判明した、という事例が少なくない。知的障害者で就労継続支援A型の作業所(居場所機能より就労の場としての性格が強い作業所)に通っている人が、『その他の世帯』扱いになっている。『その他の世帯』比率を押し上げるための工作がなされているのではないだろうか。
 しかし、どう調べても、「障害者であって、手帳の級が◯級であって、A型作業所に通えているのなら、障害者にカウントしない」というような規定や通知は見当たらない。そもそも障害者作業所に通えているのであれば、障害者手帳保持が基本的には前提であり、ならば障害者であるはずだ。「 そんなことあるのかな」と首を傾げつつ、ケースワーカー経験のある知人に聞いてみた。
「あると思うよ。世帯類型は信じられないくらい、いい加減に入力されてるから」
「生活困窮者には知的障害・精神障害の方も多いけど、お金がないから医療につながってなくて、障害者手帳を持っていないことが多々あるでしょ。だから、生活保護受給を開始した時点では、厚労省的な意味では『障害者』じゃない。高齢者でもシングルマザーでもなかったら、自動的に『その他世帯』というわけ」
 しかし、その後、「他方他施策優先」の原則で、障害者手帳を取得させたり、障害年金申請させたり、指導するのではないだろうか。「障害者加算がつかない程度の、そんなに重くない障害だと、よく『その他世帯』に分類されたままだったりするよ。そうそう。障害者加算は関係ないから、『その他世帯』に入れたままでも保護費が増えたり減ったりするわけじゃないし」
 ちなみに、自分がどの類型に区分されているかは、情報開示請求すれば分かるそうだ。 とはいえ、「その他の世帯」に分類されることに、具体的なメリットあるいはデメリットがあるわけではない。軽度障害はあるけれど「その他の世帯」のままという状態だったら、保護費の金額には特に影響はしない。 しかし、障害が判明して手帳も取得できたのだったら、その障害を前提としたケースワークをしなくてはいけないのではないか。
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2017年05月09日

高齢化で増える生活保護

 生活保護受給者の増加は、現在社会の問題を反映している。最も大きな理由として挙げられるのが、高齢化の進行。2017年2月時点で生活保護を受けている高齢者の世帯数は164万205世帯となっている。
 景気が上向いても、年金が増額されない限りは高齢者の収入が増えることはない。増額どころか減額されている現状では、生活保護を受ける高齢者が増えていくのは、無理もない。一方、母子家庭は11万5631世帯から11万2456世帯へ3337世帯減っている。ただし、アベノミクスの影響によるものかどうかは、もう少し様子を見て、多角的に検討する必要がある。
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2017年05月08日

広がる経済格差

 金融広報中央委員会が発表している「家計の金融行動に関する世論調査」によると、「あなたのご家庭では、現在、金融資産を保有していますか」という質問に対して「金融資産を保有していない」と答えた世帯が3割強もある。これは1963年に調査が始まって以来、最も高い数値。
 「金融資産を保有している」と答えた7割の世帯の金融資産の平均保有額は1645万円。年々、ゆっくりと増えていく傾向にある。一方、金融資産残高についての問いに「減った」と答えた人の理由の1位は、「定例的な収入が減ったので金融資産を取り崩したから」が4割強で、生活の厳しさを反映している。
 データからは、お金のある人は資産を殖やし、お金のない人は資産を減らし、格差が開きつつある状況がうかがわれる。
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2017年05月07日

生活保護における世帯とは?

 「世帯」とは、通常社会生活上の単位として、居住及び生計をともにしている者の集まりをいうが、生活保護法に規定する「世帯単位の原則」における「世帯」は、保護が経済的援護を主体とするところから、主に生計の同一性に着目して、社会生活上現に家計を共同にして消費生活を営んでいると認められる1つの単位をさしていわれている。
 もっとも、次官通知は、同一居住、同一生計の者は原則として同一世帯と認定することとしているが、これは、生計を一にしているか否かの認定が主として事実認定の問題であるところから、比較的事実認定が容易な同一居住という目安をあわせて用いることとしたものである。このような目安としては、他に重要なものとして居住者相互の関係(親族関係の有無、濃密性等)があるが、判定が困難なケースについては、更に消費材およびサービスの共同購入・消費の共同家事労働の分担、戸籍・住民基本台帳の記載事実等の事実関係の正確な把握に基づき、個々の事例に即して適正な世帯認定を行うこととなる。 
 なお、同一居住は同一生計の判定の上で重要ではあるが、1つの目安であるにすぎないから、同一の住居に居住していなくても社会生活上同一世帯と認定するのが適当な場合がありうる。夫が出かせぎに出ているとか、子供が義務教育のために他の土地に寄宿しているとか、あるいは病院に入院している等の場合は、それぞれ農閑期、義務教育期間、入院必要期間が終了すれば、他の世帯員の居住する住居に帰来することが予定されているものであり、このように、やむをえない事由によって同一の住居に居住していないが、それが一時的なものであって一定の時期が到来すれば、再び他の世帯貝の居住する住居に帰来して生活することが予定されているような場合は、居住を異にしていても同一の生計を営んでいるものであり、これを同一世帯として認定することが適切である。
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2017年05月06日

生活保護を受けるための条件 自分も生活保護を受給できる?

 生活保護を受けるには、あなた個人ではなく「世帯」で生活保護が受けれる条件にあるのか、ということが原則として決められている。つまり、生活保護を受けたいと思った場合、あなたの世帯の全員が「生活を支えるためにあらゆる努力をしても生活ができない」ときに、生活保護制度で決められた「生活保護基準額」に足りない分を生活保護費として受給していくことになる。
 生活保護を受けれるかどうかを決める条件である「あらゆる努力」とはどういうものか。
 資産を活用すること・生活保護の条件生活保護を受ける前に、利用できる資産があれば売却するなどの方法で生活費に充てることが優先される(資産の例:土地不動産・預貯金・生命保険・自動車など)。能力を活用すること。生活保護の条件生活保護を利用する前に、あなたの世帯の中で働くことが可能である方は、その能力に応じてみんな働くことに努めなければならない。
 また、扶養義務者からの扶養を活用すること。生活保護の条件生活保護を利用する前に、ご夫婦・ご両親・成人されているお子さん、ご兄弟姉妹、またはご親戚などから、できる限りの援助をお願いすることを求められる。
 母子家庭の方で養育費をもらっていない場合は、前夫から養育費の支払いをお願いすることも求められる。
 他の制度を活用すること。生活保護の条件生活保護制度以外の他の法律や制度による給付がある方は、それを優先して受給し生活費に充てることが求められる(生活保護以外の給付の例:雇用保険・健康保険・各種年金・児童扶養手当・高齢福祉手当・身体障害者福祉手当など)。
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2017年05月05日

親族がお金もちなのに扶養しない場合は?

 数年前に年収5千万円の某お笑い芸人の母親が生活保護だというニュースが世間を驚かせた。親族がお金持ちなのに扶養をしないという事例は数多くある。これについて、生活保護手帳では、問第5の5にこの様な記述がある。
 明らかに扶養義務の履行が可能なものとは、
 @ 定期的にあっているなど交際状況が良好であり、
 A 扶養義務者の勤務先などから扶養手当や税法上の扶養控除を受けており、
 B 高額な収入があることが明らかである
 という3つの条件を満たす人であるとしている。
 さらに、明らかに扶養義務の履行が可能であるのに、それを行わない場合、家庭裁判所への調停を検討することとしている。ただし、この辺りの判断はかなり難しいもので、役所も頭を抱えている。ただでさえケースワーカーは仕事が忙しいので、裁判所へ調停を行っている暇などないのが現状だろう。そのため、年収が数千万円で、関係が良好な親族がいる等といった場合でない限り、調停などといった大事になることはない。
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2017年05月04日

親族に生活保護がばれないようにすることはできる?

 生活保護手帳問第5の2で、扶養義務の履行が明らかに期待できない親族に対しては、扶養調査は行わないものとしてよいという記述がある。理由があれば、親族に通知が行くのを防げる。つまり親族にばれずに生活保護の申請が可能であるということだ。では、親族に通知が行かないための理由とはどういったものだろうか。
 これは、世帯の状況によってまったく異なるのだが、例えば、@親族とはまったくの絶縁状態で、10年以上音信不通である、A親族や夫から虐待、DVを受けていた等の理由で家庭から逃げ出し、役所から通知が行くと追跡にあう可能性が高い場合、Bあなたが精神的な病気で、親族に保護の受給が知れると病気の悪化が懸念される場合、といった理由が考えられる。
 扶養調査の通知を行うかどうかの判断は、ケースワーカーに委ねられているので、親族に保護の受給が知られたくないことを良く相談することを勧める。また、親族との関係性についてはあなたからの聞き取りのみにより聴取されることがほとんど。親族と関係が良好であるにもかかわらず、あなたが「過去に虐待を受けていて親族には連絡してほしくない」とウソをついたとしても、その真意を確認する手段は役所側にはない。ただし、これは理論的にウソがばれないというだけであって、正直な皆さんは真実を述べることに努めることだ。
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2017年05月03日

扶養調査はどのように行われるのか?

 役所が初めに行うのは、あなたにどれだけの親族がいるかを割り出す作業である。面接の際にあなたから口頭で親族の状況について確認し、それをもとに戸籍の調査が行われる。親族に生活保護の申請がばれたくないからといって、名前や住所を偽ったとしても、戸籍で必ずばれるので注意することだ。調査の結果判明した親族に対して、「扶養照会書」または「扶養届」というような名前の手紙を役所の担当者が送付する。
 そこには、「○○さんが現在生活保護を申請していますが、金銭的援助や、精神的援助は可能でしょうか」というような文面が書かれている。この手紙が親族に届いた時点で、あなたが保護の申請をしていることがばれることになる。自治体にもよるのだが、書面に、あなたへの扶養ができるかどうかや、現在の年収、家族構成、資産の状況を答える欄がある。必要事項を記入し、親族は役所に書面を返送す。返送された文面をケースワーカーが確認する。
ここで、「扶養ができない」という回答であればその時点で扶養調査はいったん終了する。一方、「扶養ができる」という回答であれば、あなたにその旨説明を行い、扶養義務者からの扶養を受けるように指導が入るといった流れである。
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2017年05月02日

生活保護の申請が親族にばれることは回避できる

 生活保護を申請される人にとって最も悩ましいデメリットが、生活保護の申請が親族にばれるのではないかということである。
 生活保護の申請を行うと、役所から親族へ「扶養照会」という通知書が行くことになる。通知の内容は、「○○さんが現在保護の申請をしているので、経済的、精神的援助を行ってもらえないか」という内容となる。これにより、確かに親族に生活保護の申請がばれることになる。しかし、実はこの扶養照会は、絶対に親族に送らなければならないものではないのだ。親族による扶養ができるかどうかは保護の要件ではないからである。つまり、何らかの理由があれば、通知を送らないようにすることができる。
 何らかの理由とは、例えば、
 @ 上京等により、出身地を離れてから、10年以上音信不通で、明らかに扶養が期待できない場合
 A 生活の困窮に至る過程で疎遠になり、過去1年以上の間、音信も含めて全く交流関係が途絶えている場合
 の2点が考えられる。
 親族に保護の申請がばれないようにするには、上記の2つのどちらかを理由として通知は送らないようにしてもらうことだ。
 では、生活保護を申請すると、どこまでの親族に保護の受給がばれる可能性があるのか。生活保護の制度上、扶養義務がある親族の範囲には以下の2つの考え方がある。
 @ 絶対的扶養義務者
 A 相対的扶養義務者で、現に扶養をしている人または、過去にその世帯から扶養を受けていた等の特別な事情があるもの
 @の絶対的扶養義務者とは、3親等以内の直系血族、兄弟姉妹、配偶者を指す。具体的に言うと、父母、祖父母、曾祖父母、子、孫、ひ孫、兄弟姉妹、配偶者をいう。扶養義務に「絶対的」と付くだけあって、該当する人には特別な事情がない限り、扶養の調査が行われる。つまり、生活保護を申請したことがばれるということだ。
 Aの相対的扶養義務者とは、3親等以内の傍系姻族を指す。具体的に言うと、伯父、叔母、甥姪、甥姪の配偶者、叔父叔母の配偶者、配偶者の父母、祖父母、曾祖父母、その伯父叔母、伯父父母の兄弟、甥姪である。相対的扶養義務者については、直接的な血のつながりはない。そのことから、現に相対的扶養義務者から援助を受けているか、過去に相対的扶養義務者に援助を自分が行っていた等という特別な事情がある場合に調査が及ぶ。ざっくりいえば、相対的扶養義務者については、昔から付き合いが深く、金銭的に助け合っていたような関係がある場合に、扶養調査の対象となり、保護の申請がばれると理解していただければ十分だ。
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2017年05月01日

生活保護でメシを食うNPOの実態 「弱者救済」「自立支援」のウラで

 生活保護受給者は、今や全国で210万人超、その事業費は実に年間3兆8000億円にのぼる。そんな時世にあって、生活保護の周辺には深い闇が横たわっている。折から社会問題となっている「貧困ビジネス」の実態についてはさまざま報じられている通りだが、最近では以下のような“弊害”も生じているという。
「街の労働力をNPOに奪われて仕事になりません」
 こう嘆くのは、東京都下の労働者派遣業者である。
「大手ゼネコンの下請を相手に、現場労働者を調達して派遣してきました。おもに川崎駅構内で暮らすホームレスや家出人に声をかけ、寮をあてがって働かせていたのですが、ここ数年は全然集まりません。川崎に限った話ではなく、山谷や横浜の寿町などドヤ街、そして高田馬場や錦糸町など、これまで見かけられた場所から、彼らは姿を消してしまったのです」。
 そうした“人材”が向かった先は、「都心に拠点を持つNPO法人が、大規模な“勧誘”をしているのです。川崎では毎週、そのスタッフがおにぎりとチラシを持って駅周辺を回っている。高架下で段ボールの中にうずくまっているような人たちに『生活保護を受ければ布団で眠れますよ』と声をかけ、宿舎へと連れ帰るわけです」(同)。
ドヤ街のリクルート活動は、大いに様変わりしたといい、「月に2回の支給日には、川崎市役所に受給者が列をなします。老若男女合わせて500〜600人ほどで、彼らは宿舎に戻り、月13万〜14万の支給額のうち10万ほどをNPOに納める。で、8畳ほどの部屋に2、3人が押し込まれ、終日ゴロゴロして過ごすだけ。残った金は煙草代に消え、外出して何か楽しむこともできず、引き籠るしかなくなるのです」(同)。
 “社会復帰に向けたリハビリ”といえば聞こえはよいのだが、「本当に病気だったり高齢で体が動かない人は仕方ないとして、大半の人が働ける健康状態なのが問題です。人間、働かない暮らしに慣れると堕落して、かえって社会復帰しづらくなる。ウチだったら日当1万円で食費や寮費を引いても7000円は残る。ひと月15万円は手にできるのに比べ、NPOの方は2、3万。でも、寝転がっているだけでカネを貰えるから楽で良いのでしょう。あちらから来たのが何人もいますが、中には数日で逆戻りする者もいて、結果、現場工事は進まない。トラックの運転手がいなければ、高層ビルも道路も作れないわけです」(同)。
 実際にその“NPO経験”のある40代労働者に聞くと、「2年前、糖尿病が悪化して一時的に生活保護を受けることになり、役所でこの団体を紹介されました。私の場合、月12万円の支給額から管理人に9万円を納め、残り3万円でしたが、あっという間に消えました。食事は簡素で1日2食だけ。ご飯のおかわりもできないから腹が減る。残り1食は自分で弁当を買うなどしなければならず、ギリギリの暮らしでした」。
 同宿者は軒並みやせ細り、生気を失ったかのように映ったといい、「することがないので毎日散歩し、交通費節約のため病院まで1時間以上かけて歩いていきました。NPOは“社会復帰させるより囲い込んでいた方が利益になる”と考えていたのでしょう。管理人からは就労支援のサポートもなかった。3カ月後、体調が良くなったので現場仕事に復帰しましたが、あのまま過ごしていたら、きっと廃人になっていた気がします」(同)。
 このNPOは十数年前に設立され、ホームページには、「自立支援」「社会貢献」といった文言が並ぶ。が、その実態がなく看板倒れなのは前述の通り。あまつさえ経済活動の停滞を招いてしまっては、元も子もなかろう。
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