2017年04月17日

見過ごされている知的・発達・精神の障害画像の拡大

 療育手帳交付台帳の登載人数は2015年3月末で、97万4898人。14年10月の推計人口1億2708万人を分母にすると、0.77%。年齢層別で見ると、18歳未満の手帳交付者は24万6336人(人口比1.24%)、18歳以上は72万8562人(人口比0.68%)である。
 一方、十分に大きな集団で知能検査をすると、その得点の分布は「正規分布」という釣り鐘に似た形のグラフになる。ウェクスラー型知能検査で、ばらつきの程度を示す標準偏差は15なので、統計学的な理論値は、IQ70以下なら人口の2.28%、75以下なら4.78%になる。単純計算すると290〜607万人、現状の3〜6倍が手帳を取得してもおかしくないわけだ。
 知的障害レベルでも療育手帳を持っていない人が非常にたくさんいることは、確実。年配の人の場合、かつては特別支援教育も不十分で、周囲も本人も知的障害と思わずに過ごしてきたケースが多い。若い世代でも、普通に高校を卒業して、30代になって知的障害ではないかと言われ、療育手帳を取った人もいる。なかには大学卒でも知的障害と思われる人がいる。
 さらに、知的障害の判定は人工的な線引きにすぎない。人の能力の分布は連続的なので、それより少し上の層の人たちも、社会的にある程度、不利になりやすいわけだ。そういう層を、明確な定義はないものの、IQ80または85までを目安に「知的ボーダー」と呼ぶことがある。理論的にはIQ80以下は人口の9.12%、IQ85以下だと15.9%にのぼる。同じ学年の1割前後が知的能力の面で不利というのは、実感とかけ離れたものではないだろう。
 知的なハンディキャップのある人も、感情は一般の人と変わらず、プライドもあるす。軽度の知的障害の人の場合、日常会話は普通にでき、筆者の経験上も、少し話したぐらいでは障害とわからない。運転免許を取る人も少なくない。根気のいる単調な作業は得意な人が多いようだ。
 一方、たくさんのことを長く覚えていることや、抽象的な概念、複雑な思考は苦手で、言葉の表現力が乏しいのが一般的。計画立てた生活や計画的な金銭管理も苦手。悪徳商法など他人にだまされやすい傾向もある。そうしたことが、就労時の不利やトラブルに加え、生活面での困窮にもつながりやすいわけだ。計画性の不足や劣等感を背景に、パチンコやギャンブル、酒などにはまってしまうこともある。
 一部には万引きをはじめとする刑事事件を繰り返す人もいて、刑務所の受刑者には、知的障害の人がかなり多いことが指摘されている。しかし、ほとんどは療育手帳を持っていない。本来は刑罰以前に、障害への気づきと福祉的支援が必要な人が多い。


posted by GHQ/HOGO at 07:33| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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