子供はどんな親でも養わなければいけないのか、という問題を考えてみよう。想像してほしい。
仮にAさんという男性がいたとする。Aさんは学生の頃から、父親のことで苦労してきた。父親は、酒好きでギャンブル好きの自堕落な男。Aさんは、幼少期、父親に殴られながら育った。そんな幼少期を過ごすうちに、Aさんは決意する。
「高校を卒業したら、就職して、家を出て母親と一緒に暮らす」
やがて、Aさんは大人になり、立派な社会人になった。結婚をして、子供も生まれて、奥さんと子供、母親の4人で幸せに暮らしている。
しかし、そんなとき、通知が来た。それは、「父親が生活保護を申請したので、経済的に支援してください」という内容だった。扶養照会である。
きっと、「はぁ、何でそんな父親の面倒をみなきゃいけないの」と、ムカッとした読者がいることだろう。気持は痛いほど、解る。しかし、法律的には、扶養照会が適用されてしまうのである。親族なので、何十年も会っていない縁を切った親でも養わななければいけなくなってしまう可能性が出てくる。