2017年02月14日

「貧困」を放置すると社会の負担はさらに増える

 下流や貧困は自分とは関係ない、と考えていると大変なことになる。たとえ自分が健康でちゃんと働いていても、家族の誰かが仕事を失ったり病気になったりすると、状況は一瞬で暗転するからだ。非正規雇用が4割に達するなか、貧困層の増加は社会的コストの増加にもつながる。
 保護のに相談に行く高齢者の7割は、持ち家ではなく賃貸住宅に住んでいる。6万円とか8万円万とか、少ない年金から高い家賃を払っている。首都圏なら最低でも5万円はかかる。
 海外では公営住宅や低家賃の住宅があって、家賃補助制度も整備されている。この家賃負担を軽減する政策を進めてほしいのだが、日本の政府では無理かもしれない。一定年齢以上で収入や年金が少ない人に、自治体が家賃の半分を支給するとかがひつようだが、日本の場合、住宅政策は完全に個人任せなのである。ローンを組んで買うか、高い家賃を払い続けるかのどちらかしかない。持ち家もローンの問題とかリフォームの問題が出てくる。
 この住宅政策は早急にやらないといけない。影響が高齢者に限らず、全世代に及ぶからである。手取り収入から住居費を差し引いた残りを「アフター・ハウジング・インカム」と言うが、日本では住居費が高いため、この額がべらぼうに少ない。収入に占める住居費を1割とか2割に抑えられると、より多くのお金を教育費や老後資金に回せるはずだ。
 新幹線のぞみ号で焼身自殺を図った高齢者も、低年金でアパート住まいであった。年金収入が12万円で4万円のアパートに住んでいた。海外なら公営住宅に優先枠で入れる収入レベルである。これが家賃1万円程度なら最低賃金で働いても何とかなるはずである。
 生存に必要な住居が「商品」になっていて、その商品を買えない人、借りられない人がどんどん増えている。ならば、住居の「脱商品化」を進める必要がある。
 教育も同じである。高度な教育を受けるために高い学費を払い、高額の奨学金を借りる若者が多い。しかし、その教育に見合った仕事に就けるかどうかはまったく不透明なのだ。そして返済は何年も続くことになる。今、大学生は必死にアルバイトをして生活費を稼いでいる。一部の女子学生は風俗店で働いていたりする。もう普通に暮らすこと、勉強すること自体が高コスト、高リスクになっている。若者にとっては結婚すらリスクに映っている。 低年金の親と非正規雇用の独身の子供が同居し、お互いに依存して生活する事例も増えている。何かあると一気に行き詰まる。
 いろいろなものがマイナスで絡み合って、どうやって出口を見つければいいのかわからない状況なのである。「貧困に陥ることは自己責任で、がんばれば防げる」という考えはもはや牧歌的すぎるのだ。
posted by GHQ/HOGO at 08:00| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする