2016年10月27日

貧困層へのもう1つの打撃

 経済危機においては、さまざまな要因から、特に途上国の貧困層が打撃を受けている。
  第一に、今回の危機は世界同時多発的に影響を及ぼしており、通貨の切り下げ、有償資金援助やODAの増加、海外へ出稼ぎに出た労働者からの母国への送金など、従来の対処法が通用しないということがあげられる。
  第二に、食糧危機に相次いで経済危機が起きたということが上げられる。貧困層は食糧危機によりすでに疲弊しており、食糧難に陥っていた。途上国内の食糧価格の高騰、減収、失業などにより、人々は持てる財産を売却したり、食べる量を減らしたり、医療費や教育費を切り詰めたりしており、飢えと貧困の悪循環により深く落ち込んでいく危険性が高い。
第三に、今回の危機が過去の例と異なる点は、20年前と比べて途上国が経済的にも商業的にも、より密接に世界経済と関わるようになってきているため、国際市場の影響を受けやすいということである。
  多くの国では貿易・資金流入・輸出収入・外国投資・開発支援・海外送金が押しなべて縮小・減少している。これは雇用情勢を悪化させ、また途上国政府が、自国の発展や弱者救済のために行う政策のための資金が足りないということにもつながる。
 例えば、ラテン・アメリカの17カ国では2007年の時点では1840億米ドルの資金流入があった。それが2008年には890億米ドルと半減し、2009年にはさらに半減し430億米ドルになると報告書は推定している。つまり、途上国の人々は消費を抑えなければならないということだ。さらに、低所得・食糧不足の国々では、消費を抑えるということは、本当に必要な食糧や医療品、薬などの輸入さえも削減せざるを得なくなるかもしれないということを意味している。
  報告書では、WFPがアルメニア、バングラデシュ、ガーナ、ニカラグア、ザンビアで行った調査の事例を紹介している。それぞれの事例では、海外からの送金の減少と経済危機がどのように家庭に悪影響を与えているかということや、農業部門やインフラへの投資やセーフティネットの拡充など、各政府の危機対策が紹介されている。
  報告書によると、これらの途上国の政策は貧困層の救済にはつながっているが、さらなる対応策が必要である。
 FAOとWFPは、突然食糧難に陥った人々への短期的な飢餓救済策とともに、貧困により慢性的に飢餓に陥っている人たちに対する中長期的な飢餓救済策の両面からの取り組みを提唱していく。
 ディウフFAO事務局長は「小規模農家は、農業効率と生産量の向上にむけて、高品質の種、肥料、農業技術を必要としています。また、途上国政府は危機に際しても農業部門が安定した生産量と強靭な体制を保てるよう、様々な経済・政治的手段を必要としています」と述べた。
posted by GHQ/HOGO at 07:28| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする