2016年10月16日

受給範囲・財源、課題は山積

 「隠れた貧困層」を救えるのか。花園大の吉永純教授は「保護の守備範囲をもっと広げるべきだ。日本の制度は受給条件が厳しすぎる」と指摘する。
人口に占める生活保護受給者の割合は約1・7%。吉永氏ら研究者が10年ごろに同様の制度の利用率を調べたところ、フランスは5%超、ドイツ、英国は9%超だった。英国では1万6千ポンド(約210万円)まで貯金などの資産を持っていても対象になり、車の所有も可能だった。日本では貯金や収入などで最低生活費の1ヵ月分を賄えないことが条件だ。「せめて3ヵ月分の貯金があっても保護されるようにすべきだ。余力のある時点で保護を始めれば、自立への道筋も描きやすい。受給者が増えれば、生活保護への偏見も減るだろう」と吉永氏は話す。
 保護の手前で食い止める対策も不可欠だ。都留文科大の後藤道夫名誉教授がまず挙げるのは低賃金のワーキングプア対策だ。最低賃金を上げ、失業給付を充実させれば、保護が必要な働き手は減る。その上で低所得者にのしかかる「医療」「住まい」の負担緩和を進める。低所得者向けに家賃を補助したり、国民健康保険の保険料をゼロにしたりする。病院受診時の自己負担も、自治体が積極的に肩代わりする――。
 どの対策にも財源のカベが立ちはだかる。「お金があるところに頼るしかない。法人税の増税や高所得者への課税を進めるべきだ」と後藤氏は話す。収入などによる選別をなくし、最低限の生活費をすべての国民に配る「ベーシックインカム」(BI)という案もある。対象を貧困層に限らないことで、生活保護の受給者を苦しめている偏見がなくなる期待もある。
posted by GHQ/HOGO at 09:32| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする