2016年10月15日

「生活保護の人」と「隠れた貧困層」の深い溝

保護を受けていない貧困層とのバランスを考え、生活保護の受給者に配るお金を減らす――。そんな施策がここ数年続いているが、貧困層全体の暮らしを押し下げることが懸念される。2013年度から、食費などにあてる「生活扶助」の基準額が引き下げられた。物価下落などが理由で、13〜15年度に3段階で計6・5%という大幅減だ。
心の病を患い4年前から保護を受ける30代女性は、7万6千円の扶助が約5千円減った。病気で過食と嘔吐をくり返し、食費に3万円かかる月もある。築30年超の木造アパートに1人暮らしだが、真夏も「クーラーは2時間に20分」と決め、風呂は使わず1日おきのシャワーでしのぐ。「お金が尽きることを本気で心配します」。全国27地裁で基準引き下げの取り消しを求める集団訴訟が起こっている。
一方、神奈川県の女性(78)は、もらえる年金は月6万円。1日2時間のアルバイトと合わせた月収は約10万円だ。1万5千円の家賃もそこから払う。閉店間際のスーパーで割引の総菜を買い、数日続けて食べる。貯金は50万円。数年後に働けなくなると見越して月3千円ほどを貯金に回す。「生活保護が目の前にぶら下がっている状態でがんばっている」。だからこそ、保護を受ける人も我慢するべきだ、と考える。
 生活保護の受給者と、保護を受けていない「隠れた貧困層」との気持ちの溝は埋まらない。 昨年4月、3段階目の基準の引き下げが完了した。17年に行う次回の基準見直しでも引き下げが検討されそうだ。だが、生活保護の基準引き下げは、保護を受けていない「隠れた貧困層」にもマイナスの影響を及ぼす。
 例えば住民税の非課税ラインだ。生活保護の基準引き下げが勘案されれば、課税対象が広がる可能性がある。子供の学用品費などを支援する就学援助も、生活保護を参考に対象を決める市町村が多い。文部科学省によると、15年度当初は基準引き下げの影響で全国27市町村が対象を狭めた。
posted by GHQ/HOGO at 07:32| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする