2016年04月30日

国民健康保険・後期高齢者医療から外れる 国民健康保険・後期高齢者医療から外れる 国民健康保険・後期高齢者医療から外れる

 数は少ないのだが、生活保護の世帯でも、労働の時間・日数が多く、勤め人向けの健康保険(社会保険)や公務員・私学の共済に加入している場合は、自己負担の部分だけが医療扶助になる。保険証を持ったまま、保険併用の医療券が発行される。
 しかし、国民健康保険や後期高齢者医療の場合は、生活保護を受けると、加入対象から外れる。このため、医療費の出所が全額、医療扶助になることが多い。
 ただし、ほかの公費負担医療を利用できるときは、そちらを優先して使う。次のような制度は、所得水準によって自己負担があるが、生活保護世帯なら負担ゼロなので、保険から外れている場合、それらの制度の対象範囲の医療は、すべて公費負担になる。
・障害者の自立支援医療(身体障害児の育成医療、身体障害者の更生医療、精神障害の通院)、指定難病の医療、感染症法の勧告や強制による入院(結核を含む)、小児慢性特定疾病の医療、未熟児の養育医療、結核の子どもの療育医療、精神保健福祉法による措置入院
 たとえば、身体障害の認定を受けた腎不全患者の人工透析は更生医療、精神障害による継続的な通院は精神通院で全額まかなわれる。なお、感染症法のうち、結核の通院医療は一律5%の自己負担があるので、その分は医療扶助から支出される。
 また、以下の制度による医療は、生活保護に限らず、もともと自己負担がない。医療費は原則として、これらの制度で負担される。
 ・労働災害、原爆被爆者援護、戦傷病者援護、公害健康被害補償、医薬品副作用被害救済、予防接種健康被害救済、学校保健安全法で定める学校病の医療(低所得世帯の子供)
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2016年04月29日

通院の交通費は移送費で支給

 医療扶助でかかれるのは原則として、生活保護指定の医療機関。とはいえ、保険指定された医療機関なら、ほぼすべてが生活保護指定なので、その点で選択の幅が狭くなることはない。
 実際にどこにかかるかは、本人の希望を踏まえて福祉事務所が決める。原則は、自宅から比較的距離の近い医療機関とされている(治療上の必要などの事情があれば別)。
 医療扶助は、保険のきく範囲が対象なので、差額ベッド代などは出ず、先進医療の費用も給付されない。ただし生命にかかわる、他に治療法がないといった特別な事情があれば、未承認薬など保険のきかない治療でも医療扶助が認められることもある。
 薬局用には、調剤券が発行されます。伝統的な施術(柔道整復・はり・きゅう・あん摩指圧マッサージ)、治療用装具の給付を受けるときも、医療とほぼ同様の手続で、要否意見書に基づく福祉事務所の決定が必要。この場合は施術券、治療材料券が発行される。
通院や入院に交通費がかかるときは、医療扶助の一環として「移送費」が支給される。公的医療保険で事後給付される移送費は、自力の移動が難しい患者に限られるが、医療扶助では、自分で通院するときの電車代、バス代、ほかに適当な手段がないときのタクシー代なども出る。通院の交通費は、生活扶助の額に含まれていないからである。支給を受けるには、急病のときを除いて事前の申請・決定が必要である。
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2016年04月28日

「医療券」を発行してもらって受診する

 生活保護の医療に対して「自己負担がなくていいなあ」と、やっかむ声が聞かれる。たしかに医療扶助の場合、公的医療保険がきく範囲の医療なら、基本的に経済的負担なしで受けられるのだが、受診方法の面で、すこし制約がある。
 いつでもどこでも受診できる「保険証」が、ほとんどの生活保護世帯にはない。
 どういう病気や怪我で、どの医療機関にかかるのか、福祉事務所へ事前に申請して「医療券」を発行してもらい、指定された医療機関に示して受診するのが、医療扶助の原則である。医療券は、病気ごと、医療機関ごとに必要で、その月だけ有効。歯科の診療や訪問看護も同様である。
 生活保護を受けている人が、一時的な病気やけがで受診するときは、すぐに医療券が発行される。急な発症で時間的な余裕がないときは、福祉事務所に電話連絡したうえでとりあえず受診し、後から医療券の手続をしてもらうこともできる。
 一方、継続的な診療が必要な病気や怪我は、医療機関から「医療要否意見書」を提出してもらい、それを福祉事務所が検討したうえで、医療券を発行してもらう。入院のときも同じ。外来、入院とも、少なくとも6ヵ月ごとに医療機関は要否意見書を提出する。外来患者は毎月、福祉事務所へ出向いて医療券をもらわないといけない。入院中の患者の医療券は、福祉事務所が医療機関へ送る。
いずれにせよ、福祉事務所の事前了解が原則で、自分の判断だけでは医療にかかれない。
すると、夜間・休日で福祉事務所が閉まっているときの急病は、どうするのだろうか。厚生労働省は「そのような事態に対応するため、あらかじめ地域の医師会等と協議し、適切に受診できるような措置を講じておくことが適当である」と、あいまいな説明ですしかしない。対応は自治体によってまちまちで、緊急受診用に「休日・夜間等医療依頼書」「被保護者証明書」といった書面を保護世帯に渡している自治体がある一方、何も出していない自治体もある。実際に不都合な事態はとくに起きていないようだが、手続を気にして受診が遅れるとまずいので、全員に証明書を発行してほしいという声もある。
 なお、ホームレス状態の人のように、お金が乏しくて保険証もなく、生活保護を受けていない人が、救急搬送などで入院したときは、急迫状態として緊急保護が適用される。資産や扶養関係などの調査は福祉事務所が後から行い、資産があったときは返還を求める。
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2016年04月27日

8割が受けている医療扶助

 扶助の種類別に見た保護費の支出額と、それぞれの扶助の対象者数について、データによると、8種類の扶助のうち生活扶助、住宅扶助は、生活保護利用者の大半が対象になるので、金額が大きいのは当然。教育扶助は小中学生のいる世帯、生業扶助は高校生の就学費が中心で、対象者数・金額は多くない。
 医療扶助は、生活保護利用者の8割が受けており、総額で1兆7000億円余り。保護費全体(3兆6000億円余り)の47%を占めている。1970年代には60%を超えていた時期があり、次第に割合は下がってきたのですだが、それでも大きな金額と比率である。
 一方、介護扶助は、高齢者が多いわりには対象者数も金額も少ない。葬祭扶助、出産扶助は、その都度の必要に応じて支出され、わずかな件数・金額である。
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2016年04月26日

生活保護費のほぼ半分は医療扶助に使われている

 生活保護にかかる費用の中で、最も大きな割合を占めるものは何か。日常の暮らしにあてる生活扶助、それとも住宅扶助。いいえ、圧倒的に大きいのは医療扶助である。医療扶助費は、生活保護費全体の半分近くを占めている。
 生命の維持、心身の状態の維持・改善は、生存権保障の最低ラインだから、適切な医療の提供は欠かせない。したがって生活保護の利用者は、公的医療保険と同じ内容の医療を受けることができる。自己負担はない。それ自体は、当然だと思う。
でもなぜ、医療扶助の支出額がそれほど多いのか。それには、いくつか理由が挙げられる。コスト、人権の両面から、改革のメスを入れるべき部分もある。
 最初に、どうして医療扶助費がかさむのかを説明しておきこう。
 第1に、生活保護世帯には高齢、病気、障害の人が多いこと。つまり、病気、障害のために医療費がかさんだり、収入を得られなかったりして、生活保護を受けているケースも少なくない。だから当然、一般の世帯より、医療を必要とする人の比率が高く、症状も重い傾向にある。
 第2に、生活保護を受けた世帯は、国民健康保険・後期高齢者医療の加入対象から外れるため、医療費の大部分を保護費で負担していること。生活保護には「他法・他施策優先」というルールがあり、他の制度があれば、そちらを先に使い、足りないときに保護費で補うのが原則だが、医療だけは扱いが違う。
 第3に、医療扶助費の半分以上を入院医療費が占めていること。入院すると、外来通院や在宅医療に比べて大幅に費用がかかる。ここには、本当に入院が必要なのかという問題が含まれている。
 第4に、ごく一部の医療機関ではあるものの、患者が生活保護であることを利用して過剰な医療をするケースがあること。「不正」にあたるとは限らないが、ゆゆしきことである。
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2016年04月25日

格差が進む日本の未来は?

 富裕層と貧困層が激しく二極化することによって日本人の未来はどうなってしまうのか。もちろん考え方によっては成果を出すものが正当に評価される平等な社会とも捉えることができなくはない。格差には正社員と非正規社員の待遇の格差、大都市と地方の人口の格差などもあり、中には格差はやむを得ないものと思う人もいるということになりかねない。
 国でさえ格差が拡大しているという事実に対して「格差に関する指標はさまざまであり、格差が拡大しているかどうかは一概には申し上げられない」と答えているのだ。
 とは言っても実際に貧困の格差が進むことによって起こる問題は多くある。
•若くして子供を産んだものの生活能力がなく貧困に陥り子供への虐待が増える
•雇用や収入の不安定さから結婚をする人が減り、少子化が進む
•経済的な問題から勉強をすることができない子供たちが社会に出ることで日本の生産力は低下する
 これらはすでに起こっている問題の一部だが、今後ますますこういった問題は深刻化し、働いても働いても生活が楽にならないという状況はさらに悪化するはずだ。
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2016年04月24日

富裕層と貧困層が激しく二極化?

 貧困率は世界第4位となっている日本だが、不思議なことに日本では毎年新しい億万長者が生まれているのである。平均所得はこういった一部の億万長者の影響で底上げされてしまうことから、平均所得や平均年収を見ると、一見豊かな生活を送っている人が多いと思われてしまう。
 しかし、実際には日本国民の6人に1人は平均所得の半分以下で生活をしており、平均所得に満たない収入の貧困層がかなりの数で存在しているのだ。そして生活保護受給者も増加している。にもかかわらず億万長者は毎年生まれているという矛盾したことになっている。
 高所得者の取り分が増えれば増えるほど中間層と貧困層の差がなくなっていく。中間層が消滅することで貧困層はさらに増加する可能性が高い。このことから富裕層と貧困層は激しく二極化することが安易に予想されるのである。
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2016年04月23日

年収300万円時代に突入している日本

 年収300万円時代とは日本経済ではよく使われる言葉だが、賃金が下がり続けることで日本国民の年収が300万円程度になった。実際に1990年以降は日本国民の年収は下がり続け、戻ることなく現在にいたっている。そして平成26年には年収300万円以下の人口が全給与所得者の4割を占めている。4割と言ったが正確には40.9%である。つまり日本の労働人口の40.9%は年間の収入が300万円以下であるという結果なのです。
 代表的な理由はやはり不況である。この不況の中で非正規社員やパートタイマーが増加し、海外から来た外国人の雇用によって人件費が下落したことなどがあげられる。また急激な高齢化が進む中で生産労働人口が減少したことも理由になるだろう。
 その国がどれだけ豊かなのかというのを数字で表すことができる経済規模を表すGDP(国内総生産)では日本は世界第3位となっている。だがOECD(経済協力開発機構)の貧困率の調査では日本は世界第4位となっているのだ。何だかとても矛盾しているように見える。貧困率が世界第4位となった背景にはワーキングプアの増加、母子家庭の増加などが挙げられるが、特に母子家庭や父子家庭だけの貧困率では実は日本は世界第1位となっている。
 日本でも確実に広がっている貧困だが、中間層と呼ばれる一般的なサラリーマン世帯が貧困層へシフトチェンジし始めているのだ。年収600万円という数字は一見して十分な年収に見える。結婚をして家族を養い、ある程度の文化的娯楽を楽しむには十分な給与と思われる。だが実は年収600万円でも家計はギリギリという家庭も少なくない。
 例えば一戸建てに家族と住む年収600万円のサラリーマン世帯の場合、年収600万円の中から税金や社会保障費を除くと450万円程度になる。そこから住宅ローン(150万円)、生命保険(50万円)、子供にかかる学費や教育費(150万円)を引くと残りは100万円。この残り100万円の中から食費や雑費、交際費や燃料費などを捻出しなければならないと考えると貧困の理由もわかるのではないか。例えば家族4人は年間100万円で暮らして行かなければならないとなるとギリギリ、もしくは赤字のはずだ。
 日本の子供の貧困率は先進国の中でも最悪のレベルにあると言われている。全国の平均所得の半分を下回る世帯で暮らす18歳未満の子供の割合は過去最悪となり、今では6人に1人が貧困に直面している。
 子供の貧困は深刻なものであり、学校給食が唯一の食事という子供、保険証がないことから病気や怪我で病院に行けない子供、家庭崩壊からホームレス同様の生活を送っている子供など、心が痛くなる話だが現実にこの日本で起こっていることなのである。子供の貧困にはさまざまな理由がありますが中でも問題になっているのが母子家庭や父子家庭の貧困であり、これは世界でも1位の貧困率となっている。
 一人親の場合、なかなか貧困から抜け出せないという現状があり、中には親の離婚で子供に苦労をさせたと感じる人もいるだろう。だが離婚の原因にはさまざまなものがあり、中にはシングルマザーの7割が配偶者からDVを受けていたという調査結果もあり、一概に親のわがままによって片親になったとは言えないのである。
 世界でも有数の経済大国となった日本だが、格差は徐々に浮き彫りになりつつる。親の世代が貧困となればその子供たちも貧困から抜け出せない状態になり、貧困格差は今後ますます激しくなっていくことが予想される。
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2016年04月22日

政府予算に盛り込まれた子供の貧困対策?

 2013年に「子どもの貧困対策の推進に関する法律」(子どもの貧困対策法)が与野党全員一致で成立した。これにより、政府に子供の貧困に対する政策に取り組むことが義務付けられた。翌年には「子供の貧困対策に関する大綱」が閣議決定し、これまで子供の家庭環境については所管外であるとの感が強かった「学校」が、子供の貧困対策の「プラットフォーム」であると位置づけられた。予算を伴う政策が目立って動きだしたのは2015年に入ってからである。
 安倍晋三政権は「ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクト」を立ち上げ、2016年度予算案においては、無利子奨学金事業の拡充や、児童扶養手当(低所得のひとり親世帯に対する現金給付)の2人目以後の子供に対する給付費の増額などが盛り込まれた。
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2016年04月21日

援助の義務づけは子供や障害者の自立を妨げる

 生活保護を受ける家庭に育った子どものことを考えて欲しい。
 就職して独立し、多少の収入を得るようになっても、生活保護を受けている親や兄弟への援助を義務づけられるとしたら、資格の取得、通信教育、読書など、自分を高めるのに使えるお金が減る。結婚資金も貯めにくいだろう。そうすると、貧困家庭に育った子供は、自分を犠牲にして親兄弟をいつまでも養い続けろということになる。まさに「貧困の世代間連鎖」をもたらし、格差の固定化を招く。
 大阪府大東市で次のような事例が判明した。5人暮らしだった生活保護世帯の18歳の長男が高校を卒業して就職し、6月になって女性と暮らすために独立して住んだことに対し、福祉事務所が、非難する指導指示書を出したのだ。長男が家に残って給料を入れ、いずれ下の兄弟2人も働くようになれば、世帯の収入が増えて生活保護から脱却できるのに、というのが福祉事務所の主張であった。この世帯の父親は脳卒中の後遺症のため要介護状態で、母親も介護に追われていた。就職後2ヵ月間の長男の給料は世帯の収入として認定され、保護費の支給が減ってしまった。独立後も長男は福祉事務所から要請され、月3万円を仕送りしていた。
 弁護士の抗議を受けて、福祉事務所は指導指示書を撤回し、仕送りの要請もやめたが、この福祉事務所のやり方は、保護費の支給を減らすことばかり考えて、子供の自立を軽んじたのだ。
 障害者の場合も問題が生じる。障害者は、収入が少なくて生活保護を利用することが珍しくない。大人になった障害者についても、親に養ってもらえ、独立して住んで生活保護を受けるときでも親から援助してもらえ、と要求されるなら、いつまでたっても自立した生活を営めない。親のほうも障害者がいるために負担を強いられ、経済的に苦しい状態が続く。
 生活保護は世帯単位が原則だが、個人の自立を助けるために「世帯分離」という扱いをすることがある。たとえば長期の入院、施設入所、寝たきり、重度障害で医療・介護の費用が嵩む人がいれば、その人だけを生活保護にして家計の負担を減らす。反対に、奨学金やアルバイトで生活費を得ている大学生・専門学校生、結婚・独立を控えている人は、その人を保護から外して自分のために収入を使えるようにし、残りの世帯だけを保護する、といった方法である。
 生活保護法の目的の1つである「自立助長」は、貧困が多くの人に波及するのを食い止める意味を含んでいる。そこを理解せずに親族の扶養ばかり強調するのは、法の目的に反するのではないか。
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2016年04月20日

扶養義務―外国と比べてどうか?

 そもそも日本の民法が「夫婦、直系血族、兄弟姉妹、特別の事情がある3親等内の親族」の扶養義務を定めていることについては「範囲が広すぎて、現代の実情に合わない」という批判がある。確かに、兄弟姉妹の間で扶養を求めるのは、現実に照らして、いかがなものか。また3親等内の親族というと、自分のおじ、おば、甥、姪に加えて、配偶者の父母、兄弟、おじ、おば、甥、姪まで及ぶ。
 では、外国では、どううか。近畿弁護士会連合会編『生活保護と扶養義務』(民事法研究会、2014年)は、主な先進国の民法上の扶養義務や、公的扶助にかかわる扶養義務者への求償制度(費用徴収制度)を調べた結果を紹介している。
 <国> <民法上の扶養義務> <公的扶助に関する求償制度>
イギリス 夫婦間、未成熟の子に対する親  求償制度はない
フランス 夫婦間、未成年の子に対する親  求償の明文規定はない
ドイツ 夫婦間、未成年の子に対する親、直系血族 1親等内で収入が年10万ユーロを超す場合に限り、求償
スウェーデン 夫婦間、独立前の子に対する親  子供の養育費は資力があれば徴収
アメリカ 夫婦間、未成年の子に対する親(州により差) 子供の養育費は支払を強制
 生活に困った人を誰が助けるかについては、親族間の私的扶養から、社会による公的扶助へ、次第に重点が移ってきたのが歴史の流れで、欧米主要国の扶養義務の範囲は限られている。
 日本の現実に即した妥当な範囲はどのあたりなのか、民法の扶養義務のあり方を含めて、見直しを行う必要がある。
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2016年04月19日

貧困に周囲が巻き込まれる

 かりに、生活保護にともなって、十分な余裕のない親族にも扶養義務による金銭援助が強く求められると、どうなるだろうか。お金を出す側の経済状態は当然、低下する。
 誰かが貧困状態に陥ると、周りの親族も巻き込まれてお金を取り上げられる、場合によっては、そちらも貧困に陥る。貧困の渦巻きのようなものである。そうなると、生活保護を受ける人は親族たちから白い目で見られ、やっかい者扱いされることになりかねない。
 いまは元気に働いて収入を得ている人でも、たとえば病気をしたら、たちまち貧困に陥ることになる。そういうときに、裕福でない親族にまで扶養を強いるのは、親族に負担を押し付け、親族を犠牲にすることにほかならない。
 公的扶助(生活保護)が公的な責任を果たし、きちんと機能していてこそ、周りの人が貧困に巻き込まれずに済むのである。
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2016年04月18日

保護の必要な人が受けにくい

 生活保護の申請をすると、扶養義務者に関する調査が行われる。本人から親族の生活状況を聞き取り、年齢などを確認したうえで、@生活保持義務関係にある人(配偶者、未成熟の子に対する親)、A親子関係にあって扶養の可能性が期待できる人、B本人と特別の事情のある親族で扶養能力があると推測される人――だけに、扶養できるかどうかを照会すればよい、と厚生労働省は説明している。兄弟姉妹は原則として照会の対象外。
 しかしこれまで、福祉事務所によっては、画一的に広い範囲の親族へ照会文書を送って「この人が生活保護を申請しているのですが、あなたは援助できませんか」と問い合わせることがあった。何十年も音信不通の親族へ照会したケースもあった。
 そうすると申請した人は、自分の恥をさらすことになる、あるいは相手に負担をかけるのではないか、と気がかりである。それがいやで、生活に困窮していても生活保護の申請をあきらめる人が、現在でも少なくない。
 2013年の生活保護法改正(14年7月施行)では、扶養義務者の収入・資産の調査を含めて福祉事務所の調査権限が強化され、保護を受ける当事者だけでなく、扶養義務者や同居の親族に対しても、報告を求めることができるという規定が新設された。
 さらに扶養義務が強化されていくと、保護の必要な状態にある人が、保護を申請しない、保護を受けられないという事態が大幅に増えかねない。
posted by GHQ/HOGO at 08:20| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年04月16日

扶養義務の強化は、悲劇をもたらす

 生活保護と親族の扶養をめぐって、「子供が老親の面倒をみるのは当然だ」」「生活保護に頼る前に家族、親族で助け合うべきだ」などと主張する人たちがいる。伝統的な家族観に立って道徳や美風の復活を説いているのだと思うが、本当にその方向がいいのだろうか。
 現実にどんなことが起きるか、想像力をはたらかせて、よく考えてみる必要がある。
 親族による扶養義務を強めると、さまざまな悲劇をもたらすばかりか、かえって家族・親族の関係が壊れてしまうことになりかねない。
 「生活保護なんて、自分に関係することはない」と思っている人こそ、扶養義務の強化によって、足を取られるかもしれない。
 現在の生活保護制度では、親族による扶養は、生活保護の給付に「優先」するもの。現実に親族から援助があったら、それを先に使って、足りなければ生活保護で補うという意味なのである。
 これが、親族による扶養の追求が生活保護の「要件」になったり、それに近い運用が行われたりしたら、どうなるか。経済力を持つ親族がいるだけで保護を受けられない。あるいは親族から援助を得るために最大限の努力をしないと保護を受けられない。さらには、扶養義務を負う者が生活保護にかかる費用の一部を福祉事務所から強制的に徴収されるといったやり方になる。
 まず念頭に置く必要があるのは、家族・親族であっても実情はさまざまで、そもそも人間関係が良好とは限らないということである。
 まだ離婚していない夫婦間でも、DVを受けていたり、憎しみ合っていたりすることがある。親子でも、親から虐待を受けて育った、親から捨てられていた、親が失踪して長年、音信不通だったといったケース。反対に、子供から暴力や虐待を受けていた、金の無心をさんざんされて財産を食いつぶされたといったケースもあるだろう。兄弟同士も、仲が悪いことはしばしばある。
 そういう関係のときに、生活に困ったなら親族だから援助してもらえ、過去は水に流して援助しろ、と求めるのは、とうてい無理がある。
 もともと関係の悪くない親族なら、スムーズに援助が行われるだろうか。
 援助する側に経済的余裕がたっぷりあって、当事者同士の気持が通い合って自主的に援助が行われるならいいが、それほど裕福でない場合、親族の生活保護の利用に関連して金銭援助を求められると、おそらく良い気分にならないはずだ。援助を受ける側は、負い目を感じる。それが一時的ならまだしも、長く続くと人間関係がぎくしゃくしてくる。まして、大人になった兄弟だと、配偶者がいたりするわけである。
 ホームレス状態で野宿している人たちに対して「なぜ親、子、兄弟に頼れないのか」という見方があったが、金銭の援助を求めたら関係が悪化する、家に転がり込んだら関係が悪化する、実際に住まわせてもらったけれど関係が悪化したので出てきた、という現実があるのだ。
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2016年04月15日

「生活保護利用者の人権は制限してもよい」の先には、どのような社会があるのか?

 安倍政権の発足以来、生活保護基準の引き下げや生活保護法の改悪など、生活保護を利用している人の暮らしや権利を脅かす政策が続いている。また、地方自治体レベルでも、兵庫県小野市の「福祉給付適正化条例」や、大分県別府市でのパチンコ店調査・保護の支給停止など、生活保護などの福祉制度利用者の「素行」をことさらに取り上げて監視をしていこうという動きが強まった。
 こうした動きの背景には、自民党に根強い「人権制限論」がある。自民党の生活保護に関するプロジェクトチーム座長を務めていた世耕弘成参議院議員は、以下のように述べている。
 「(生活保護の)見直しに反対する人の根底にある考え方は、フルスペックの人権をすべて認めてほしいというものだ。つまり生活保護を受給していても、パチンコをやったり、お酒を頻繁に飲みに行くことは個人の自由だという。しかしわれわれは、税金で全額生活を見てもらっている以上、憲法上の権利は保障したうえで、一定の権利の制限があって仕方がないと考える。この根底にある考え方の違いが大きい」
 税金が投入されている制度の利用者の人権は制限してもよい、とする「人権制限論」の先には何があるのか。制度利用者のモラルの問題を言い立てることで、制度自体の縮小を画策するという政治手法は、すでに生活保護以外の社会保障分野でも始まっている。
 麻生副総理兼財務大臣は東京都内で開かれた会合で「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで糖尿になって病院に入るやつの医療費は俺たちが払っているんだから、公平じゃない」と述べた。麻生氏は「生まれつき弱いとかは別の話」と断った上で、「こいつが将来病気になったら医療費を払うのかと、無性に腹が立つときがある」とも語った。
 これは、糖尿病患者への偏見を悪用し、「利用者のモラルハザード」を焦点化することで、医療費全体の抑制へと社会保障政策の舵を切るためのアドバルーン的発言ではないか。生活保護バッシングと同様に、制度利用者を叩くことで制度自体を利用しづらくしようとしているのだ。
 社会保障制度の利用者に「清く正しく美しく」あることを求める発言は、他の自民党の政治家からも出てきている。テレビの報道番組『報道ステーション』に出演した石原伸晃衆議院議員は、生活保護費などの社会保障費抑制の具体策について述べる中で、いきなり、こう切り出した。
 「一言だけ言わせていただくと、私はね、尊厳死協会に入ろうと思うんです、尊厳死協会に。やっぱりね、ターミナル・ケアをこれからどうするのか、日本だけです。私は誤解を招いたんですね、この発言で。私はやっぱり生きる尊厳、そういうものですね、一体どこに置くのか、こういうことも考えていく。そこに色々な答えがあるんじゃないでしょうか」
 石原氏はこの発言を「個人の意思」を述べたものだと強調したが、この直前には公営住宅を活用することで生活保護費を八千億円削減できるという独自の社会保障費削減策を述べていた。彼が社会保障費削減の手段として尊厳死を用いようとしているのは明らかである。
 生活保護制度の見直しを盛り込んだ社会保障制度改革推進法は、医療保険制度について「原則としてすべての国民が加入する仕組みを維持する」(第六条)と書かれている。「原則」とは「例外」があることを前提とした言葉であり、これまで日本の国是とされてきた国民皆保険制度を絶対堅持するという政府の姿勢はここには見られない。
 政府の社会保障制度改革国民会議の最終報告書には、介護を必要とする度合が低い「要支援」者を介護保険制度の対象から外して市町村に委ねることや、70〜74歳の医療費窓口負担を段階的に1割から2割に引き上げることなどが盛り込まれている。最低保障年金の創設や後期高齢者医療制度の廃止などを求めてきた民主党は、3党の実務者協議からの離脱を決めた。安倍政権がかつての小泉政権のように社会保障費を抑制する方向に舵を切ったことは明らかである。
 介護の必要度が低い高齢者が介護保険の対象から外されれば、当然、家族や地域のボランティアに負担がのしかかることになる。この動きも、生活保護の扶養義務強化と同様、家族や地域で支え合うことを美徳として強制し、公的責任を後退させる「絆原理主義」の現れ。
 生保護バッシングから始まった生活保護制度「見直し」の動きは、これら社会保障制度全体の「見直し」に向けた先鞭をつけるものだ。生活保護の分野は政治力のある圧力団体が存在しないため、「最初のターゲット」にされた。しかし、生活保護利用者をバッシングし、制度を使いにくくしようとする動きの延長線上には、医療・介護・年金など、人々の命や暮らしを支える社会保障制度全体を縮小していく動きがあることを忘れてはいけないのだ。
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2016年04月14日

ヤミ金も貧困ビジネス?!多岐にわたる貧困ビジネス!

貧困ビジネスと聞くと、どんなイメージがあるだろうか。恐らく多くの方が生活保護費を食い物にしたビジネスと考えるだろう。そもそも、この『貧困ビジネス』という言葉を世に送り出したのは、社会活動家で、現在は法政大学で教授を勤める湯浅誠氏である。同氏によると、貧困ビジネスとは「貧困層をターゲットにしていて、かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス」とのことである。
日本国憲法第25条では『すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する』と明記されており、生活保護はそれを保障する制度の1つでもあり、貧困は克服しなければならない。
 貧困ビジネスというと、いわゆる蛸部屋のようなところに貧困状態にある人を詰め込んで生活保護を受給させ、寮費や食事代の名目でこれを搾取する、あるいは厳しい肉体労働を伴う仕事に派遣して、給与をやはり寮費や食事代の名目で搾取するといったスタイルを思い浮かべる人が多いかもしれない。
 しかし、『ヤミ金』も貧困ビジネスの1つなのだ。『貧困ビジネス』という言葉が生まれる以前に「ヤミ金」という言葉は存在した。具体的にはこのヤミ金がどうして貧困ビジネスと言えるのか。
 お金を借りることが難しい生活保護者が多く住む地域でビラを撒いたりして、高額な金利で金を貸し付け、いつまで経っても利息を返し終わらないという状況に追い込んで、搾取するもの(生活保護受給者は借金をしてはいけないルールになっているので、ヤミ金が入り込みやすい。
 ヤミ金の多くは、バックに暴力団がついていることが多い。金貸し自体は暴力団でなくても、その金貸し自体が暴力団に借金をしていて、ヤミ金で稼いだ金を暴力団にまわしているということも少なくない。先にあげた定額宿泊所や派遣業についても、表向きはNPO法人や会社形式をとっていても、バックに暴力団がついていることが少なくない。
 継続的な搾取の例とは異なるが、戸籍の売り買いも金に困った貧困者に持ちかけられるケースが多く、貧困ビジネスの1つといえる。
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2016年04月10日

世代別の貧困者支援対策が重要

 世代によって必要な政策が分かれてくる。まず子供向けでは特に母子世帯向けの所得保障と就業支援が重要である。また貧困世帯児童向けの教育費用の支援も重要になる。若年・現役者向けには、非正規労働者への支援が重要である。非正規労働者は、国民年金や国民健康保険に加入するケースが多いが、これらの保険料は定額負担の性格が強く、低所得者ほど逆進性が高く、未納率の原因になっている。
 したがって、当面必要な所得再分配政策は、非正規労働者にも正規労働者と同じ社会保険(厚生年金、健康保険)を適用し、将来の生活展望や医療アクセスを保障する、非正規労働者でも将来展望を持って家族を形成できるように、住宅手当、児童手当の加算、子供に対する奨学金を充実させることである。低所得高齢者には、基礎年金制度を補う最低所得保障制度の導入、医療・介護費の保険料、窓口負担の軽減が重要になる。
 さらに全世帯に共通して生活困窮者の生活支援も重要である。就職の失敗や離職に伴う長期無業となり、引きこもるもの、多重債務を抱えるものも増えているが、現在、これに対する支援政策は存在しない。これらの問題は、現金給付だけでは対応できないので、就労支援、生活相談、金銭管理支援などさまざまな生活支援政策を行う必要がある。2015年4月からスタートした生活困窮者支援制度は、このような多様な生活困窮者の生活を包括して支援するまったく新しい仕組みであり、その成否に大きな期待をしてみたい。
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2016年04月09日

一人親世帯の貧困率は50%で世界トップクラス

 ここでは世代別の貧困の課題を見てみよう。まず子供の格差・貧困であるが、これは大人の貧困率の上昇とともに上昇傾向にある。日本の子供の貧困率は16%であり、先進国でも上位にある。また特に一人親世帯の貧困率は50%であり、先進国でもトップクラスになっている。こうした貧困が子供に与える影響については、教育水準、健康面で明らかにされている。
 教育面については、親の所得階層によって基礎科目の成績で差がでていることや、大学などのへ進学率に差がでていることにより、所得格差と学力、進学機会の格差の関係が明らかになっている。またさまざまなデータが子どもの貧困と貧困の世代間連鎖を明らかにしている。たとえば、少年院における貧困世帯の出身者の率の高さ、生活保護受給世帯出身の子供が成人後、自らも生活保護受給になる確率が高いこと、養護施設出身の子供が成人後に生活保護を受ける割合も高いことなどが明らかにされている。
 次に若年者・現役世代の格差・貧困を見てみよう。90年代半ばから非正規雇用が拡大し、特に不本意ながら非正規労働者にならざるを得ないという若い世代の増加は、格差・貧困率の上昇、未婚率の上昇の重要な原因になっている。また学校、進学、就職・転職の失敗などをきっかけとする若い世代の引きこもりの増加が大きな問題になっている。
 高齢者の格差・貧困の主要因は、低い年金や無年金である。被用者は厚生年金、非被用者(自営業、無職、非正規労働者)は国民年金と加入する年金が分立している日本では、国民年金(基礎年金)のみの高齢者は850万人程度おり、その平均年金額 (月額) は5.5万円であり、生活扶助基準を大きく下回る。また2015年度から初めてスタートするマクロ経済スライドによって、基礎年金の実質水準は今後30年間にわたり約30%程度低下するとされている。今後の高齢者数の増大も考慮すると、膨大な貧困高齢者が発生する可能性もある。
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2016年04月08日

“平等神話” の「ツケ」は重い

 多くの先進諸国に比べると、日本の子供の貧困対策はまだまだ途上であると言わざるを得ない。奨学金事業においても、第一に日本においては貸付型の奨学金(通常 “student loan” と呼ばれるもの)制度しかなく、給付型の奨学金(通常 “scholarship” と呼ばれるもの)は存在していない。OECD諸国の中で、高等教育における家庭負担の割合が最も高い国の1つが日本である。
 また、児童扶養手当の拡充にしても、そもそも日本の手当はそれだけで生活することは不可能な額(満額だとしても月4.2万円+子どもが2人の時は5千円の加算、3人目以降は3千円の加算)である。1人親世帯(ほとんどは母子世帯)の母親の8割以上は就労しているが、それにもかかわらず貧困率が5割を超えるのである。別れた父親から養育費を受けているのも2割に満たない。養育費を公的に取り立てる手段がないからである。
 生活保護率は増加しているとはいえ人口の2%程度であり、普遍的な児童手当の額も少なく、住宅扶助や食料費扶助などの他国に存在する低所得者を支援するさまざまな制度も存在しない。一方で、国民年金や国民健康保険など非正規労働者や自営業者が加入する社会保険においての、社会保険料負担は逆進的な設定となっている。
 これらはすべて日本が長い間「貧困問題」を無視し続けてきた結果であり、社会のさまざまな制度において低所得層に対する配慮の視点がなかったことによる。貧困対策について、日本は他の先進諸国から大きく遅れをとっている。一時的にでも「平等」であったことの「ツケ」がこのような形で現れるのは皮肉である。
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2016年04月07日

続々と明らかになる子供の貧困の実態

民主党政権は、子供のある世帯に対する給付の拡大(子供手当)や高校無償化などいくつかの政策を実現した。その後、東日本大震災などを経て再び自公政権となったものの、貧困への関心、特に子供の貧困に関する関心は継続して高い。その背景にあるのは、続々と明らかになってきた子供の貧困の実態である。目を向ければ、生活に困窮する子供や人々の例は後を絶たなかったのである。
 例えば、文部科学省が行っている小学6年生の子どもに対する全国学力調査のデータを、親の所得階級別に集計すると、所得と子供の学力がきれいな相関関係にあるという調査結果が2009 年に発表された。
 海外においては、子供の学力と親の所得に関係があることなどはよく知られているが、このような「当たり前」の関係でさえも、日本の一般市民はもとより、政府や教育学者の間でも驚愕の念で受け止められた。
 子供の健康についても然り。貧困層の子どもに肥満が多いということも、最近の研究成果でようやく明らかとなった。これまで、「平等社会だから」と親の経済階層の子供への影響について無頓着であった日本社会であるが、調べてみると子供に関するさまざまデータにおいて所得階層との相関が認められたのである。
 また、子供と接する現場からも、だんだんと貧困が子供に及ぼしている影響が報告されるようになってきた。例えば、小児医療の現場からは、自己負担の支払ができないために子供の治療を控える事例や、学校で病気になっても病院には連れていかないでくれと親に言われたという事例などの報告がある。
 学校現場においては、朝ごはんを食べていないため午前中勉強に集中できない生徒にこっそり給食の残りの牛乳を渡したり、飴を手渡したりしている教員の事例が紹介されてきた。学校が休みの間は給食がないため、夏休みが終わって登校すると前より痩せている子供がいるといった報告もある。児童館や学童保育からは、お昼ごはんを食べていない子供がいるようだという報告も挙げられている。
 新聞やテレビなどのマスコミも、そのような事例を多く報道するようになり、ようやく、日本社会も子供の貧困がただならぬ状況まで追い詰められていることを実感するようになった。
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2016年04月06日

日本は「平等な国」という “神話”

 日本を訪れる多くの外国人観光客は、日本のことを「“貧困” が多い国」とは思わないであろう。日本の都市において、先進諸国の「インナーシティ」(中心市街地)の多くに見られるような落書きもお金を乞うホームレスも見当たらない。道行く人々は、こぎれいな格好をし、コンビニやファストフードの店員も丁寧で礼儀正しい。夜一人で歩くのが心配となるような「治安の悪い地域」は存在せず、スリなどの犯罪も少ない。そう、日本は先進諸国の中でも有数の「平等な国」である。
 そう誰もが信じてきた。日本が平等な国であるという定評は、海外でもよく聞かれるが、当の日本人たちも長い間信じてきた “神話” である。
 この神話は、まったく事実無根なわけではない。確かに、1970年代の統計を見ると、日本は先進諸国の中でも北欧諸国並みに低い所得格差であった。しかし、日本の所得格差は1980年代以降上昇し始める。経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、2009年の時点においては、日本のジニ係数(所得の格差を表す指標)は0.336であり、OECD35カ国中8番目に高い。実は、日本の所得格差は、米国や英国などよりは低いものの、北欧諸国はもちろんのこと、ドイツ、フランスなどの大陸ヨーロッパ諸国よりも高い。
 2000年代になって、少なくとも日本の中においては、日本が実はそう平等ではないという事実が徐々に浸透してきた。しかし、それでも、豊かに「なった」日本において、「貧困」の問題があるとは、誰もが想像していなかった。ここで言う「貧困」とは、飢え死にするほど食料に困窮している、風雨を防ぐ家もない、着るものもないといった「絶対的貧困(absolute poverty)」ではない。現在でも、発展途上国においては、このような絶対的貧困が大きな問題であるが、先進諸国や新興国においては「相対的貧困(relative poverty)」という概念が用いられる。
 相対的貧困とは、その国において標準的とされる生活水準が保てないことである。相対的貧困は、一人当たりGDPが高いOECD諸国においても大きな社会問題である。これはたいていのOECD諸国においても、関係省庁のホームページを見れば、その国の「貧困」に関する統計や政策が簡単に入手できることからもわかる。例えば、欧州連合(EU)においては、「Europe 2020」戦略の中で「貧困と社会的排除にある人」を2020年までに2000万人減らすという数値目標が掲げられている。
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2016年04月05日

生活保護水際作戦合法化で親族扶養を要件化

 生活保護が必要な貧困状態にある人の80%前後は最後のセイフティネットにも引っかからずにさらに下に落ちている深刻な事態になっている。それは生活保護を受けるための敷居を高くして窓口で申請書を交付せずに追い返す、違法な水際作戦で門前払いをしてきたのが最大の要因だった。
自公民政権が今国会に提出した改正生活保護法はそれを制度化して本人の資産や収入、扶養義務者の扶養状況を記した申請書と、判定に必要な書類の提出を申請時に義務づける規定を新設した。
また今までは保護の要件ではなかった親族の扶養義務を要件化し、扶養義務者や同居親族に関して実地機関が官公署、年金機構、勤務先、銀行などに資料の閲覧、提出、報告を求められるようにするもので、生活保護そのものを受けられなくするための法整備、セイフティネットの破壊と福祉切り捨てを狙った驚愕の内容なのだ。
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2016年04月04日

EUの社会保障 イギリス、フランス、ドイツでは?

 社会保障の主な利用者でみると「働ける年齢層」が主でフランスでは高齢世帯の占める割合は10%にすぎない。ドイツでは65歳以上の高齢者と障害者を支援する制度の利用は100万人程度にとどまっている。イギリスでは高齢者の生活保護利用はほとんどないといわれる。
なぜ高齢者の利用が少ないのか「年金や医療の保障が手厚いから」と専門家は口をそろえる。
日本では生活保護利用世帯の44%を高齢世帯が占め、増え続けているが、年金、医療、介護、住宅などの保障があまりにも貧困だからである。
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2016年04月03日

英国の社会保障 生活保護の利用者は若者が中心

 生活保護の利用者は若者が中心。年寄りには年金が充実生活保護を利用しなくても医療費は無料か低額、生活保護を受けたからと言って自動車は手放さなくてもよい。これが日本と同じように発達した資本主義国であるイギリス、フランス、ドイツの社会保障の姿である。
それに比べると、使いにくい生活保護をさらに切り下げようという日本の施策は、異常な貧しさだ。
イギリスには個人の必要に応じた給付がある。無収入、低所得者には「所得補助」求職活動中なら「求職者給付」傷病者・障害者や求職手当を受けていない人には「雇用・支援給付」子供の養育には「子供手当」の他低所得層なら「児童税額控除」という給付金がつく。手当が高額という訳ではないが、個人の必要に応じた手当が組み合わさって国民最低限度の生活が維持できるようになっている。
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2016年04月02日

子供の貧困率 母子家庭では堂々世界一の相対的貧困率

 日本の子供の相対的貧困率は、OECD35か国中9番目、先進諸国20ヵ国の中ではアメリカ、スペイン、イタリアに次いで4番目の高さで、貧困率の上昇が止まらない状態。先進諸国の貧困の子供の約10人に1人が日本の子供となり、国際的にみると子供の貧困率が高い国である。
それが母子家庭になるとOECD35か国中堂々の1位で、日本は必要な福祉を切り捨て、子供を大切にしない国というのがわかる。
貧困解消の指標になる再分配について、OPCDは日本は「再配分」の力が弱いと指摘、財政健全化は、格差や貧困に対して悪影響を与えるかもしれないと、危惧を表明している。これは所得が低いほど負担率が大きく、大企業優遇、資産家には負担は少なくなっているため再分配が不十分で所得再分配後に母子家庭などでは貧困率改善ではなく悪化するという。
そこに消費税増税となればその先はどうなるかは説明の必要もないだろう。政府の再分配機能の大きさからいうと、ギリシャ、イタリアに続いて下から3番目という資産家と大企業優遇の国なのである。
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生活保護者に対する差別意識問題の本質を覆い隠すバッシング

 ある特定の条件下で生活保護者全般に対するネガティブキャンペーンがなされている。それらには見下しという差別傾向が顕著で、標識(レッテル)を張ることで弱者を孤立させ排除していく流れなのだ。レッテルは強者が、弱者に強者の価値観を押しつける形でなされ、弱者をさらに追い詰めることになる。本人も意識していない同情という善意の見下しもあるが、これらの差別意識は、生活保護に流れる普遍的な人権思想などを覆い隠し、生活保護全般に対する否定的価値観を広げるのに役立ち、政府は巧みにそれを利用して福祉切り捨ての理由に使うという訳だ。これは高齢者に対する「何も生み出さない人」というバッシングにも同じことが言える。
差別する側には@意図的に差別意識を持ち込んで、国民同士がいがみ合うように仕向けるグループ、A善意であるが、本質的には差別する側に加わっているグループ、B権力構造の中で弱者に陥る潜在的不安の裏返しになった攻撃的感情のグループに大別できそうな気がする。AとBのグループは本質が理解できれば弱者の味方になる可能性をもった人たちだ。
それとは別に社会的弱者を助ける必要はないという人権思想とは相容れない人たちが少なからずいるということに注意する必要はある。福祉切り捨て政策で暴走する安倍首相がその筆頭といえる。
posted by GHQ/HOGO at 08:07| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする