2016年02月29日

法から読む生活保護 生活保護法

 生活保護への偏見が多く、「国の世話になりたくない」「生活保護を受けるのは恥」と思っている人もいる。しかし、生活保護法に書かれた基本を読み、生活保護制度の理念を理解しなければならない。生活保護は、ただ救済するだけの制度ではない。
 @ 生活保護の目的
 生活保護法第1条のとおり、「この法律は、日本国憲法第25条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とされる。憲法25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」を具体化した法であり、最低生活を保障することと、そこから自立する援助をすることを目的としている。
 A 無差別平等
 第2条「すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる」として、要件を満たせば誰でも生活保護制度を利用できるとしている。逆に言えば、生活保護法から排除される人はいないのである。
 B 最低生活
 第3条「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない」として、ただ食べて寝るだけの生活ではなく「健康で文化的な生活」としている。
 C 要件と優先
 第4条1項で「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」として、生活保護を受けるためには、そこに至る経過や扶養親族の有無などに関わらないこととされている。
 ただし、第4条2項で「民法 (明治29年法律第89号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする」として、他の法律を優先して利用することや、扶養親族からの扶養は優先されるものとして、それでもなお足りない部分を生活保護制度から補足するものとしている。
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2016年02月28日

生活保護で贅沢はできない?

 「生活保護を受けているのにいい車に乗っている」と言いふらす政治家がいる。
 自家用車の使用は制限されている。また、就労のための必要な控除のうち、自家用車の修理(職場への交通費、ワイパーの交換など)といった最低限の補修は認められるのだ。
 したがって、その人は自家用車を使用することを何らかの理由で保護担当者が認めているということなのである。
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2016年02月27日

家族や地域に養わせる義務はない!

 「生活保護を受ける前に家族や地域が養うべき」と言いふらす政治家がいる。
 配偶者や未成熟な子供に対する親でないかぎり、最後の最後まで養わなければならない義務はない。自らの生活を壊さない程度に支援すればいいのだ。たとえば毎月、生活費を送ることはできなくても、季節によっては食べ物を差し入れたり、入院するときの保証人になるといった協力はしてやれる。
 夫婦間の暴力で逃げ出してきた場合や、親子が絶縁状態にある場合など、人間誰しもさまざまなケースがある。だから、あらかじめ文字にして細かなことが決められないのである。援助をどう考えるかは、その人ごとに応じて決めることとなるのだ。
 また、孤立死を防ぐために見守りなどの取組みは進められているが、地域が養う義務は当然ない。
 生活保護は、家族や地域が養わなければ餓死するしかないというような時代から、国全体で支えるというように発展させて、より安定的な安心と保障をつくりだした制度なのである。その枠組みを家族や地域に狭くしようという考え方は、とても危険である。そういう政治家は、やはり命の安全や安心を別のところで使いたいと考えているのではないのか。
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2016年02月26日

知らないとだまされる!生活保護に関する政治家のウソ! 生活保護の金額は高くない!

 「生活保護の金額が高すぎる」「生活保護よりも低い収入で生活している人もいる」と言いふらす政治家がいる。その政治家の目的は、福祉にかける国家予算を削り、別のこと−たとえば公共事業−にばらまき、その見返りとして企業から政治献金を受け取りたいと考えているからだ。
 生活保護の金額よりも低い収入で生活している人もいることは事実である。しかし、それはいまの生活保護制度では何かあったときのための貯蓄らしい貯蓄ができない、自家用車の使用が制限される、老後が心配になるほど貧弱な福祉制度でしかない、福祉担当者の態度が横柄で嫌な思いをさせられるなど、それに対してただ我慢しているだけ。これは、政治がきちんとしていない責任を国民に押しつけているだけなのだ。
 実際に計算すればわかるが、生活保護の金額は決して高くはない。
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2016年02月25日

労働者の労働組合費は必要経費

 働くために労働組合に加入することは必要だろう。生活保護を受けつつ、働いている場合、組合費は必要経費として控除される。組合費を積み立てたことについては、必ず窓口の担当に届けることだ。
 労働組合費は、収入から差し引かれる必要経費。たとえば収入がゼロだった場合は、控除対象とはならない。
posted by GHQ/HOGO at 08:48| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

生活保護を利用しても差別扱いは禁止

 「選挙権がなくなる」といった誤解があるが、そんなことは一切ない。生活保護制度の活用は、国民の権利。申請に至る経過など過去にどのようなことがあったのかは受給できるかどうかとは無関係なのである。
 ただし、暴力団員であるといった場合は、生活保護の要件を満たさないとされる。過去に暴力団と関係があった場合はきちんと申告し、現在は暴力団と無縁であることや、あるいは暴力団から抜けたいことをあらかじめ伝えておく必要がある。
  警察OBを配置する保護担当窓口が出てきている。しかし、生活保護の申請は、権利であり、かつ、要件を満たせば受けられるもの。申請者が窓口で暴れるといった対応はよくない。
しかし、正しく申請し、事情をきちんと説明しているにもかかわらず、高圧的な対応を取ってくる場合は、窓口側の間違った対応である。媚びる必要はない。誠実に対応しているにもかかわらず、おかしな対応をされた場合は、弁護士などに相談することだ。
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2016年02月24日

生活保護を利用しても差別扱いは禁止

 「選挙権がなくなる」といった誤解があるが、そんなことは一切ない。生活保護制度の活用は、国民の権利。申請に至る経過など過去にどのようなことがあったのかは受給できるかどうかとは無関係なのである。
 ただし、暴力団員であるといった場合は、生活保護の要件を満たさないとされる。過去に暴力団と関係があった場合はきちんと申告し、現在は暴力団と無縁であることや、あるいは暴力団から抜けたいことをあらかじめ伝えておく必要がある。
  警察OBを配置する保護担当窓口が出てきている。しかし、生活保護の申請は、権利であり、かつ、要件を満たせば受けられるもの。申請者が窓口で暴れるといった対応はよくない。
しかし、正しく申請し、事情をきちんと説明しているにもかかわらず、高圧的な対応を取ってくる場合は、窓口側の間違った対応である。媚びる必要はない。誠実に対応しているにもかかわらず、おかしな対応をされた場合は、弁護士などに相談することだ。
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2016年02月23日

家賃が高いとき住宅扶助の上限額を超える場合は保護を受けてから引っ越し

 アパートに住んでいる場合、家賃は生活保護の住宅扶助費から支給される。住宅扶助の上限金額は、級地と世帯人数で決定される。
 もしも上限額より高いアパートに住んでいたら、上限額を超えた分の家賃は生活扶助から持ち出しになる。したがって、生活保護を受けた後に、家賃の低いアパートに引っ越しすることになる。その際の引っ越し費用や敷金等は基本的に生活保護費から支給されるので、いくら支給されるのかは生活保護担当者に相談しよう。
 連帯保証人がいない単身者などに対して、露骨に嫌な顔をして、事情を理解しない不動産屋がないわけではない。しかし、住宅扶助額を超えた生活が続くことは、生活を圧迫し、自立を妨げることだから、大変よくないことだ。ケースワーカーともよく相談して、家賃が住宅扶助基準内に収まるようなアパートを早く見付けられるようにしなければならない。
 自民党がすすめている生活保護費削減によって、住宅扶助費も2015年7月から削減されている。ただし、1年間の経過措置があるのだが・・・。
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2016年02月22日

生活保護で受給できる金額

 国の決めた基準より少ない収入の世帯に、国がお金などを足して、国が決めた最低基準の生活を保障する。
 まず、住んでいる場所(または現在地)によって「級地」が決められる。次に、年齢に応じた個人消費、世帯人数に応じた世帯消費が加わり、障害者や1人親家庭などに加算が加わる。必要に応じて住宅費や医療費が加えられ、最低生活費が計算される。
 現実には、都市部と周辺部では必要な生活費はそれほど大きな差がなくなっているものと思われる。現在の生活保護基準は、消費水準の平均との比較で決められている。この場合、社会は進歩しているのに、格差が広がり低所得者層が増えると、なおいっそう生活保護基準が引き下がり、さらに格差を拡大させる悪循環が生じる。
 この基準が本当にその時代における「健康で文化的な最低限度の生活」を維持できるのか、常に問わなければならないのだ。
posted by GHQ/HOGO at 16:55| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

犬の問題行動に先天的な要因はあるか?

 バーバラ・ウッドハウスの「No Bad Dogs」(悪い犬なんていない)は、犬の問題行動の原因をすべて飼主の能力不足に押し付け、繁殖業界の責任を曖昧にしてしまった。
 優位性理論とそれにのっとった直接罰によるしつけ方法は、犬の問題行動を悪化させうる後天的な要因である。しかしバーバラ・ウッドハウスの著書「悪い犬なんていない」(No Bad Dogs, 1978)が主張するように、犬の問題行動のすべてが、飼主の能力不足で説明できるわけではない。犬の問題行動の要因として、先天的な要素を指摘する人もいる。
 「動物行動医学」(チクサン出版社)の著者、カレン・オーバーオール女史は、自身が務めるペンシルバニア大学獣医学部付属動物病院(VHUP)の行動クリニックでは、問題行動を起こすペットの多くは、しつけが誤っているのではなく、実際に異常があったり、問題を引き起こしたりしている器質的(先天的)な原因があったとしており、こうした先天的な要因に対しては、今後薬理学の分野が台頭するのではないかと述べている。
また犬猫の問題行動専門家、ヴァレリー・オーファレル女史も「問題犬を飼っている飼主の方に落ち度があるに違いない。悲しいかな、これが現実であり、同時にまた神話でもある」として犬の側にも問題点があることを指摘しています(「プロブレムドッグ」・ペットライフ社)。
 アメリカでは1995年以降、動物行動医学は専門委員会による正式認可を受けた専門分野となっており、獣医学のカリキュラムに加えられ、専門家をトレーニングするための厳格かつ一貫した基準が提供されている。
そして米国の多くの州では、動物の問題行動に対して診断を下したり、特定の治療を進めたり、必要な薬物を処方したりできるのは、免許を保有する獣医師だけである。
先天的な要因に対しては獣医師が薬を処方し、後天的な要因に対しては獣医師自ら、もしくは信頼の置けるトレーナーに委託するというという形が浸透しつつある。
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2016年02月21日

不服なら審査請求もできる

 申請が却下されたような場合でも、行政不服審査法に基づく不服申し立て(審査請求)が可能である。審査請求は、「処分を知った日」の翌日から60日以内に都道府県知事に審査請求書を出す。
 審査請求書には、本人と代理人、行政処分の内容とその処分を知った日、審査請求ができる旨の教示の有無、審査請求の趣旨と理由、口頭意見陳述を希望するかどうかを記入することになる。直接、都道府県でも市区町村を経由して行うこともできる。
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2016年02月20日

申請は一番近い福祉事務所へ

 生活保護を申請するには、まず住んでいる地域の役場の窓口を訪ねること。住まいを失っていて現住所がない場合や住民票を移していない場合でも、一番近い役場へ行こう。申請受付の窓口は福祉事務所。生活保護担当窓口へ行き、「生活保護の申請をしたい」と告げることだ。
 窓口において相談だけで終わらせようとする水際作戦は、絶対に許されるものではない。申請すれば要件を満たすかどうかは適正に判断されるわけだから、申請をさせないということは絶対にあってはならないことなのだ。「必要書類をそろえてくるように」「家に持って帰って書いてくるように」と言われても、申請書だけは必ずその場で書き、今日付で提出しよう。保護が開始される場合は、その申請日からになるためである。
 面談・申請
 担当者による職歴、生活歴等の聞き取りがある。生活保護を取り扱う窓口で、生活保護の申請を行う。
 調査
 担当ケースワーカーによる訪問、資産の調査などが行われる。
 決定
 申請から14日以内(やむを得ない場合は最長30日以内)に決定がなされる。
生活保護が開始される場合は、申請日にさかのぼって保護費が支給される。却下された場合は、その理由の書かれた通知書を受け取り、場合によって不服審査請求を行うことができる。
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2016年02月19日

水際作戦は許さない!貧困は血縁関係の中だけで解決するものではない

 「親兄弟などの親族からの援助をしてもらいなさい」「遠い親戚にまで連絡をします」と言って、申請させない水際作戦は絶対に許されない。夫婦や未成熟の子供に対する親以外の親族の場合は、具体的な援助の金額や方法は当事者間での協議で決める。生活保護制度は、親族だけが支えるのではなく、国民全員で互いに支える方法に進化させたものと理解することだ。
 生活保護は、他の制度をすべて活用して、それでも不足する金額やサービスを補うことが基本。年金や介護、失業手当などの制度がよくわからない場合は、生活保護の窓口に聞こう。
 介護保険料を支払うと生活保護基準以下の生活しかできなくなってしまうといった場合は、境界層措置制度といって介護保険料の減免などを行えることになっている。介護保険だけでなく、そのほかの制度でも同様の制度が使える場合があるので、負担が重く生活が苦しい場合は相談することだ。
 福祉制度の関係窓口にいるからといって、その人は福祉制度のスペシャリストでない可能性もある。役所の中の人事異動のスピードが上がり、回転が速くなっているためだ。そのため、どんな場合でも「生活保護の窓口に聞いてもらえれば」と生活保護窓口に回すような人もいる。さらに、生活保護の窓口にいるからといって、生活保護担当の経験が長いとは限らない。
 生活保護を受けると、持ち家に住めない、自家用車は処分しなくてはいけないという誤解がある。周囲の家庭に比べて非常に豪勢だったり、資産価値の大きな家でなければ、その持ち家に住みながら生活保護を受給することが可能。どのぐらいの資産価値ならば売却するのかは、基準で決まっている。いずれにせよ、持ち家があっても生活費が手元になければ大変なことになる。たとえば、生活保護を利用→自宅を売却→売却したお金から返却というような方法もある。すみやかに生活保護担当の窓口に相談することだ。
 自家用車は職場に通うために必要な場合の利用や、失業中も求職活動やその後の就職のために一定期間、保有することが認められている。その地方、その家庭なりの事情がある。一律に自家用車を手放さなくてはならないものではない。
 なお、自家用車の「保有」と「使用」が異なることを理解すること。つまり、持っていることと、使うことは違う。たとえば、自分の自家用車を他人に貸すケースや、他人の自家用車を運転するというケースがある。自家用車の場合は、「保有」と「使用」を混同して考えてはいけない。
 特に、上越、東北、北海道などでは自家用車でなければ通えない職場も多いし、世帯によっては子供の送り迎えをしてから職場に通うことも考えられる。自家用車なしで交替制勤務のある職場への就職はまず無理と言っていい。しかも、今は一家に1台から、1人1台と言われるほど自家用車が普及している。自家用車を処分してしまっては、逆に仕事ができなくなり、自立することも生活することも大変困難になるため、多くの青年ユニオンでは、地域の実態に即して自家用車の保有と使用の両方が認められるように取り組んでいる。
 生活保護は最低限の生活の金額を保障をするだけなので、保護費から基本的に借金やローンの返済はできない。税金の滞納を除いて、基本的に借金やローンをそのままの状態にしては、生活保護が受けられないと考えること。
 したがって、借金がある場合は自己破産の手続をすすめることや、住宅ローンの残っている住居を保有している場合は競売にかけたり、賃貸住宅として貸し出して収入を得たりといった方法を選択することになる。当然、これらの方法が完了するまで待っていられないので、これらの手続を行う意思を示すことと同時に、生活保護の申請を行う。借金やローンの整理はとても心配だが、そんなときのためのケースワーカーでもある。どんどん質問しよう。
 生活保護を利用していると、次のような費用は支払が免除される。詳しくは、保護担当窓口で教えてもらうこと。
• 固定資産税、住民税
• 国民健康保険料
• 医療費
• 保育園の保育料
• 水道料の基本使用料
• NHK受信料
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2016年02月18日

生活保護 最後のセーフティーネット

 生活保護の利用は、一般的に敷居が高いと思われている。しかし、病気で働くことができなくなった、家庭内の事情で母子家庭になった、仕事がなくなって生活が苦しくなったなど、人生にさまざまなトラブルはつきものである。誰にでも起きるトラブルが、たまたまあなたにふりかかってしまったのだ。あなたが悪いのではない。生活保護は、国民みんなの「保険」なのである。生活に行き詰まったら、生活保護を利用して、あなたとあなたの家族の生活を立て直し、次の一歩を進むことだ。
 本来、生活に困ったときは役場で相談するものなのである。しかし、生活保護窓口の担当者によっては、まるで横柄な態度をとる場合もある。各地の青年ユニオンの多くは、生活実態に合わせて相談にのってくれる。
 不安定な仕事ゆえに突然収入を断たれたり、生活費をローンで賄わなければならなかったりすれば、生活も不安定になってしまう。転職したくても、家族との関係などでぴったりの転職先が見つかるわけではない。そのため、仕事がありながら生活保護を利用しなければならなくなることもある。もちろん、仕事をしながら生活保護を受けることができるのだ。なぜなら、生活保護制度で保障される最低生活費の金額より、収入が少ないとき、その差額が支払われるのである。
なお、仕事をしていれば当然、必要経費が発生する。この必要経費の金額は収入額から控除される。したがって、仕事をしているほうが手取りも多くなる。
 生活保護制度とは、必要最低限度の生活費を支えつつ、自立できるように応援してくれる制度である。生活保護は、ただ最低限の生活を支えるだけでなく、そこからの自立をどうしていくか、担当者がともに設計する制度でもある。生活保護の目的が2つあることは忘れてはいけない。「生活保護を受けると仕事ができなくなる」というのは、まったくのでたらめなのだ。会社に知られることもない。
 生活保護は、世帯単位で適用されるす。この世帯とは基本的に、同じところに住み、生計の手段が一緒の人たちを指す。
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2016年02月17日

ホームレスと生活保護

 生活保護の窓口には時折住所不定の人、いわゆるホームレスが訪ねていくことがある。ホームレスが生活保護を申請した場合、まず課題となるのが住居である。生活保護は居住実態が認められないと保護を開始することができないからだ(生活保護法第30条)。ただし、保護の申請はホームレスの状態でも可能なので、保護を申請した後、開始決定までに住居を探すことになる。
 しかし、ホームレスが住居を探すのは難しい。まず、保証人の当てがないことがほとんどである。また、大家や不動産管理会社によっては、生活保護が決定したら部屋を貸すというところもあるため、そうなると自力で住居を見つけることは実質不可能になる。
 これには行政が住居を見つけるべきという意見もあり、実際に窓口では知り合いの業者や大家を紹介したり、場合によってはホームレスに同行して住居探しを行ったりすることもあるようだ。物件によっては家賃を福祉事務所から直接振り込む(本人に渡すと滞納の危険性等あるため)ことを条件に居住を認めてもらうというケースもある。
 それでもすべてのホームレスが運良く住居を見つけることができるわけではない。そうした場合に次の方法として浮上してくるのが救護施設である。救護施設は生活保護法によって規定されている施設であり、ホームレスだけでなく、身体や精神的な問題で居宅生活が困難な人が生活する場所である(生活保護法第38条)。最悪住居が見つからない場合は、救護施設を居住地として保護の開始を行うことができるのだ。
 入所用件としては生活保護法を適用されていることだが、ホームレスのように急迫状況にある人に対しては役所の職権によって即座に保護の申請・開始決定を行うことができる(生活保護法第7条、25条)。窓口の担当者が施設に移送するホームレスの場合、急迫保護のため職権によりすぐに保護の開始決定を行い、救護施設へ入所さることもある。
 しかし、このときには問題が2つある。まず、入所にあたり健康診断を受けること。特に最低限「性病(梅毒)」「結核」「肝炎のBC」の3つに関しては異常なしとの回答が必要になる。この結果が出るまでに4日ほど時間を要するため、それにより、それまでこのホームレスをどこに寝泊まりさせるのかという問題が発生することもある。
 結論から言うと、保護費を前渡しという形で貸し付けて安宿に泊まらせることもある。その場合、宿泊費はチェックアウトの際にまとめて支払うように交渉し、それまでに急迫保護の事務手続を完了させ、保護費を受給できる状態にしておく必要がある。その保護費から受給者本人に宿泊費を支払わせるということになる。
 また、健康診断の結果が出る前にこのホームレスを救護施設に連れて行き、施設の職員から入所にあたっての説明と施設の見学を行う必要もあるだろう。入所にはあくまでホームレス本人の「入所したいという意志」が必要となるので、事前に救護施設を見せることも大切になってくる。
 見学の結果、入所したいということになれば、健康診断の結果が出てから再度施設まで移送されることになる。晴れてホームレスは住居と生活扶助を受けることができるようになる。
 もちろん、スムーズに行くケースばかりではない。中には救護施設の集団生活が嫌だということで生活保護の申請を取下げるホームレスの人もいる。あくまで本人の意志を尊重すべきだとして、「過度の強制」などは避けようとする担当者も少なくない。選択肢として救護施設というものがあるのだが、見合わせるホームレスがいるのは、救護施設の不自由さがあるからだろう。
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2016年02月16日

児童扶養手当でさえ正しく理解されていない

 児童扶養手当の話題がクローズアップされることが多いが、受給資格者にどこまでで正確に伝わっているのか、掘り下げて考える必要がある。
 母性家庭が増加した原因を掴む必要もあるが、母子家庭の総数そのものが扶養対策の予算を軽く超えてしまっている現実がある。その中で、一般的に浸透しているかのようにニュースでもネットでも扱われてはいるが、いつまでも児童扶養手当の話題で同じことを延々と繰り返しているのである。
 これは報道のスタンスが、完全に受給者目線ではなくてその必用のない市民目線で行われているからではないだろうか。実際の役所の担当職員の中には、その周知に奔走されている者も見受けられないこともないが、そこには限界があるようだ。その日の生活にも困る家庭も少なくないということが想像できない人たちに、果たしてTV・新聞やネットでどこまでそのややこしい仕組みを理解するゆとりがあるだろうか。どう報道するのかを真剣に考慮した媒体は圧倒的に少ない。
 児童扶養給付だけの話だけではなく、さまざまな給付・補助制度も、企業が商品を宣伝するようにはいかないとしても、活用できるようにするアピールもほとんどないので、せっかくの施策も生かせていない。
 これらの貧困対策に要する予算は、多くてたかだか年間数億程度にすぎない。国防や経済復興と称しているウン十ウン百億の予算に比べれば、国民の税金の使い道からすれば、出しても痛くない金額だ。今日本に必要な出費は、国民所得の底上げなのではないか。 この底上げや貧困対策に必要な予算は高額ならまだしも、国家予算に比して低予算で組めるなら、何を差し置いても優先するべきではないか。
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2016年02月15日

漫画で描かれる生活保護受給者それぞれの人生

 役所の職員で、生活保護のワーカーほど頻繁に市民の家に上がる職種はない。生活保護の申請では、これまでの経歴や家族関係を聞き出すことになる。1人ひとりの人生と深く関わる仕事なのだ。
 柏木ハルコ『健康で文化的な最低限度の生活』(小学館)にはさまざまな生活保護受給者が登場するが、それぞれの風貌や服装、体型、言葉遣いや表情、そして雑然とした部屋の様子などが、実にリアルに描き出されている。巻末には多くの取材協力者の名前が記されており、ケースの細部にも入念な取材の成果が取り入れられていることが伺える。
 保護費を受け取っていながら働いて得たお金を申告せず使っている「不正受給」。裕福な親族がいるのに生活保護を申請する……。いずれも、報道で伝えられるとネットなどで批判のコメントが書き連ねられる事例だ。
 この漫画には、まさにそういった事例が登場するが、実際に登場人物たちの顔を描き出して綴られるその物語には、異なった印象を持つだろう。
 つつましい暮らしのなか、自分が頑張ってバイトしたお金でギターやCDを買った高校生が、そのバイト代を返還しなければならないと分かったときのショック。高校生が保護制度をきちんと理解していなかったことと、果たしてどこまで責められるか。
 あるいは、追いつめられた生活の中でも、絶対に父親には扶養照会(生活を援助する意志があるか問い合わせること)をしてほしくないという青年の心のなかには、どんな葛藤が隠されているのか──。
 パチンコなどのギャンブルが生活保護法に定められた「健康で文化的な最低限度の生活」に必要かどうか――。
 この作品の主人公は、東京都の東区という架空だがどこにでもありそうな区の区役所に新人として勤務した「義経えみる」。最初の配属で福祉保険部生活課に任命された彼女は、生活保護に関する業務にあたるケースワーカーとして歩み始めることになる。
 役所のケースワーカーとしての仕事は、生活保護申請者との面談や調査、受給者宅の訪問や相談業務など多岐にわたる。着任早々、110世帯分のケースファイルを担当世帯だと言って渡されたえみるは、保護費の複雑なシステムと、何より各家庭の抱えるディープな事情に圧倒される。
 空気が読めないキャラだと自分のことを思っていて、ただでさえ自分に自信のないようにみえるのに、ショックな事態が起こる。電話で「自殺します」と伝えてきた受給者が、本当に自殺してしまったのだ。
 事後処理のためにその受給者の部屋を訪れたえみるは、そこにあった写真や本、整理された書類等を見て、そこに確かに1つの生活があったこと、その人なりに生きる努力をしていたことを知る。だが、このような担当ケースの死はケースワーカーにとっては日常であり、日々乗り越えていかなければならないものなのだ。
 役所の職員で、生活保護のワーカーほど頻繁に市民の家に上がる職種はない。生活保護の申請では、これまでの経歴や家族関係を聞き出すことになる。1人ひとりの人生と深く関わる仕事なのだ。
 登場人物の顔が生き生きと描写されることで、生活保護受給者と一口にいっても、それぞれの人がみな十人十色の背景を抱えている、という当たり前だが忘れられがちなことが、しみじみと伝わってくる。
 いつも悩んでばかりで頼りなげな主人公・えみるも、巻数が進むに従い次第に成長していき、第3巻では真面目で優秀な同僚が聞き出せなかった受給者の悩みをあっさりと打ち明けてもらえる一幕も。生活保護の現状を知るための格好のテキストとも言えるこの作品。これからはどんな問題を俎上に載せてくれるだろうか。
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2016年02月14日

引き下げで進む賃金破壊

 安倍政権は労働者階級全体の「最低限の生活水準」を引き下げ、それをもテコに一層劣悪な非正規・超低賃金労働に駆り立てようとしている。社会保障解体は、20%台への法人税削減や消費税10%化と一体の「1%」の資本家階級の攻撃である。
 生活保護基準の引き下げは重大な攻撃である。保護世帯は「最低生活費」として保障される金額が下がり、受け取る金額が減る。以前なら保護を受けられた世帯が排除されることになる。衣食・水光熱費など生活扶助の基準額が13年8月、14年4月、15年4月に引き下げられた。多くの世帯が数千円から1万数千円の減額となり、消費税8%化がさらに生活を直撃している。越年資金の期末一時扶助も削られ、平均7・3%、最大10%という大幅な減額である。
 昨年7月から住宅扶助の限度額が下げられた。低家賃の住居へ引っ越すよう指導され、新たに生活保護を受ける世帯は、より安い物件を探さなければならなくなった。10月から灯油代など暖房費の冬季加算も減らされた。寒冷地の旭川市、青森市、秋田市などの単身世帯では、昨冬は11月から3月まで月2万2080円の加算だったのが、今冬は10月から4月まで月1万2540円になり、総額で20%の削減である。
 これらの不足分は、命にかかわる出費にしわ寄せされることになる。昨年夏の生活保護受給者や困窮者の熱中症死の多発もけっして偶然ではないのだ。
 14年7月施行の改悪生活保護法で、福祉事務所の調査権限が強化され、扶養義務者や同居の親族の収入・資産も報告を求めることができることになった。扶養義務の強化で、保護の必要な人が保護を申請しない、保護を受けられない事態に追い込まれている。さらにマイナンバー制で全情報を掌握し、社会保障の解体を一気に進めようとしている。
 影響は労働者全体に及ぶことになった。生活保護の収入基準は、住民税の非課税限度額や就学援助などの基準とされ、住民税が非課税か否かは医療、介護、福祉、教育の線引きに使われ、負担減免や給付の対象になっていた世帯が外される。最低賃金も保護基準が参考とされ制動がかかることになってしまった。
 15年4月施行の生活困窮者自立支援法は「福祉から就労へ」を掲げて受給者に就労を義務づけ、雇用者責任や最低賃金、労働法が適用されない有償・無償のボランティア労働を強制しようとしている。労働者全体を「工場法以前」の状態に突き落とすテコにしようとしているのだ。
 「生活保護の人たちは何もしないでお金をもらえていい」「もっと厳しくしろ」といった分断攻撃など成り立たないはずだ。怒らなければならないのではないか。労働者階級全体に対する総非正規職化と貧困、露骨な大衆収奪の攻撃に戦いを挑む必要はないのか。
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2016年02月13日

生活保護の知識, 生活保護を上手に受ける方法

生活保護費は月によって金額が変更となることを知っているだろうか。保護費が1円でも変更となる場合、役所から「保護変更決定通知書」というものが届く。しかし、この通知書は判読の仕方が難しく、一体何が変更したのかが分かりにくいようにできている。また、生活保護費の支給日についても月によって変動する場合がある。支給日の変動がいつ起こるか、支給額がいくら変動するのかを年間を通して理解することは、今後の支出の計画を行う際に役立つ。
1 通常の月の保護費の支給日はいつか
 生活保護の支給日は自治体によって多少の違いはあるが、おおむねどこの自治体も月初に支払いが行われる。口座支給の場合は月初の1日か2日、窓口支給の場合は3〜5日ごろに払われることがほとんど。なぜ口座と窓口の支払日がずれるかというと、窓口払の場合、お金を1つひとつ役所の職員が手作業で封筒に詰める時間が掛かるからだ。
 役所の会計事務は月ごとに帳簿を付けている。その関係から前の月の月末にお金を銀行からおろして封筒に詰めるということができない。お金を扱う事務のため、アルバイトやパートを雇うこともない。職員だけで窓口払の保護費を封筒に詰める。そういったことから、窓口での保護費の支給は月の3〜5日にかけて払われることになる。
 また、口座、窓口ともに支払が土日祝日になることはない。口座の場合、1、2日が土日になる場合、やむを得ず前月末に支払われることもある。
 2 1月と5月は保護費の支給日が変わるため注意が必要
 保護費の支払日が通常の月と変わるのが1月の支給日。また、支給日が変わる可能性が高いのが5月の支給日である。年末年始は、だいたいの役所が12月29日〜1月3日まで休みに入る。そこで、1月の生活保護費は12月25日〜27日の間に支払が行われることになる。28日は予備日。支払に問題があった際の対処にあたる日となる。
 5月の支給日はゴールデンウィークを挟むため支払日が通常より早くなる可能性が高い月。GWはその年によって連休日数が変わるため、支払日も変則的になる。毎年4月にその年の支給日の表が配布されるので1月と5月の支給日は注意して確認しょう。
 3 生活保護費の支給額が必ず変わる月
 生活保護費の支給額がどの世帯も必ず変化する月が年間に4つある。
 @ 4月 A 11月 B 12月 C 1月
 それでは1つずつ説明する。
 3−1 4月はいろんな基準が変わる
 1年で最も支給額の変動要素があるのが4月の保護費。4月は年度の切替月であるため、以下の保護費変動要素に影響がある。
 @ 生活保護基準額の見直しによる基準変更
 A 年齢の変更による生活扶助基準の変動
 B 学校の入学卒業による教育扶助、生業扶助、母子加算、児童養育加算の変更
 C 冬季加算の削除
 全世帯に毎年必ず影響があるのがCの冬季加算の削除。4月の保護費が支給されると、「保護費が減らされた」という苦情の電話が殺到するそうだ。11月から3月の冬季期間の間にしかつかない冬季加算が、全世帯いっせいに削除されるため保護費が目減りしたように見えることが原因である。保護費が減額したと言うよりも、冬季に限り増額されていた加算がなくなり、4月は通常の保護費に戻ったと解釈するべきである。
 3−2 11月の保護費支給額の変更
 4月に冬季加算が削除されるということは、加算される月もあるはず。それが11月である。冬季加算は11月〜3月の間に加算される。11月に「保護費が増えた」という喜びの電話は一切ない。増える分は気づかれないことが多いのだが、減額するときは生活が掛かっているためシビアなのだ。
 3−3 12月の保護費支給額は大幅に増額
 12月は期末一時扶助という越年資金が支給されるため、1年間で最も保護費が多くなる。こちらについては1月に支給されると勘違いされる方も多いが、期末一時扶助の支給月は12月の保護費である。
 3−4 1月は保護費が減額されたように感じるため注意!
 1月の保護費は1万円以上の金額が減額となるため、1月から基準が変わったのかと勘違いする方も多くいる。しかし、これは単純に12月だけに支給される期末一時扶助がなくなったことが原因。期末一時扶助は12月だけにしか支給されない。1月は4月に次いで「保護費が減額された」という苦情が多発する月。ケースワーカーも忙しいので勘違いでクレームをすることは避けることが賢明。
 また、12月初めに、12月分保護費が支払われ、12月末ごろに1月分が支給されるため、生活費の使い方には注意が必要。年末になって、今月はなんだか手持のお金が多いと勘違いして散在する方がいるようだ。お金が増えたわけではなく、支給される日が早まっただけなのだ。このことを忘れると2月分の保護費支給までの間にひもじい思いをすることになる。
生活保護費は年間で支給日も違えば支給額も変動する。このことをおさえておくことで、家計の管理を効率的に進めることができる。ぜひ支出管理に役立てて欲しい。
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2016年02月12日

止まらない格差拡大―原因と対処方法は?

 各方面から警鐘が鳴らされる格差―その進行は急速にそして確実に進んでいる。現在、世界で最も裕福なわずか62人が世界の貧しい半分(36億人)の総資産に匹敵する資産を所有するに至っている。
 オックスファムは、1月20日よりスイスのダボスで開催される世界経済フォーラム(通称ダボス会議)に先駆けて格差に関する最新の報告書「最も豊かな1%のための経済(An Economy for the 1%)(2016)」を発表した。
 先般、世界の上位1%が残り99%より多くの富を所有することが明らかになった(Credit Suisse (2015) 'Global Wealth Databook 2015')。オックスファムの発表した最新の報告書では、世界で最も裕福な62人が世界の貧しい半分の36億人の総資産に匹敵する資産を所有するに至ったことを指摘している。この62人という数字がわずか5年前には388人、2年前には85人だったということ(オックスファム報告書「少数の利益のために―政治権力と経済格差(Working for the Few; Political Capture and Economic Inequality)(2014)」)が事態の深刻さを示している。
 世界の貧しい半分の人々の総資産額は、2010年と比較して1兆ドル、41%も減少した。同時期に世界人口が4億人増加しているにもかかわらず…。一方で、世界の最も裕福な62人の資産は、5000億ドル以上増加し、1.76兆ドルに。男女の格差も顕著で、世界で最も裕福な62人のうち男性は53人。女性は9人に過ぎない。
 各国首脳、世界銀行やIMFなどの国際機関が格差に取り組むことの必要性について相次いで訴える中、昨年9月には国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」の一環としても、格差の課題に取り組むことが合意された。
 しかし、この1年間で格差は縮まるどころか広がり、昨年のダボス会議に先駆けて発表されたオックスファム報告書「富:飽き足らない所有への欲望 (Wealth: Having It All and Wanting More)(2015)」で予見された「世界の1%が残り99%より多くの富を所有する」という現実は、オックスファムの予想よりも1年早い、2015年に実現してしまった。
 極度の格差は、貧困を克服するためのここ四半世紀の取り組みを無駄にしてしまう可能性がある。世界の貧困問題に取り組んできたオックスファムは、深刻化する格差は喫緊の課題だと考える。
 最優先事項として、裕福な個人や大企業が租税回避のために活用するタックスヘイブンの問題に対処しなければならない。租税回避により、世界の富裕層や多国籍企業は、社会が機能するための大前提である納税義務を果たさないのだ。各国政府は、税収入の減少により、貧困、そして格差の問題に対処するための重要な財源を失っている。
 2015年、G20各国政府は、BEPS行動計画(税源浸食と利益移転行動計画)の合意を通じて多国籍企業の租税回避の問題に取り組むことに合意した。しかし、その合意内容は、タックスヘイブンの課題にはほぼ触れていない。世界的に見て、タックスヘイブンの口座に預けられている個人資産は、約7.6兆ドルと言われている。この資産に対して本来支払われるべき税金が各国政府に納められた場合に追加的に捻出される税収入は毎年1900億ドルにのぼる。
 アフリカの金融資産30%はタックスヘイブンに置かれていると予測され、このことによって毎年140億ドルの税収入が失われている。140億ドルの財政予算があれば、母子保健の充実などを通して年間400万人の子供の命を救うことができるばかりか、アフリカのすべての子供たちが学校に通うために必要な教員を雇用することができる。
 ダボス会議の企業パートナーである10社のうち9社が少なくとも1つのタックスヘイブンに登記されている。多国籍企業による租税回避による途上国に対する損失は最低でも年間1000億ドル以上ある。2000年から2014年にかけてタックスヘイブンに対する企業投資はおおよそ4倍になったのだ。
 昨年9月に合意された国連の「持続可能な開発目標」を達成し、2030年までに極度の貧困をなくすためには、各国政府が企業と個人を問わず、富裕層からしっかりと税収入を得ることが不可欠。極度の貧困に暮らす人々の数は1990年から2010年にかけて半分になったものの、過去25年間で最も貧しい10%の人々の収入は年間3ドルも増加していない。
 これは、各個人の収入が年間1セントも増加していないということである。1990年から2010年までの間、各国の格差が広がっていなければ、貧困を抜け出すことのできた人の数は2億人多かったはずなのだ。
 ほぼすべての先進国、そして大半の途上国に見られる格差拡大の背景にある傾向の1つが、労働賃金が国民所得に占める割合の低下である。これに加えて、所得規模における格差拡大も傾向として見られる。所得格差の拡大、そしてタックスヘイブンの活用が、経済における富と権力の集中を促している。
 日本も決して例外ではない。フィナンシャル・タイムズでも、経済論説主幹のマーチン・ウルフ氏が、日本の場合、GDPに占める労働賃金・世帯収入の割合が極端に低く、一方でGDPに占める企業収益が大きいことを指摘している。経済の活性化のためには、賃金を上げること、もしくは法人税を上げることが必要だという議論へとつながる。また、日本は、管理職における女性の割合の低さ、そして男女の賃金格差の大きさが、先進国の中で際立っているのが実態なのだ。
 オックスファムは、拡大する格差への対処として3つの柱を提唱している。1つ目がタックスヘイブンに代表される租税回避の問題への対処。2つ目は、貧しい人々の生活に大きな利益をもたらす保健や教育などの必須社会サービスへの投資にこそ税収入が向けられなければならないという途上国内の政策における対処。そして3つ目は、各国政府は、しかるべき賃金が裕福な人々に対してだけでなく、貧しい人々に対してもきちんと支払われるようにしなければならないということ。最低賃金を生活賃金の水準に引き上げ、男女間の賃金格差にも取り組まなければならないのだ。
 ほんの一握りの人々が独占する極度の富は、病める世界経済の表れなのである。一部の富裕層に集中した富は、世界の過半数の人々、そして特に最も貧しい人々の犠牲の上に成り立っているのだ。
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2016年02月11日

いかにして富が世界に貧困をもたらすのか?

 なぜ過去半世紀にわたり世界全域で、貧困諸国に対する企業投資や対外援助や国際融資が劇的に拡大したのと同時に、貧困も拡大したのか。貧しい生活を送る人々の数は世界人口よりも早い割合で増大している。これをどう解釈すればいいのであろうか。
 過去半世紀にわたり、米国の諸産業や諸銀行(および他の西洋の諸企業)は、「第三世界」として知られるアジア、アフリカやラテン・アメリカのより貧しい地域に大量に投資してきた。多国籍企業を引き付けているのは、豊富な天然資源や、低賃金労働から生じる高利益率であり、また税、環境規制、労働手当や労働安全関連経費のほぼ完全な欠如である。
 米国政府は諸企業の対外投資に対する税を免除し、移転経費の一部の支払を受け持ちさえすることによって、この資本逃避に助成金を支給してきた――ここ本国で職が消失するのを目の当たりにしている労働組合の激怒をまえに。
 多国籍企業は第三世界で地元商業を排除し、彼らの市場を先に専有する。米国納税者によって大量に助成された米国の複数の農業関連産業カルテルは、他の諸国で余剰生産物を原価以下で投げ売りし、地元農業経営者よりも安値で販売する。クリストファー・クックが『Diet for a Dead Planet〔死の惑星の食〕』で記述しているように、彼らはそれらの諸国で輸出用換金作物のために最良の土地を買い上げる。通例それは大量の殺虫剤を要する単一栽培作物であり、地元人口に食糧供給する数百種の有機栽培された食糧のための面積が次第に減少していく。
 地元住民を彼らの土地から強制退去させ、彼らの自給自足能力を奪うことによって、諸企業は絶望した人で溢れた労働市場を創出する。彼らは貧民地区に押しやられ、(職を手にすることができたときには)乏しい賃金のため骨身を削って働き、多くの場合それはその国自体の最低賃金法に違反している。
 例えばハイチでは、ディズニー、ウォルマートやJCペニーといった巨大企業によって労働者に支払われるのは時給11セントである。米国は、児童労働や強制労働の廃止のための国際協定に調印することを拒絶してきた数少ない国の1つである。この立場は、第三世界全域や米国国内自体における米国企業による児童労働の実施に由来している。そういった場所で最低年齢12歳の子供を含む児童たちが高い死傷率を被り、多くの場合最低賃金よりも低い支払を受けている。
 大企業が海外の低賃金労働から得る黒字が、他の地域の消費者に低価格として転換されることはない。企業は米国の消費者が節約できるようにするために遠隔の地域に外部委託するのではない。彼らが外部委託するのは、彼らの利ざやを拡大させるためである。1990年にインドネシアの児童らが1日12時間労働、時給13セントで作った靴の原価はわずか2ドル60セントであったのにもかかわらず、米国では100ドルあるいはそれ以上で販売された。
 米国の対外援助は通例多国籍投資との緊密な提携で行われる。それは第三世界で企業が必要とする基幹施設の建設に助成金を支給する。つまり港や幹線道路、そして精製所である。第三世界の政府に対する援助はひも付きである。それはしばしば米国製品に費やさなければならず、被援助国は米国企業に投資優遇措置を与えることが要求される。消費を国産の商品や食糧から輸入品へと変化させることで、更なる依存状態、飢餓や負債の原因となる。かなりの額の援助金が日の目を見ることはなく、被援助諸国の盗癖のある当局者たちのふところへと直接流れていく。
 援助(の一形態)には他の出所もある。1944年に国際連合〔UN〕は世界銀行と国際通貨基金(IMF)を設立した。両機関の議決権は各国の資金的貢献に応じて定められる。最大の「供与国」として、米国は最も有力な発言権を有しており、それに続くのはドイツ、日本、フランス、そして英国である。IMFは主に富める諸国から選抜された銀行家や財務省庁関係者のごく限られた集団によって内密に運営される。
 世界銀行とIMFは諸国の発展に手を貸すことになっている。実際に起きることはまた別の話である。自らの経済を強化するべく貧しい国は世界銀行から借り入れる。輸出売上高の下落や他の理由により、高い利子を返済できなかった場合、それは再び借り入れなければならない。
 だがIMFは「構造調整計画」(SAP)を強い、債務国が多国籍企業に税制上の優遇措置を承諾するよう要請し、賃金を低減させ、また外国の輸出や外国の乗っ取りから地元の企業を保護しようと試みることはない。債務国は国営の鉱山、鉄道や公共事業を民間企業に法外な安値で売却することで、自国の経済を民営化するよう圧力をかけられる。
 彼らが余儀なくされることは、それに伴う環境破壊に配慮せず、彼らの森林を皆伐に、彼らの土地を露天採鉱に開放することである。債務国はさらに保健、教育、交通機関や食糧に対する補助金を縮小しなければならない。債務返済を満たす更なる資金を手にするべく、国民に対する支出はより少なくなる。輸出所得のために換金作物を産出することを余儀なくされ、彼らは自らの国民にさらに食糧供給できなくなる。
 こうして第三世界全域で、実質賃金は低下したのであり、国の借金は、その貧しい国の輸出所得のほぼすべてが債務返済に吸い上げられる段階にまで急増した――このことが債務国が自国民の必要とするものをさらに提供できなくするゆえに、さらなる貧困をもたらす。
 これで「ミステリー」の説明がなされた。 当然ながら、煙に巻くようなトリクルダウンに追随していなければまったくミステリーではない〔トリクルダウン理論(trickle down theory)に対する言及。「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が浸透(トリクルダウン)するという経済理論」)〕。なぜ対外援助や融資や投資が増大したのと同時に貧困が深まったのか。答えは、貸付金、投資やほとんどすべての形態の援助は、貧困を克服するためではなく、地元人口を犠牲にして多国籍投資家達の富を増大させるよう設計されているからである。そこにはトリクルダウンなどなく、唯一骨身を削って働く多数から、金持ちの少数への吸い上げがあるのみである。
 果てしなく困惑した一部のリベラルな評論家らは、対外援助、IMFや世界銀行構造調整は「機能しない」と結論する。その最終的な結果は被援助国にとっての自給自足能力のさらなる衰えや貧困の拡大である、と彼らは指摘する。そうであるならば、なぜ裕福な加盟諸国はIMFや世界銀行に対する資金提供を持続させるのか。これらの政策には正反対の影響がある、と指摘し続ける評論家よりもわずかに知的でない指導者らがいるということなのか。そうではなく、評論家らこそが愚鈍なのである。世界の大部分を所有し、これ程莫大な富と成功を享受する西欧の指導者や投資家がそうなのではない。彼らが援助や対外融資計画を推し進めるのは、そのような計画が機能するからである。問題は誰にとって機能するのかである。誰が得をするのか。
 彼らの投資、融資や援助計画の真の目的は他の諸国の大衆を高めることではない。明らかにそれは彼らが関わっている事柄ではない。その目的は、世界的な資本蓄積の利権に奉仕し、第三世界の人々の土地や地元経済を乗っ取り、彼らの市場を独占し、彼らの賃金を下落させ、彼らの労働を莫大な負債に縛りつけ、彼らの公共サービス部門を民営化することであり、そして彼らに正常な発展を許さないことでそれらの諸国が貿易競争相手として現れるのを妨げることである。
 こういった点からみれば、投資、対外融資や構造調整は、まったくもってうまく機能するのである。
 本当のミステリーは、なぜ一部のものたちはこのような分析がまゆつば物であり、「陰謀的な」想像の産物であると見なすのか、である。なぜ米国の支配者たちが故意に、また意図的にそういった無情な政策(賃金の削減、環境保護の後退、公共部門の排除、福祉事業の縮小)を第三世界で実行するということに彼らは懐疑的なのか。これらの支配者たちはほぼ同じ政策を、ここ私たち自身の国で実行しているではないか。
 世界の大部分を所有し――そのすべての所有を欲する――人々が、「無能」あるいは「見当違い」または「彼らの政策の予想外の帰結を理解できていない」と考えるのをリベラルな評論家らは止める頃合いではないだろうか。自らの敵が自分よりも賢くないと見なすことはあまり賢いことではない。彼らはどこに彼らの利権があるのかを承知しているのであり、私たちもそれを知るべきである。
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2016年02月10日

働く人の貧困と孤立、それをどう克服するか?

 現代の日本、とくに若い世代を覆っている労働と貧困の問題とどのように向き合うのか。 なぜ非正規の働き方は、生活が成り立たないほど、低賃金に置かれてしまうのか。職業安定法の第44条で禁止された「労働者供給事業」の問題とかかわってくる。
 労働者派遣法については、抜本的な改正が必要である。もともと派遣事業は、人材供給をしてその給料の一部をピンはねして、利益を得るというのは、戦後の一時期、暴力団の資金源となっていた。ピンはねとは給料の一割をハネる、ということらしい。ところが今の派遣業は、給料の3〜4割を手数料でとっている。
 ヨーロッパにも派遣労働はある。しかし、ヨーロッパでは派遣という働き方が解雇されやすいなどでリスクが高いから正社員よりも派遣労働のほうが賃金は高い。だから、ヨーロッパでは企業にとって派遣を雇うメりットがあまりないので大きく広がらない。ところが日本の場合は、賃金が低い上にいつでもクビを切れるわけなので、企業にとってこんなに便利なものはない。そこで、どんどんと正社員から派遣に企業は置き換えるわけである。
 そこで、どういう派遣法の抜本改正が必要なのか。
 派遣では3年間雇ったら、直接雇用の義務が生じるが、脱法的に、3年の直前で、請負に切り替え、偽装請負にする、また派遣に戻すことをする。 これを防ぐ上で、『みなし雇用』と言って、派遣先に直接の雇用責任を負うようにしなければならないのだ。また派遣会社の取り分のマージン率の規制も必要である。それから派遣労働者が、派遣先の会社の条件について、団体交渉する権利を認めるべきなのだ。
 日本の企業は派遣労働を規制すると海外に企業が出て行かざるをえないとか、失業者が増えるとか言うが、企業側は、これまでサラ金被害者対策でも同じようなブラフ(脅し)をかけてきた。ヨーロッパ諸国はそれできちんとやっているわけなので勝手な言い分であるのだ。こうした一部の経済界の言い方を許さず、このところの経済政策の失敗から学び、新しい方向をめざすべきなのだ。
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2016年02月09日

生活保護のあるべき姿とは…?

 現状の生活保護は身体的に健康な最低限度の生活を送れる水準にはあるのだろうか。あるとしても、精神的に健康で文化的な最低限度の生活を送れる水準にあるかどうかは怪しいものだ。文化的な生活がどのレベルを指すのかについては多くの意見があり、中には贅沢だと思う人もいるかもしれない。
 生活保護は非難されることが多い。生活保護の不正受給や生活保護ビジネスなどの不正は確かに存在するが、不正受給は、件数ベースで全体の2%に満たないし、金額ベースで全体の0.4%でしかないのだ、全体から見れば極わずかな割合である(もちろんすべてが露見しているわけではないが)。全体を見れば、生活保護を必要とする世帯に保護の手が行き渡らず、受給世帯においてさえ十分な給付が行われているとは言いがたい現状がある。少数の不正受給への対策のために、現物支給に変えるといった手法は、大多数の善良な受給者の自由度を著しく毀損することになりかねず、安易に導入されるべきではないのである。
 財源は無限ではないということで、給付額の急増により制度の持続可能性が危うくなっていると喧伝され続けている。それが、そもそもすべての人に健康で文化的な生活を保証することなど不可能なのかもしれないという諦めを生み出している。だが、子供はこの国の未来を担う存在である。 少なくとも子供たちが健やかに生活できる環境が担保される制度が必要になる。政治家にそれを望むことができるだろうか。
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2016年02月08日

「下流老人」が日本経済の隠れたリスク? 「下流老人」が日本経済の隠れたリスク? 何が現在の貧困をもたらしたのか?

 最新のデータによると、日本は80歳以上の人口が1千万人を突破した。高齢化の加速、財政困難などさまざまな要因により、日本の社会福祉予算は困難な状況に陥っている。日本でベストセラーになった「下流老人」と題する本の副題は「一億総老後崩壊の衝撃」だ。筆者によると、日本には身寄りのない高齢者が600万人おり、その半分が生活保護レベルの暮らしをしている。こうした状況が続けば、高齢者の9割が「下流老人」になるという。
 実際、日本の貧困問題は高齢者にとどまらない。日本政府が発表した最新の調査結果によると、人口の約16%が相対的貧困の状態にあり、1985年以降で最悪の数字となった。相対的貧困とは、一般的な生活水準を達成できず、日常生活が苦しい状態を指し、具体的には次のような状況がみられる。
@ 所得格差が拡大し続け、底辺の20%の世帯の収入が日本の収入全体の0.2%にとどまり、富裕な12%の世帯の収入は全体の37%に達する
A 低所得世帯が増加を続け、半数近い世帯が年収400万円(約20万元)に届かない
B 低所得層が拡大を続け、年収200万円(約10万元)以下の人が1069万人に達する
C 非正規雇用の労働者が2千万人を突破し、労働者全体に占める割合が4割に迫る
失業が貧困を招く直接的な原因だというなら、政策の誤りは貧困の根源だ。日本は85年に「労働者派遣法」をうち出し、これにより非正規労働者が増加した。表面的にみれば、日本の失業率は下降線をたどるが、実際には労働力市場の構造が変化し、大量の非正規雇用が生まれた。低賃金と低保障に甘んじ、いつクビを切られるかわからない潜在的な失業の可能性が増大している。
この法律は何度かの改訂を経て、今ではほぼすべての産業の派遣労働者が対象になった。これと同時に、日本政府は最低賃金の基準が上昇しない状況を放任している。欧州では標準的労働者の賃金の40%が最低ラインだが、日本はわずか28%だ。また税金や社会保障などの再分配も十分に効果を上げているとはいえず、貧困問題の持続的な悪化を招いている。
日本は安倍晋三首相の再登場以来、一連の改革措置が推し進められ、弱り切った経済の梃入れが行われたが、貧困と貧困による影響は無視された。量的緩和政策が株式市場を活性化し、円安をもたらしたが、これと同時に債務危機の警鐘もうち鳴らされた。
現在、日本が抱える負債は国民1人当たり811万円に上る。安倍首相は経済成長戦略の中で、消費税を引き上げながら法人税を引き下げ、これにより貧しい者はますます貧しくなっている。
 ここ3年の間に、安倍首相は次々に「アベノミクスの矢」を放ったが、日本経済の回復は遅々として進まない。回復のカギはやはり内需の不振にあり、貧困にその問題点が如実に現れているといえる。
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2016年02月07日

こんな恐ろしい時代に、私たちは生きている

ごく普通の庶民が貧困に落ちていくという現象は、今の政治が悪いからそうなっているのではない。政治が悪くてそうなっているのであれば、逆に救いがある。政治を変えればいいからである。政治ではない。私たちが生きている「資本主義」が昔とは性質が違ってしまったのだ。
 社会がグローバル化し、企業間の競争が激しくなり、さらに大企業が次々と小さな企業を飲み込み、大株主が配当や株価上昇を経営者に強く求めるようになった。その結果、ほぼすべての企業経営者はROE(株主資本利益率)の最大化を目指すようになった。会社の利益のために内部留保を確保し、配当を増やし、株価を上げることが重要になり、利益の確保のためにコストのかかる従業員は切り捨てるようになっていった。
 現在の企業が目指しているのは、いかにコストを削減して利益を上げるかという「雇用を排除する経営」なのだ(今、世界で起きているのは雇用を排除するイノベーションだ )。 企業が赤字でも黒字でも人員整理をするようになっているのは、人間はコストであり、コストは削減するものであり、それによって利益が最大化できるからである。
 こうした最大化された企業の利益は、株主と経営者が総取りするようになる。それでも余った金は労働者に配分されるのではなく、会社に内部留保されるのだ。労働者には回らない。単に最低賃金だけ支払うだけであり、それも惜しいので常にリストラを行う。
 だから、ごく普通に生きている人々が次々と貧困に落ちているわけである。資本主義が強者総取りの弱肉強食型に変化して、労働者は全員「コスト」と見なされて削減される世の中になっているのだ。
 そんな中で、コスト扱いされ、安い給料でこき使われ、挙げ句の果てに使い捨てされる労働者が社会に満ち溢れていく。国も膨れ上がっていく貧困層にお手上げになり、福祉も年金も削減していくようになる。普通の労働者がワーキング・プアとなり、シングルマザーが貧困化し、子供も一緒に貧しくなり、高齢者もまた救いのない困窮に苦しむようになる。
 こうした流れはゆっくりと確実に動いている。格差が広がり、貧困が深刻化していく流れは止まらない。そんな恐ろしい時代に私たちは生きている。コスト扱いされ、安い給料でこき使われ、挙げ句の果てに使い捨てされる労働者が社会に満ち溢れていく。そして、最後に社会全体が貧困に落ちていく。
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2016年02月06日

団塊の世代もまた高齢化して貧困に転がり落ちる

 厳しい現実があるにもかかわらず、団塊の世代は年金をもらって自分たちは逃げ切れたと安堵していた。しかし、国の借金は1057兆円も膨れ上がり(これはウソなのだが…)、内需が萎むと警告されているのに政府も消費税を8%にするという暴挙に走って、返す刀で社会福祉や年金の削減を行っている。
 インフレと年金の削減は、年金にすがるしかない高齢者の老後を直撃する。そして、多くの「誤算」が年金をもらう世帯に襲いかかって、場合によっては高齢者の9割は貧困化するのではないかとも言われている。
  高齢者に貧困が襲いかかるのは、「インフレがやって来て物価が上がり年金の受け取りが減る」という経済学的な要因からだけでなく、現実はもっと泥臭い「誤算」が起きている。高齢層になれば、病気や事故で身体がだんだん言うことを効かなくなる。自分が病気になったり、妻が病気になったりすると、想定しなかったほどの高額な医療費がかかってくる。
 さらに、離婚問題は高齢層も抱えている。いわゆる熟年離婚というものだが、夫婦から個人になれば、2人で助け合っていたものが1人で何もかもしなければならなくなる。そんな中で病気になったり、認知症になったりすると、目も当てられない。高齢になって離婚されるというのは、想像だにしない男もいる。そんな男が離婚を突きつけられて愕然とする。そして子供が高齢化した自分を助けてくれるとは限らない。そもそも、子供が日本の貧困社会の直撃を受けているので、引きこもりやニートになって年金生活をする親に頼りかかる。
  家に引きこもって社会生活が不可能になったニートや引きこもりはすでに「中年化」しており、ニート問題は若年層の問題ではなくなった。そんな中年化した引きこもりの子供を、年金生活に入った親が面倒を見る。親にしてみれば想定外としか言いようがないだろう。こういった誤算の数々が高齢者を襲いかかり、老いて貧困に転がり落ちていく。
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2016年02月05日

貧困の子供たちは就学にも苦しんでさらに貧困化

 子供の貧困は実態よりも酷いのではないかとも言われている。なぜなら子供の貧困を発見するのに「就学援助を受けている子供」を対象にしているのだが、ひどく生活が切迫しているにも関わらず、就学援助を受けない貧困家庭もいるからだ。こうした家庭では食事の回数を減らしたり、子供の病気や治療、たとえば虫歯などを放置させたりしているわけで、子供の発育や健康にしわ寄せがいく。
 さらにこうした家庭では子供を塾に通わせたりする余裕もないので、学力の低下も余儀なくされる。また、義務教育が終わった後の進学も資金がなかったりするので、低学歴になりやすく、それが貧困の固定化となる。中学校卒業、高校卒業の子供たちはそもそも就職も難しくなっており、さらに就職ができたとしても賃金で大学卒業と区別が付けられている。それでも正社員としてどこかの会社に潜り込めれば幸せなことで、その多くは派遣労働者や契約社員として「使い捨て」にされる可能性のほうが高い。
 それでは大学を卒業して正社員になった人間が勝ち組で将来は安定なのかと言えば、まったくそうでもなく、すでに多くの企業は終身雇用も年功序列も捨て去って、業績が悪くなればリストラで調整するようになっている。だから、正社員であっても、会社が傾けばどこかのタイミングで捨てられることになる。
 グローバル化が突き進んだ2000年代から、「正社員も危険な社会になる」とさんざん言われて来たが、当時のサラリーマンはそのほとんどが危機感がなく、まさか自分たちが会社からリストラされるような時代が来るとは想像すらもしなかった。だから、派遣社員の人間を見て、自分たちは特別で勝ち組であるという意識さえ持つ人間もいた。今は正社員だから勝ち組などと思っているおめでたい人間は1人もいない。
日本を代表する企業、たとえば東芝やソニーやパナソニックや日立やシャープであっても、いったん凋落したら凄まじいリストラの嵐が吹き荒れて従業員が放り出されるのを目撃することになる。
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2016年02月04日

生活保護改革 自立ができる支援こそ

 生活保護受給者が217万人を超えた。政府は保護制度を「最大限の効率化」のやり玉に挙げ、保護費を削ったが、受給者が自立できる支援こそが求められているはずだ。
 「自分の子のドラえもんの貯金箱まで資産として調べられた」
 元受給者の女性は、生活保護を申請した際、行政担当者の心ない資産調査に心を傷つけられた。女性は母子家庭で体調を崩し働けなくなっていた。このような行政の対応を受けても、多くの受給者は制度に頼らざるを得ないほど困窮している。
 厚生労働省によると、不正受給は年間約3兆7000億円の保護費の約0.4%である。だが、タレントの母親の受給問題などを盾にとって、受給者へのバッシングが広がった。
 こうした風潮を利用するように政府は保護費の効率化、つまり削減を表明した。厚労省は5年に一度の給付額の見直しを行い、大幅な削減を行った。
 不正な受給は厳しく監視し、失くすことは当然である。保護費全体の約半分を占める医療費も、安価な医薬品を使ってもらったり、不必要な受診を抑えたりするなどの効率化は行うべきだ。
 だが、保護費を引き下げるだけでは生活に困窮している人をさらに追い詰める。削減となれば自治体は窓口で申請させない水際作戦をまた強化しかねない。
 今問題なのは雇用の悪化や非正規雇用の広がりで、「働きたくても働けずに困っている」現役世代の受給者の増加だ。高齢や病気でなく働ける人が約50万人いると推計されている。就労への支援が最も求められている。
 政府は「生活支援戦略」に取り組むとしている。NPOなどの民間の力を借りて、早い段階から困窮者を見つけて相談や就労支援、住宅探し、困窮者の子どもたちの学習支援など伴走するように付き添う自立支援だというが、果たして効果はいかほどのものか。
 民間の協力の輪をどう広げるか、財源はどうするか、何より雇用情勢がよくならないと職場が増えないなど課題は数多くある。
 若い世代が生活保護に至る前に自立を支える。保護を受けても時間を置かずにまた就労して自立できる。そのような困窮から抜け出せる制度にしなければならないはずだ。
 根気強く伴走する人材を増やし、重層的な安全網をつくるしかないはずだ。保護費でなく受給者を減らす支援に、政府は本腰を入れて取り組むべきだ。
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2016年02月03日

生活保護見直し―自活支援戦略は歓迎できるか?

 生活保護制度の見直しを柱とする「生活支援戦略」を厚生労働省が打ち出した。不正受給に対しては厳罰化で臨む一方、働く意欲のある人に自活を促す。膨らみ続ける生活保護費を抑制するための「両面作戦」といえる内容である。もちろん不正がはびこってはならない。だが生活保護費の「適正化」を求めるあまり、真に救われるべき人の排除につながっては元も子もない。来年度の予算編成に向け、厚労省は年末までに最終案をまとめるというが、拙速は避けてもらいたい。
 厚労省によると、生活困窮者のうち就労可能とされる人は約30万人に上ると主張する。 戦略のポイントの1つは、こうした人の働く意欲をかきたて自活につなげるかである。具体的には、ただちに企業で働くのが難しい場合、社会福祉法人やNPOが用意する職場体験や軽作業を体験してもらう。本格的に働く前の「中間的就労」との位置付けである。就職活動に励む受給者には保護費を上乗せ給付する。さらに受給者が働いて得た収入の一部を仮想的に積み立て、生活保護から脱却した時点でまとめて支給することも検討するという。
 働ける間は働くよう、周囲が支える方向性はうなずける。とはいえ、この不況下では社会的弱者の就労は一層厳しい。受け入れ企業への支援充実など別の観点も含めた総合的な雇用対策が不可欠ではないか。
 戦略のもう1つの側面である不正対策では、不正受給に対する罰則を引き上げ、制裁金の導入も検討するとされる。受給者らの所得を自治体が把握しやすくするため、照会があれば税務署は回答を義務付けられる。福祉事務所は健康診断の結果も入手できるようになる。気になるのは、受給者の親族が「扶養は困難」とする際に、その理由を自治体に説明する義務が生じる点である。親族で助け合うのが望ましいとしても、迷惑を掛けたくない人も多い。生活保護の申請をためらうケースが増えはしないだろうか。配偶者間の暴力から逃げ惑う被害者も、住所を知られたくない場合が少なくない。
 今回の生活支援戦略とは別に、厚労省は生活保護水準を見直す検討を行う。だが「切り下げありき」では酷過ぎはしないか。生活保護の利用資格がある人のうち、受け取っていない「漏給層」が7〜8割程度に上るとの推測データもあるからだ。救うべき人を放置したまま支給水準を切り下げれば、日本弁護士連合会も危惧するように、際限のない引き下げにつながりかねない。
 生活保護の水準は最低賃金をはじめ、地方税の非課税基準や介護保険の保険料区分、困窮家庭への就学援助などとも連動している。その見直しは多方面に影響し、それこそ社会保障の根幹にかかわってくる。生活保護は「最後のセーフティーネット」である。公正で持続可能な制度の構築に向け、あらゆる角度から検討を尽くすべきだ。
 貧富の格差は拡大し、雇用環境の改善が遅れる日本社会―生活保護の見直しだけでは根本的な解決に程遠いことも、忘れるわけにはいかない。
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2016年02月02日

生活保護の改悪― 新たな締め出しは許してはいけない!

 厚生労働省が生活保護制度の大幅改悪を行った。家族の扶養義務を強めるなど生活保護から国民を締め出す仕組みを盛り込んでしまった。「健康で文化的な最低限度の生活」を全国民に保障した日本国憲法に基づく生活保護制度の理念を覆すものでしかない。国民の生きる権利を破壊する大改悪は絶対に許されないことである。
 厚労省は、生活保護受給者を扶養できないと答えた家族などに、福祉事務所の判断によって「扶養が困難な理由」を説明する責務を負わせる仕組みをつくった。有名芸能人の親が生活保護を受給していた特殊な事例を、まるで制度そのものの問題のように攻撃した自民党議員や一部マスメディアの動きにあわせたものである。
 親子や兄弟姉妹などによる扶養の有無は生活保護を受ける要件ではないのだが、従来も保護申請時に福祉事務所から扶養義務者へ問い合わせがあり、家族に知られることを恐れて、申請を辞退する人が少なくなかった。扶養義務者に「説明責任」まで強いることは家族との関係をさらにこじれさせることになってしまった。それを避けたい生活困窮者をますます生活保護制度から遠ざけるやり方なのである。多くの国民から「扶養義務強化」に批判が上がっていたにもかかわらず改悪をしてしまった厚労省の姿勢は重大である。
 受給できた人にも、「働ける」と判断された場合には保護開始直後から「早期脱却」に向けた計画づくりが求められるのだ。3〜6ヵ月で就職ができない場合は、希望しない職種や就職場所への変更まで要求される。本人の事情を無視した低賃金・重労働の仕事や無理な転居などが強要される。受給者に「健康管理」の責務を負わせるほか、生活費などの領収書保存や家計簿作成をさせて福祉事務所が掌握・管理するという“強権的手法”もとられることになった。人間としての尊厳を奪い、人権を侵害する異常な方法だといえる。
 生活保護を受給する人たちのなかで「働くことができる」といわれる人たちは、働きたくても大企業の人員削減やリストラで職場を追われたり、過酷な労働で心身ともに疲弊して健康が破壊され仕事ができなくなった人たちが大多数なのだ。その人たちに対して“力づく”で「就労・自立」を迫ることは、逆効果しか生まない。「中間的就労の場」という就労支援策も生活保護からの排除と連動させることは許されない。
 生活保護受給者が210万人を超えたのは経済状況の悪化と、そのもとで人減らし・リストラをすすめてきた政府・大企業の責任である。働く場を奪っておいて、「就労」を強い、不熱心だから保護を厳しくするというのは本末転倒ではないだろうか。
 欧州諸国の5〜9%と比べて1.6%の生活保護利用率しかないなど必要な人が利用できていない深刻な現状の打開こそ急務ではないか。生活保護からの「締め出し」は貧困による孤独死・孤立死を続発させる危険がある。
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2016年02月01日

生活保護―必要な人を排除せぬように!

 厚生労働省が生活保護制度を見直すためのたたき台を示した。就業意欲のある人への上乗せ給付など就労支援を盛り込む一方、受給者を扶養できないとする親族に説明義務を課すなど厳しい引き締め策を打ち出したのが特徴だ。
 過去最多の更新が続く生活保護に「アメ」と「ムチ」両面で臨み、保護費抑制につなげる狙いだが「最後のセーフティーネット」としての役割を後退させてはならない。
 厚労省は不正受給への厳罰化と自立を後押しする施策をセットにした「生活支援戦略」をまとめ、来年の法制化を目指す考えだ。
 不正受給対策では、発覚した場合の返還金に一定の制裁金を上乗せする案を提起した。保護費の目的外使用を防ぐため、自治体が本人に代わって家賃を家主に納める「代理納付」も進めるという。
 不正受給に目を光らせることは必要だが、気がかりは扶養義務のある親族が扶養を断った場合に、説明する義務を課したことだ。
 親族に迷惑をかけたくないという意識が働き、自ら申請しないケースが増えないか。夫の暴力から逃げている妻が夫には連絡してもらいたくないとの理由で保護申請をためらうことも予想される。機械的な運用は避けるべきだろう。
 08年秋のリーマン・ショック後は派遣などの非正規労働者が職を失い、生活保護に至る人が急増した。受給が長引けば就労意欲が低下し、自立を遠ざけてしまう悪循環が起きかねない。早めに、きめ細かな対策をとる必要がある。
 たたき台でも、保護開始直後から就労活動への積極性を評価して保護費に加算する制度をつくるほか、収入があれば保護費が減額される現行の仕組みを見直す。
 積極性を何で判断するか、課題は残るが、働くほど手元にお金を残せるようにすれば自立への意欲にもつながるだろう。生活保護を必要な時に使え、すぐに脱却できる制度にしていくことが肝要だ。
 厚労省は保護費の基準額切り下げも議論している。基準額は最低賃金や住民税の非課税基準、子どもの就学援助など多くの制度と連動している。基準切り下げが暮らしの根幹に関わるということを重く受け止め、慎重に検討すべきだ。
 日本では急速に貧困層が拡大している。現実を直視し、貧困の固定化を防ぐ対策を打たなければ生活保護の肥大化に歯止めをかけることはできない。基準の切り下げだけでは何の解決にもならない。
posted by GHQ/HOGO at 07:53| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする