2014年11月30日

サラリーマンに襲いかかる貧困の波 貧困層確実に広がる日本の現状

 年収500万円という平均的なサラリーマン層にも貧困問題はある。安倍政権が目指すのは超格差社会で、すでに中間層が落ちてきていると専門家。新興国が参入してきているグローバル化の流れに合わせて貧しくなるとも。
 実は先進国トップの貧困率だった日本。貧困の波は年収500万円サラリーマンにも押し寄せている。年収500万円という平均的なサラリーマン層(中間層)にも“プアの波”は押し寄せている。
 経済規模を表すGDPこそ世界第3位の日本だが、貧困層は確実に広がっている。まずは、等価可処分所得の中央値の半分の額を「貧困線」(12年は122万円)といい、それに満たない世帯の割合を示す「相対的貧困率」は16.1%。これはOECDに加盟する34ヵ国のなかで第4位。さらに、大人が1人(つまり母子・父子世帯)に限ってみれば貧困率は54.6%で、これは世界第1位の低水準となる。
 労働組合東京ユニオンの関口達矢書記長は、現状をこう見ている。
 「アベノミクスで景気がよくなったといわれても、それを実感できているのは、一部の富裕層に限った話。雇用の流動化を進める安倍政権が目指すのは、1%の富裕層が富を独占するアメリカのような超格差社会です。すでに、正社員の労働環境も不安定化しており、中間層が下に落ちてきています」
 中間層にまで貧困が拡大する現状の流れにはあらがえないのか。労働問題に詳しい人事コンサルタントの城繁幸氏は次のように語る。
 「30年後には1人の現役世代が1人の高齢者を支える超高齢化社会が到来することは周知のとおりですが、その流れは企業内にも起きています。たとえば90年代、30代前半だったソニーの正社員の平均年齢が今は42.5歳。パナソニックでは45歳です。40歳で課長なんて『島耕作』の世界だけの話で、現実には50歳になっても平社員のままなんてことが容易に想定できます。新興国が10分の1以下の人件費で参入してきているグローバル化の流れと合わせて、中産階級は貧しくなる一方です」
 給料頭打ちの閉塞感は、負の連鎖に繋がると見ているのは社会学者の阿部真大氏。
 「個々の意識がディフェンシブになればなるほど、経済全体が萎縮していき、それはそのまま収入にも反映してくる。そもそも経済成長とは、自由に元気に活発に、みんなが未来を見て仕事に打ち込むことが大前提。共産主義や社会主義がなぜ失敗したかといえば、その活力を労働者から奪ったからですよね。今の日本社会は、そうした悪循環に陥っています」
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2014年11月29日

「現代の貧困」強まる固定化傾向 連鎖断ち切る政策議論を!

 赤ちゃんを取り違えた病院に対して、裕福な家庭で育つはずだった60歳の男性が訴訟を起こし、昨年11月に判決が出た。取り違え後に育てられた家庭では、男性が2歳のときに育ての父が亡くなり、母子世帯となった。男性は働きながら定時制高校を卒業するなど苦労を重ねたという。一方、実の両親は、経済的に恵まれ、教育にも熱心だった。判決では「高等教育を受ける機会を失わせて精神的な苦痛を与えた」として、病院に慰謝料などの支払を命じた。
 家庭の成育環境が、子供の人生にいかに大きな影響を与えるかを考えさせられる。言うまでもなく取り違えは許されないが、一方で人生のスタートラインに大きな格差があることは、社会の課題として認識すべきであろう。
 もちろん、家庭の成育環境がすべてを決めるわけではない(多くの場合は決めてしまうが…)。戦後、町工場を起こし、世界的企業に育てあげたある経営者は、「親が遺してくれた最大の財産は貧乏だった」と語った。この言葉の通り、自らの境遇を努力によって克服した人もないことはない(しかし、多くの場合は克服できないのだ)。また、程度の差こそあれ、貧乏人の誰もが「何がしか」を抱えながら生きているのであり、人生のスタートラインが完全に平等ということはないのである。
 しかし「現代の貧困」は、「政治の貧困」のために昔に比べて個人の努力で克服できる余地が狭くなっているのはたしかだ。実際、スタートラインの格差は以前よりも大きく、貧困が固定化する傾向も指摘されている。例えば、関西地方のある自治体では、生活保護受給世帯主の25%は、育った家庭も生活保護を受けていた。つまり、親から子へと貧困が連鎖している。一方で、親子間の階層移動の研究によれば、親が上層のホワイトカラーであれば子も同じ階層となる傾向が、1990年代後半以降、強まっているという。
 では、貧困世帯に属する子供はどの程度いるのか。厚生労働省の調査によれば、18歳未満人口のうち貧困世帯に属する人の割合(子供の貧困率)は16%である。実に、子供の6人に1人が貧困世帯に属している。
 また、世帯類型別に貧困率をみると、ひとり親世帯の貧困率が5割を超える高い水準である。シングルマザーの81%は働いているのに貧困率が高いのは、就労中のシングルマザーの5割強は非正規労働に従事しているためである。
 では、どうすればよいか。「貧困の連鎖」を断ち切るには、親と子それぞれへの支援が必要である。子供への支援としては、まずは公教育の充実が重要だ。公教育には、家庭の経済状況に関係なく、子供が潜在的能力を発揮できるように、いわばスタートラインをそろえる機能がある。この点、教育への公的支出割合を対GDP(国内総生産)比で国際比較すると、日本は比較可能なOECD(経済協力開発機構)30ヵ国中最下位である。このため、日本では教育費に占める家計負担の割合が大きく、是正すべき点である。
 一方、親への支援としては、経済的支援のみならず、総合相談や職業訓練、さらに保育所整備なども求められる。とくに相談支援体制の整備は、シングルマザーの孤立を防ぐためにも重要であろう。
 さて、あまり知られていないが、昨年6月に「子どもの貧困対策推進法」が成立した。具体的対策は今後検討していく模様だが、貧困の連鎖を断ち切って「未来への投資」になるように、政策議論を深めていく必要がある。できればいいのだが…。
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2014年11月28日

非正規やニートが老後に生活保護受給すれば20兆必要 政府「親族が面倒見ろ」

過去最大規模で受給者が膨らむなか、ある重大リスクにも注目が集まっている。就職氷河期世代(35〜44歳)の非正規雇用者やニートらが老後に制度を利用すると、最大で約20兆円が支出されるというのだ。
 悲惨な「未来予想図」をシミュレーションしたのは、国政などに関する政策提言を行う政策研究機関の総合研究開発機構(NIRA)である。『就職氷河期世代の老後に関するシミュレーション』のなかで“ナマポ予備軍”に関する重大リスクを指摘している。
 リポートを手掛けた辻明子主任研究員がこう説明する。
 「1993年から10年間続いた就職氷河期で、大規模な雇用調整が行われました。この時期に正社員になれず、不安定な就労状況に置かれる若者を多く生んだのが、現在44歳から35歳の世代。その世代の中で、65歳以降に生活保護受給者になるリスクを抱える人を試算すると、実に77万4000人が『受給予備軍』として浮かび上がってきたのです」
 彼らが年金を受給できる65歳になったとき、一斉に生活保護を受給し始めたらどうなるのか。彼らの寿命を(65歳から)約20年間後と仮定すると、支払われる生活保護費は、総計で17.7兆円から19.3兆円に達する。試算では、年間8000億円から9000億円が国の財政から支出されることになる。
 そこで政府は抜本対策を考えることも、何らの手を打とうとせず、ひたすら逃げを打つ。
 「親族が面倒を見ろ。それが自己責任というものだ」
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2014年11月27日

日本の国家予算に占める生活保護費はごくごくわずか

 きちんとわかっている人には常識的な話なのだろうが……。生活保護の給付総額は3兆7000億円を超え、この5年で約1兆円も増えている。
 だだし、生活保護の補足率は、日本では20%に満たない。ドイツやイギリスは85%を越えているのに比べ格段に低い数字である。生活保護に充てる予算はどのくらいか、GDPにしめる生活保護費の比率を見てみよう。
 OECD加盟国平均2.4%
 アメリカ3.7%
 イギリス4.1%
 ドイツ2.0%
 フランス2.0%
 日本0.3%
 ここではGDPに占める割合で見ているが、特別会計含めた全国家予算で見てみよう。生活保護費のうち国庫負担は4分の3なので、結局国家予算のうち生活保護費が占める割合は約2.27%ということになる。これは憲法に規定された国家の仕事をこなすための予算としては非常にわずかなものだし、他に減らせそうなところはたくさんある。「財政再建」を理由に生活保護費を減らそうという発想が、どのくらいみみっちいものなのかがお分かりいただけただろうか。

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2014年11月26日

安易な「不正受給」摘発

不正受給とすべきではない事例で生活保護法63条(「もらいすぎた分は返してください」という取り扱い)を適用せず、不正受給としている事例が数多く報告されている。中には、200円にも満たない金額で「不正受給」とされた例もある。
しかし大阪市には、これらの問題を自発的に改善する意思は見受けられない。福祉事務所の窓口で暴言をぶつけられた生活保護申請者と弁護士に対し、大阪市は「そんな事実はない」「ケースワーカーは『そんなことは言ってない』と言っている」と主張していたりもする。もし、目的が「稼働年齢層には何としても申請させない」であれば、自発的改善を期待することは不可能であろう。
しかし政府も厚労省も、現在のところ、生活保護制度が「最後のセーフティーネット」であることは認めている。大阪市の現状が「これからの日本の生活保護」になったら、日本からセーフティーネットはなくなってしまう。そういう危機感がある。
大阪市の現状が「これからの日本の生活保護」になったとき、困惑するのは生活保護を申請する本人だけではない。たとえば、身内に生活困窮者がいて生活保護を申請する場面では、自分自身も一定額の仕送りを求められることになる。しかも社会保障は、大幅に削減されようとしている。誰がいつ、どのような事情で生活困窮に陥るか分からない。
現実として起こり続けている事実を踏まえ、これが「これからの日本の生活保護」でよいのかどうかを冷静に考えることこそが、今、一番必要なことだろう。
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2014年11月25日

アメリカは制度として日本より上?

 アメリカの低所得者向けの公的扶助(生活保護)は個々の経済・健康状態に応じていくつかのプログラムが用意されている。
 まずは、連邦社会保障局が運営する補足的保障所得(SSI= Supplemental Security Income)だが、これはアメリカの生活保護政策の中心的な柱だ。受給条件(単身者の場合)は、・月収1000ドル以下、・現金・預金などの流動資産2000ドル以下、・視覚障害、その他の障害、高齢(65歳以上)などで就労が難しい、の三つを満たすこと。日本のように親族の経済状況などは一切問われないが、認定されるには収入や資産が限られ、働けないことを証明しなければならない。
 アメリカには皆保険制度はないが、SSIの受給者は同時に低所得者向け医療保険「メディケイド」の受給資格が得られる。SSIの受給者は2011年時点で780万人、年間支給額は470億ドル(約3・73兆円)となっている。
 また失業中で、お金も食べるものもないという人は農務省のフードスタンプ(正式名称はSNAP=Supplemental Nutrition Assistance Program、以下FS)を受給できる。前述のSSIの申請を拒否された場合や、認定審査を待つ間に受け取る人も少なくない。申請が簡単で、早ければ3日で受給できるのが利点だ。低所得者にとって身近なこともあり、FS受給者はリーマンショック以降ほぼ倍増。2012年に4600万人、年間予算は800億ドル(約6・3兆円)に達している。
 3つ目は、要扶養児童のいる貧困家族を対象にした貧困家族一時扶助(TANF= Temporary Assistance for Needy Families)。米厚生省(HHS)が運営しているTANFは自立・就労支援に力を入れているため、受給者はそう増えていないが、それでも2012年に480万人、年間予算は165億ドル(約1・31兆円)である。
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2014年11月24日

生活保護制度の本当の危機―生活保護を申請しない生活困窮者たち

 「生活保護受給者は遊んで暮らせるからうらやましい」という人は、実際に生活保護を申請し受給してみたらいいと思う。無収入になるのは簡単だが、まず蓄えの財産を吐き出さないといけない。保護を受けることになると、周囲の人々の冷たい視線もあるし、ケースワーカーの指導も威圧的なことが珍しくない。
 こういうことがあるからこそ、「遊んで暮らしたい」人の保護申請が抑制されているのだという人もいるが、それ以上に本当に生活に困窮している人たちの申請が抑制されている。これが問題なのである。
 生活保護受給漏れという人々には、保護申請をしようとして水際作戦によって追い返された人もいるし、頭から申請しない人もいる。
 なぜ申請しないのか。追い返されることを予想して嫌気を起こす人もいるし、生活保護がスティグマ化していることから、保護を受けるのを恥と感じる人もいる。福祉事務所はサービス行政機関であるにもかかわらず、相談に来る人を喜んで迎えてはくれず、むしろ差別と偏見の尖兵になり下がっている(ただし、それは概して、人員と福祉予算を抑制する政府の姿勢の反映に過ぎない。彼らが保護申請者を歓迎しないのは、人とお金が限られている構造ゆえであるところが大きい)。
 また、申請しない人の中には、生活保護制度の存在自体を知らないとか、知ってはいても自身の生活状況と結び付けては考えられないほど抽象的な存在になっているなどもある。むしろ、非常に多いのではないかと思われる。これは、明らかに代々の政府の怠慢、というより棄民政策の成果以外の何ものでもないと思う。
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2014年11月23日

生活保護制度の本当の危機―受給漏れこそ最大の問題

 日本国憲法は、第25条で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と宣言している。その直接の下位法として生活保護法が制定されている。不思議なことに、この国の公務員は、「日本で最低生活費が決められ、全国民に保障されていること」について、積極的に教育・広報・普及しようとする姿勢をもたないように見える。これは、大きな問題だ。
 目の前の生活困窮者が最低生活費すら保障されていないことを察しながら、生活保護制度について積極的には知らせないというのが、福祉現場の当たり前の光景である。生活保護の申請用紙はもちろんのこと、広報用のパンフレットすら一般の眼が届く場所に置かれることがない。
 生活保護に関する最大の問題点は、不正受給や「まじめに働いている者がバカを見る」的なモラルハザードにあるのではなく、法の支配のハザード(危機)であり、その結果として、現実に膨大な生活困窮層が生活保護制度から排除されているという、いわゆる受給漏れの問題である。
 生活保護を受けられるはずなのに受けていない人口の割合を「生活保護の捕捉率」というが、これまでせいぜい20%台であるとみなす研究者が多かった。しかし、受給者の急増により(母数となる貧困人口が同様の勢いで増加してきたわけではないので)かなり上昇して、おおむね30〜35%に達しているのではないか。
 かりに33%だとすれば、生活保護受給漏れ人口(換言すれば、国から見捨てられている人々)は受給者数の2倍になるので、全国でざっと400万人ということになる。これは、少数の不正受給や勤労意欲のハザード問題より圧倒的に重大な問題である。
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2014年11月22日

生活保護制度の本当の危機―生活保護受給者の増加

 社会福祉の分野での昨年の大きな出来事は、一昨年から生活保護制度がマスコミ上で問題視されてきた延長線上のエポックとして、安倍政権から制度否定的・抑制的な政策が打ち出されてきたことであろう(生活保護法の「改正」、最低生活費の切下げなど)。この政権と自民党は、増加していく生活保護受給者への社会的偏見と劣情を煽って選挙に大いに利用してきた経緯がある。
 まず、生活保護受給者数はどの程度増えているのだろうか。生活保護制度の施行以来最も少なかったのは、1995年の88.2万人であった。人口に対する割合も0.70%であった。では、その後の生活保護受給者数を5年ごとにみてみよう。
 88.2万人(95年) → 107.2(00) →147.6(05) →195.2(10)
 この10年間では82%増であり、確かに「激増」という言葉もあてはまる。最後の5年間と同じペース(年率5.7%)で増えれば、次の2015年には258万人に増える計算だが、最も新しい2013年10月の統計では216.4万人(人口割合は1.7%)に留まっており、少なくともこの1年間では「増加は止まっている」と言える状況だ。
 生活保護受給者の増加が止まったことが喜ばしいことなのかどうか。では、なぜひたすら増加したのかを考えてみよう。
 生活困窮者(生活保護に該当する低所得者)が増えないで、受給者が増えたとしたら、生活困窮者が生活保護申請に積極的になった事情があるのか、申請を受ける福祉事務所の側の姿勢が受容的になったのか。前者については、生活困窮者を支援するNPOの活動が活発になった点を挙げられるし、後者については、いわゆる「水際作戦」への社会的な非難に対して福祉事務所が一定の譲歩を示さざるを得なかったのではないかということも想像できる。
 しかし、1995年以降の実態をみると、いわゆる相対的貧困率(社会構成員のうち中位所得の50%以下の所得である人々の割合)は、1994年には13.7%であったものが、2009年には16.0%まで上昇している(厚生労働省の3年ごとの大規模調査=国民生活基礎調査による)。人口の2.3%増ということは、この15年間に約300万人近い貧困人口の増加をみたことになり、生活保護受給者がその期間に107万人増加したとしても不思議ではない。
 相対的貧困率は所得だけで貧困判定しており、低所得者率と読み替えた方がよいと思うが、そのため、相対的貧困層に該当しても、持ち家や預貯金等の資産があるため生活保護に該当しない人も多い。
 それでも,「貧困人口が増えている」という定性的な結論は否定できない。全国の労働者の賃金を把握している国税庁の民間給与実態調査からも、労働者(給与所得者)内部の相対的貧困化が確認できるが、こちらは2007年がそのピークになっている。
 貧困人口の増加の背景には、人口の二大集団である現役労働者と高齢者に生じている大きな構造変化がある――つまり、非正規労働者など不安定雇用層の増加と人口の一層の高齢化である。
貧困人口の増加要因と生活保護受給者の増加の関係をみていきたい。
 2006年から2011年までの5年間の受給者数の増加は
 147.5万人 →  202.4万人 (37%増)
 これを年齢別にみると、40歳代と20歳代の増加率が高い。いわゆる稼動年齢層である。しかし、増加した54.9万人のうち、20〜40歳代は28%を占めるのみである。
 60歳以上の受給者の増加が54%を占める。つまり、若い世代の受給者はもともと少なかったので、近年の生活保護受給者の増加に特に寄与してきたわけではないことがわかる。やはり、貧困な高齢者の増加を背景にした高齢受給者の増加が主要な増加要因だといえよう。
 その上で、不安定就労層の増加に伴う失業からの生活保護受給という流れが加わる。失業率自体は顕著に増加したわけではない。一般論として、正社員の失業は退職金や雇用保険給付、あるいはこれまでの貯蓄等があって生活困窮に陥るのを抑止できている。
 これに対し、非正規労働者が失業したとき、酷い場合は直ちに困窮化する。そのよい例が、あの2008年のリーマンショック後の、派遣契約を強制解除された労働者の派遣村への駆け込みという「事件」である。
 なお、注意すべきは、受給者世帯数の増加率でみると、60歳未満の失業者世帯である「その他世帯」が同じ5年間で2.3倍に増えていることだ。このことは単身世帯が多くを占めていることを示しており、頼れる家族のいない(したがって生活が困窮化しやすい)失業者が増えていることを示唆している。
 不安定就労層の失業と生活保護の受給開始は、雇用環境(求人状態など)が良好であれば、就職により保護脱却になるが、受給者が総数で増加しているのは就職が容易に決まらないデフレ経済が背景にあるからである。つまり、1990年代前半以来の慢性不況も生活保護受給者増の要因として見逃せない。
 ところで、高齢者と不安定就労層の持続的な増加にもかかわらず、貧困率の上昇が止まってきたように見える(2013.7.11投稿記事参照)。しかし、長期的趨勢は変わっていないはずである。今後さらに低下するとは、予想できない。
 生活保護受給者は、高齢や失業だけではない。知的障害、心の病い、例えば適応障害(皇太子妃の例がある)、不安障害、うつ病など・・・要するにそもそも病気のため働けない人たちがいる。さらには、働けそうな人でも、かつて働いた職場でのつらい経験(休めないとか、仕事のミスへの上司の叱責とか)から引きこもってしまうような人々の一群がある。こういう人たちへの「ぶらぶら遊んでいる」という世間の目は、悲しむべきことだ。
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2014年11月21日

生活保護受給者の97%は日本国籍

 こんなことを言っている人がいる。
 「生活保護問題の本質は、その資金を得ているのは主に在日であり。その資金の一部が北朝鮮に送金されている可能性があることです。可能性、といっていますがほぼ事実でしょ。アメリカの諜報機関が資金の流れを追っているという情報もあります。北朝鮮のテロ政治を日本人の税金で支える日々。正直もう勘弁してください」
 そこで、厚生労働省の最新の情報で「生活保護を受給しているのは主に在日」なのかどうかを確認してみた。結論として、まあ当たり前だが「主に日本人が受給しています」。
 日本の国籍を有しない被保護実世帯数は、6年間を平均すると全体の2.85%。実人員ベースで3.32%となり、おおざっぱに言えば約3%だ。実際の統計からいえば、「生活保護を受給しているのは、97%が日本人、3%が日本の国籍を有しない人」である。仮にこの「日本の国籍を有しない人」を全員「在日」だと仮定したとしても、「生活保護資金を得ているのは主に在日」というのは「デマ」ということになる(もちろん、これは最大限の見積もりである)。
 そしてもちろん、「日本の国籍を有しない人」の中には、在日、正確には「特別永住者」以外も多数含まれる。ただし、その比率については統計では明らかにならない。以上、「生活保護問題の本質は、その資金を得ているのは主に在日である」という部分は、前提が根本的に誤っていることが明らかとなった。もし「在日が受給しているから」と思い込んで生活保護受給条件を厳しくするのであれば、実際に生活保護を受けているうちの大多数を占める「困窮した日本人」を追い詰めるだけの結果に終わる。どちらが真の「反日」なのか、よく考えるべきだろう。
 「1990年、厚生省より、生活保護対象外国人は定住者に限る、非定住外国人は、生活保護法の対象とならないと口頭で指示が出されている」が、「その後、基準が緩和され、自治体によっても対応が異なる」ようである(在日の生活保護の受給率は高い? - 児童小銃より)。
 仮に「定住者のみ」とした場合、「永住者(一般永住者・特別永住者)」と、「非永住者のうち、定住者」の合計ということになる。この三者の合計は116万5500人。これを「外国人定住者の総数」という母数としよう。そうすると、定住者のうち、一般永住者が51.3%、特別永住者(在日)が33.4%、非永住の定住者が15.3%という数字になる。つまり、「在日」は日本に定住している外国人の3人に1人という計算だ。
 したがって、生活保護受給者の中に占める「在日」の人の割合は、最大でも3.3%、定住者比率から単純計算すれば1.1%となる。これを「生活保護資金を得ているのは主に在日」と言うのは、あまりにも無理がある。
 「生活保護問題の本質は、その資金を得ているのは主に在日」という言説には根拠がないことはすでに明らかになったが、そうすると論旨をすり替えてくる人がいることは容易に想像できる。「在日の受給率が日本人より高い」というものである。この論旨に切り替えた時点ですでに問題点がすっかり変わってしまっているのだが、一応数字を確かめておこう。
 つまり、「日本人の中で生活保護を受けている人の割合」と「在日の中で生活保護を受けている人の割合」の比較で「在日の方が生活保護を受けている人が多い」という議論だ。もちろん、これがいくら多かろうと「主に在日が生活保護を受けている」ということにはならないわけだが、念のため検証する。

まず、日本の人口は統計局ホームページ/日本の統計−第2章 人口・世帯の2-1「人口の推移と将来人口」から明らかになる。ここで「日本の人口」から「日本人」を引けば、日本にいる外国人の人数がわかる。次いで、被保護実人員から非日本国籍実人員を引いた数を計算する。これが「日本人の受給者数」である。これを「日本人」の人口で割る。これで「日本国籍を有する日本人の中で、生活保護を受けている割合」がわかる。その結果は6年間の平均で1.26%、ただし年々増えている。
 一方、非日本国籍実人員を「日本の人口−日本人」の数字で割る。その内訳はわからないが、とにかく「日本国籍を持たないが日本にいる人の中で、生活保護を受けている割合」がわかる。その結果は6年間の平均で3.27%だ。
 確かに「日本人の中で生活保護を受けている割合」より「外国人の中で生活保護を受けている割合」は多い。比率にして約3倍となる。ネットでは「日本人の22倍も生活保護受給率」と書いているページもあるが、実際にはこの数字である。ただし、この「外国人」の中でどれくらいが在日かということは統計上わからない。
 ここではその解釈には踏み込まない。なぜなら、仮にこの「外国人」すべてを「在日」と置き換えることが可能であったとしても、そこには2つの解釈ができるからである。1つは「在日が在日権益のゴリ押しで生活保護を受給しているのではないか」「日本人より基準が甘いのではないか」という見方(あくまでも解釈であって事実かどうかは別問題)。もう1つは、「在日外国人は日本国籍を有する人より困窮している」「いわゆる在日と呼ばれる特別永住者は高齢化が進行しており、それに伴って生活保護を必要とする困窮の度が増している」という見方。
 「北朝鮮のテロ政治は日本人の税金を原資とした生活保護によってまかなわれている」、「資金の一部が北朝鮮に送金されている可能性があることです。可能性、といっていますがほぼ事実でしょ」というのだが、確かに「一部」はそういうこともあるだろう。しかし、生活保護総額の3%が「日本国籍をもたない人」たちが受給していて、それが100%「在日」だとしても、そのうちの朝鮮籍の人はどれだけなのか。法務省統計では「韓国・朝鮮」と一括して統計されており、国の統計では特別永住者の韓国籍:朝鮮籍(:台湾)の比率はわからない。
 2010年の政府統計「国籍(出身地)別在留資格(在留目的)別外国人登録者 」によれば、特別永住者39万9106人のうち、いわゆる「在日」と呼ばれる韓国・朝鮮人が39万5234人。一方、ウィキペディアの「在日韓国・朝鮮人 - Wikipedia」ページによれば、その中で「韓国に本籍地があっても朝鮮籍のままの者もいるため、北朝鮮地域を本籍地にしている者は2010年末時点で2,589人に過ぎないが、朝鮮籍保持者は3-4万人程度いるとみられている」と書かれている(北朝鮮とは国交がないので、韓国籍がいやなら「朝鮮籍」となる)。この「朝鮮籍保持者」は韓国籍を選ばなかったということで北朝鮮政府に親和性のある人たちだとすれば、39万5234人の「在日」の中に「北朝鮮系」の人は多く見積もっても1割しかいないということになる。40万人中4万人である。
 したがって「在日権益」をそのまま「北朝鮮」に結びつけるのはあまりにも飛躍がすぎるということだ。一部は本当に「一部」の可能性が高い。もちろんゼロではあるまい。だが、ゼロではないからといって、「生活保護を受けているのは主に在日で、だからその資金は北朝鮮に流れている」と主張するとすれば、その主張には統計から見ても二重の飛躍があるわけだ。
 仮に生活保護を受給している3%の外国人がすべて在日であり、朝鮮籍の人はその全額を北朝鮮に送っているという最大限の数字を採用したとしても、生活保護を受給している中の朝鮮籍の人の割合は全体の0.3%である。これをもって「資金を得ているのは主に在日」「北朝鮮のテロ政治を日本人の税金で支える日々」というのはあまりにも誇大であり、もはや妄想の域に達しているといえる。
 なお、CIAなりFBIが「生活保護で受給した金の流れを調査している」という情報のソースを確認し得ていない。CIAとかFBIは、革マル派などの妄想型陰謀論でよく登場する機関でもある。もし、「資金の流れを追っている」というのが単に「北朝鮮が集めている資金」すべてのことを指すのであれば、ここでそのことを持ち出すのは単なる誤誘導でしかない。生活保護は生活保護、北朝鮮への送金はまた別の問題 。もう一度事実関係をまとめておこう。
 生活保護を受給している人の97%は日本人である。日本国籍を持つ人の中の受給率は約1%、日本国籍を持たない人の中では約3%。いわゆる「在日」(韓国・朝鮮の特別永住者)のうち、9割が韓国籍、1割が朝鮮籍。アメリカの諜報機関が「生活保護で受給された金」の流れを追っているという情報はない。
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2014年11月20日

「生活保護」の受給は悪いか?

 アメリカの場合、すべての勤労者が納めた年金保険料はすべて一元的に社会保障信託基金にプールされ、保険料の支払総額・期間・年齢が同じなら、基本的に受給額も同じレベルである。むしろ納入保険料の低い低所得者の受給額は、高所得者より納入保険料比率にすれば有利となっている。
 それに対し日本は年金組合が公務員・正社員・それ以外に分かれ、しかもそれが業界や地域によって分かれているので、相互の格差が激しい。もともと日本の年金は、軍人や公務員の恩給から始まっており、国に貢献した者への褒美ではあっても、貧困対策ではなかった。戦争中に軍需産業を中心に正社員に厚生年金が広まり、1961年にそれ以外の層、たとえば農民や自営業者に国民年金が適用されたのである。国民年金では生活できないが、農民や自営業者は老齢になっても働けるし、持ち家で後継ぎ息子が面倒を見てくれる、ということだったようだ。
 また最低賃金は、70年代以降に主婦パートが増えると相対的に低下した。家計補助だから低くても問題ないとされたわけである。さらに85年の制度改正で、専業主婦でも年収が130万円以下であれば、夫が保険料を納入していれば妻にも厚生年金が適用されることになった。年間130万円以上稼ぐと、配偶者控除がなくなり、保険料を納めなければならない。こうして、最低賃金が低いほうがむしろ好都合な専業主婦層が、政策的に生み出されることになった。
 それに対し、生活保護は占領軍の支持で設けられたものだ。受給額は年金や最低賃金とは関係なく、憲法25条で保障された「健康で文化的な生活」を営める程度に設定された。こうして、全体の制度設計を考えずに制度をつぎはぎした結果、年金<最低賃金<生活保護という図式が成立したわけだ。
 さらに厚生年金組合でも、タクシーや繊維など不振業界では、業界縮小で組合の存続が危ぶまれ、税金の投入でようやく持たせている。こうした不振組合の資金運営が、AIJなどの破綻事件を起こした。
 こうなれば、最低賃金と国民年金を生活保護以上に上げ、専業主婦優遇制度をやめ、各種の年金を一元化するしかない。厚生年金は下がるが、一部の優良組合以外の不振組合はむしろ安定化する。それは識者みなが指摘することなのだが、その方向への「一体改革」は進んでいない。これが解決しない限り、「生活保護問題」は今後も深刻化するだろう。
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2014年11月19日

医療費負担増で高齢者を持つ子供がターゲット

 「医療費負担の世代格差の是正を掲げる自民党政権は今後、高齢者の窓口負担を増やすわけだから、資金難に陥る人たちが増えるよね。ただ、闇金が貸す相手は高齢者本人ではなく、高齢者を親に持つ子供世代。直接高齢者に貸し付けるには、ちょっとリスクが高すぎるからね」
 低所得層の親が病気になれば、その医療費を支払うのは子供たち。自己負担増となれば、当然繋ぎの資金が必要となる。
 「大きめの融資であれば、ケアハウスなど施設への入所一時金や、月々の家賃を用立てることもあるだろうね。たとえ親に資産があったとしても、子供が相続できるのは親が死んだ後。生きているうちは自力で工面しなければならないから、闇金に需要が生まれる。そこで、リバースモーゲージ(対象高齢者の自宅・その他の資産を担保にした融資)で、利息は払ってもらいつつ、最終的に親の死亡時に、相続した資産を買い取るスタイルも提案する」
 もちろん、最終的に融資額が資産額を大幅に下回っていても、「相続税を払ったらマイナスになるだけ」などと騙し、資産を総取りするのは言うまでもない。あくまでもシナリオは裏社会スタイルだ。
 「社会保障費の削減は、貸金業法改正時と同じくらいのインパクト。闇金が増えるのは確実」
 国から見捨てられ、反社勢力に食い物にされる低所得者・高齢者は、今後も増えそうだ。衆院選での自民圧勝を誰よりも喜ぶのは、暴力団なのかもしれない。大きく日本の舵を切ろうとしている安倍政権。その政策1つで生まれる大きな利権に“反社”と呼ばれる人々が虎視眈々と商機を窺っている。
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2014年11月18日

安倍政権による生活保護費削減をヤミ金業者が大歓迎

 生活保護費の10%引き下げを掲げる自民党が、その政策を実行に移せば、例えば生活保護費をピンハネする囲い屋ビジネスは事業が拡大することになる。これまで生活保護費でやりくりしていた人たちが立ち行かなくなるわけだから、彼らは囲われるしかなくなる。また、生活保護費がフードクーポン券化したあかつきには、現状で障害者のタクシー券を買い取って個人タクシーの運転手に転売する裏業者がいるのと同様に、クーポンを買い取って小売店へ転売する業者が横行するはずだ。もちろん、そうした低所得者を一番狙っているのが闇金であることは確かである。
 だが、彼らの狙う本丸は高齢者向けの貸し付け。自民党の公約には「不正受給者には厳格に対処します」とあり、子供が食えている場合の親の生活保護受給を不正とみなす流れに期待し、高齢者向けの闇金サービス拡大を画策している。
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2014年11月17日

生活保護の不服申し立て

 生活保護の決定内容について不服を申立てるには、どうしたらいいのか。生活保護の申請が認められなかった場合や、保護の申請をした後30日を経過しても何の決定もないまま放置されている等の場合には、都道府県知事に対して審査請求することができる。原則として、不服の対象となる処分があったことを知った日の翌日から60日以内に、審査請求をしなければならない。請求先は、申請をした市区町村または都道府県だ。審査請求の決定に不服がある場に合は、厚生労働大臣に対して再審査請求ができる。
 収入等に関する一定の要件を満たせば、法テラスの「高齢者・障害者・ホームレス等に対する法律援助」を利用することもできる。
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2014年11月16日

働くだけ損?

 「生活保護を受ければ働かなくてすむ」だとか、「働いていない人だけが生活保護を受けられる」と誤解している人がいるが、まったく逆で、生活保護を受けているからこそ、早く自立できるように働かなくてはいけないとされる。生活保護を受けながら仕事をしている場合、その給与を収入として申告する必要がある。すると、仕事をしたら給与の分だけ保護費が減らされるから、「仕事をしないで保護費をまるまるもらうほうが得」、と考える人がいる。
 たしかに現状では、生活保護が必要ないくらいの収入を一気に稼げるようにでもならない限り、なかなか生活保護から抜け出すことはできない。しかし、今の時代、一度無職になった人が、生活保護以上の収入を稼げるようになるのが簡単なことではない。だから、一度生活保護を受け始めた人は、「働いたら損する」と感じ、勤労意欲を失っていってしまうという悪循環が生まれてしまうのである。実際、生活保護を受給している人のうち、働ける状態になってから生活保護を抜け出すことができる人の割合は、受給期間が伸びれば伸びるほど、悪くなっていくというデータがある。生活保護を受けて6ヵ月未満だった人は15%が抜け出せたのに対して、1年以上だと6%、5年以上になると1%と激減していく。
 しかし、生活保護では仕事をしている人を応援する制度としてさまざまな控除も用意されている。働き損とは考えないで、できるだけ早く自立の道を歩むよう努めまよう。
・基礎控除
 仕事をすると、衣服が傷むペースも速くなるし、空腹にもなる。つまり、衣食にかかるお金がそれだけ多くなると言うことである。だから、頑張って働いている人たちのために、収入分をそっくりそのまま収入分としてカウントせずに、収入額から一定額を基礎控除として差し引いてカウントする特典ある。つまり、この差し引き分だけ、生活扶助として世帯に入るお金が増えることになる。
・実費控除
 交通費や入力作業に必要なソフトウェア、清掃時に使う清掃用具ほか、収入を得るために直接係る費用を実費で負担したものが必要と認められれば、この分は収入から経費として差し引くことができる。ほかにも、収入を得る上で支払った税金や社会保険料、交通費などが発生した分も差し引かれる。また、仕事で子供を託児所に預けた場合の託児費などについても控除が認められる。
・新規就労控除
 新たに就職をする場合、スーツやネクタイ、靴など身の回りものを新しく買い揃える必要がある。これに対応して半年の間、一定額が差し引かれる。
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2014年11月15日

貧困層の増大を直視すれば新たな締め出し・締め付けなど本末転倒

 生活保護見直しが議論されているが、保護費の膨張に歯止めをかけることが狙いだという、前提が間違っている。生活保護受給者が210万人を超えたという事態をどう見るのか。貧困層が増えている証しだ。それだけにとどまらない。
 「受給資格があるのに受けていない人はその3〜5倍もいるとされる」
 「保護を要する生活レベルなのに、利用世帯は約3割にとどまるという統計もある」
 「(保護)対象者のうち実際の利用者の割合を示す『補足率』は20%にすぎないと言われる」
 「欧州諸国の5〜9%と比べて1・6%の生活保護利用率しかないなど必要な人が利用できていない」
 言い方はさまざまだが、生活保護が必要な世帯・人は受給者の3倍は存在している。しかも増えている。この現実、貧困層の増大こそ前提として見直すべきなのだ。日本では急速に貧困層が拡大している。現実を直視し、貧困の固定化を防ぐ対策を打たなければ生活保護の肥大化に歯止めをかけることはできない。基準の切り下げだけでは何の解決にもならない。
 不正は許されないが、一部に問題があるからといって引き締めを強めれば、必要とする人がますます受けにくくなる。1月に札幌市白石区で孤立死した40代姉妹のように、行政や社会との接点を失う人が増えかねない。見直しには慎重さが欠かせない。自立しても、すぐに生活保護に逆戻りすることがあってはならない。求められるのは、生活保護を含めた貧困対策の拡充だ。実質的な収入増になるよう低家賃の住居の提供や、最低賃金の引き上げなど国、自治体、企業が対策を張り巡らさなければならない。
 心配なのは過度な締め付けにより、本当に保護が必要な人まで制度の外に置かれる恐れがあることだ。『最後のセーフティーネット(安全網)』としての機能を損なわないようにしなければならない。全国各地で餓死や孤立死が相次ぎ、社会問題化した。保護相談の窓口を3度も訪れながら、受給を断念した40代の姉妹が亡くなった。…困窮者の一部にしか、救いの手が届いていない実態をうかがわせる。
 留意したいのはどんなに適正化しても、それで貧困問題の解決にはならないことだ。締め付けが行き過ぎれば、かえって社会保障の最後のセーフティーネット(安全網)さえ機能不全に陥る恐れがある。むしろ、いかに生活保護から脱してもらうか、自立支援にこそ力を入れるべきだ。
 生活保護を受けることに負い目を感じる人が申請を控えかねないとの指摘がある。もっともだ。適正化は当然だが、真に助けが必要な人を見捨てない仕組みづくりを優先する社会の方が望ましいのではないか。やむを得ない事情で生活に困る人がいる現実を見据え、安定生活を保障する対策を講じることこそが求められるのである。
 救うべき人を放置したまま支給水準を切り下げれば、日本弁護士連合会も危惧するように、際限のない引き下げにつながりかねない。
 そもそも、生活保護受給者が210万人を超え、さらに貧困層が拡大している原因は何か。
 生活保護受給者は今年6月時点で211万5千人に上る。戦後の混乱期にも200万人を超えていたが、経済成長に伴い減少。それが増加に転じたのは1995年からで、リーマン・ショックによって現役世代の受給も急増した。日本経済の停滞と軌を一にしている。非正規雇用が増え、失業が生活困窮に直結する社会では、生活保護は多くの国民にとって身近な問題だ。今問題なのは雇用の悪化や非正規雇用の広がりで、『働きたくても働けずに困っている』現役世代の受給者の増加だ。高齢や病気でなく働ける人が約40万人いると推計されている。就労への支援が最も求められている。経済状況の悪化と、そのもとで人減らし・リストラをすすめてきた政府・大企業の責任である。働く場を奪っておいて、『就労』を強い、不熱心だから保護を厳しくするというのは本末転倒である。
 大企業に対して、雇用を守る社会的責任を果たさせることも政治の責任としてやるべきだろう。
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2014年11月14日

子供の貧困の行き着く先 

 「子供の貧困対策大綱」が出され、「子供の貧困」への注目が集まっている。子供の相対的貧困率は16.3%、つまり「6人に1人」が貧困という衝撃的なデータがある。
 特に深刻なのは、1人親家庭―貧困率は54.6%。先進国で最悪の水準である。経済的に厳しい母子家庭で育つ中学生の姉と小学生の弟がいた。母親は、夫の暴力が原因で離婚し、強いストレスと精神疾患を抱えてギリギリの生活をしていた。収入は、パートで月に13万円。家賃と食費を除くとほとんどお金が残らない生活。母親は以前、複数のパートを掛け持ちしていたが、身体を壊して救急車で運ばれてからは、体調が優れない。次第にアルコールに逃げるようになり、うつ病も悪化して、子育てを放棄するようになった。
 その結果、子供たちには、まともな食事が与えられず、学校の給食がほとんど唯一の食事になった。中学生の姉は、母親との関係が悪化して学校にも行かなくなり、リストカットを繰り返す……。小学生の弟は、友達と同じように学用品や衣類を買ってもらえないことが原因で、友達にいじめられるようになり、やがて不登校になった。
 このように、子供の貧困は、経済的な厳しさを背景に、家庭内の複合的な要因とともに深刻化する。親は、非正規雇用による低賃金、精神疾患、家庭内暴力、障害、虐待、ネグレクトなど複雑な問題を抱えていて、人との関わりを拒絶したり、助けを求めることもできない状態に追いつめられている。
 周囲の人は、たとえ子どもの異変に気づいたとしても、家庭の経済的な問題なので、どこまで踏み込んで親に事情を訊いてもいいのか、戸惑うことになる。
 だから、子供の貧困は、大人の貧困以上に根が深く、解決の難しい問題だと感じる。これからの日本社会を担う子供たちから、自立して生きていくために必要なあらゆる機会を奪うだけでなく、生きる意欲さえ失わせることになる。子供の貧困の行き着く先は、10年後、20年後の日本社会の崩壊かもしれない。
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2014年11月13日

住宅扶助費の大幅削減!

 生活保護費の大幅削減をすすめている安倍晋三政権が、2015年度から生活保護の住宅扶助費削減に乗り出そうとしている。13年8月から強行されている食費や光熱水費などにあてる生活扶助費の削減は、物価高騰のなかで生活保護世帯に深刻な打撃を与え、怒りを呼んでいる。その最中に、住まいの安心を脅かす住宅扶助費削減を行おうとする安倍政権には、国民の暮らしなど眼中にないことを浮き彫りにしている。社会保障破壊の暴走をストップさせる世論と運動が急務ではないだろうか。
 住宅扶助費は、生活保護利用者が住むアパート家賃費用などとして支給され、上限額は「扶助基準」として地域ごとに決められる。東京23区などの単身者の上限は5万3700円だが、家賃が高い都心部などでは、この金額では十分な住まいが確保できないことが以前から問題になってきた。
 本来なら引き上げてもおかしくない住宅扶助基準を、容赦なく引き下げようというのが安倍政権―今年6月に閣議決定した「骨太方針」で住宅扶助などの引き下げ方針を明記し、厚生労働省の審議会では引き下げに向けた検討を続け、今月中にも結論をとりまとめる動きを加速させている。
 住宅扶助の引き下げは、生活困窮者の住まいの実態をまったく無視した暴走である。政府は引き下げの口実に、住宅扶助基準が「一般低所得世帯の家賃実態」より2割程度高いことを持ち出すが、比較すること自体が間違いだ。
 扶助基準は上限であり、その家賃を目いっぱい支給される生活保護世帯は少数。基準額の95%未満の家賃が圧倒的に多いのが実態である。2年前の厚労省資料でも、家賃の実態を比較すると、生活保護世帯の方が低い結果が出ていた。「引き下げ」の結論先にありきで恣意的な比較をすることなどまったく不当なやり方なのだ。
 住宅扶助の引き下げは、閣議決定(11年)した「住生活基本計画」にも真っ向から反する。同計画は「健康で文化的な住生活を営む基礎として必要不可欠な住宅の面積に関する水準(最低居住面積水準)」を「単身者25平方メートル」などと定め、その水準未満の住宅の早期解消などを掲げている。しかし、住宅扶助引き下げは、生活保護世帯に「最低居住面積」以下で甘んじることを迫るものだ。
 現在の扶助基準でも、「最低居住面積」を満たす住宅を生活保護世帯にまともに保障できていない。さらに基準を下げれば、生活保護世帯がますます「最低居住面積」の住宅から締め出されることは明らかである。劣悪な住まいの環境を放置・拡大し、憲法25条が保障する生存権を住まいの面から破壊する安倍政権の住宅扶助引き下げには一片の道理もないのである。
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2014年11月12日

生活保護の算定基準

 生活保護基準の中心である生活扶助基準の設定方式は、昭和23年度から35年度までは最低生活に必要な物資を積み上げ、その購入金額を合算するマーケット・バスケット方式、36年度から39年度までは、栄養学的に算定した飲食物費を積み上げ、現実にこれに合致する飲食物費を支出している世帯の生活費を最低生活費とするエンゲル方式が採用された。また、40年度からは政府の経済見通しによる民間最終消費支出(53年度までは個人消費支出)の伸び率を基礎として、一般世帯と被保護世帯との消費水準の格差を縮小させていく、いわゆる格差縮小方式が採用され、さらに59年度から一般国民の消費水準の動向にスライドさせる水準均衡方式に改められた
マーケット・バスケット方式(1948-1960年)
 最低生活費の算定方法の1つで、ラウントリー(Rowntree, B. S.)がイギリスのヨーク市の貧困調査の際に、貧困線を算出するのに用いた方法。理論生計費方式の最も代表的なものでもあり、別名ラウントリー方式や全物量方式とも呼ばれる。この方式は、最低生活を維持するのに必要な飲食物や衣類、家具什器などの個々の品目を割り出し、それを市場価格に換算して積算することで、最低限度の生活を維持するのに必要な生活費を算出する方法である。市場で生活用品を買い物かごに入れて購入するのに似ていることから、この名称で呼ばれるようになった。生活保護法の生活扶助基準の算定方法として、1948-1960年度の間に用いられていた。
エンゲル方式(1960-1964年)
 生活費総額に占める飲食物費の割合のことをエンゲル係数(Engel's coefficient)というが、一般には所得が増加するにつれて低下する傾向がある。エンゲル係数とは、この係数を用いて最低生活費を算出する方法の1つであり、理論生計費方式の代表的なものでもある。1961-1964年度にかけて、生活保護法の生活扶助基準の算定方法としても採用されていた。この場合、当時の栄養審議会(現在の公衆衛生審議会)が算定していた標準的影響所要量を満たすことのできる飲食物費を計算し、次に家計調査からその額と同程度の飲食物費を支出している低所得世帯を析出し、この世帯のエンゲル係数で飲食物費を除すことによって総生活費を計算し、生活扶助の基準額としていた。 
格差縮小方式(1965-1983年)
 生活保護法の生活扶助基準を算定する方法の1つで、1965-1983年度の間に用いられていた。この方式は、1964年の中央社会福祉審議会生活保護専門分科会の「生活保護基準の改善にあたっては、一般国民の生活の向上に比例」するようにとの中間報告に基づき、一般世帯と被保護世帯の消費支出水準(生活水準)の格差を縮小するという観点から、生活扶助基準の改定率を決定するものである。具体的には、予算編成直前に公表される政府経済見通しにおける、翌年度の国民の消費支出(民間最終消費支出)の伸び率を基礎とし、これに格差縮小分を上乗せして生活扶助基準の改定率が決定されていた。こうした算定方法は、実態生計費方式の1つである。
水準均衡方式(1984年-)
 生活保護法における現行の生活扶助基準の算定方式であり、1984年度より採用されている。この方式は、1983年の中央社会福祉審議会生活保護専門分科会による、「生活扶助基準の改定にあたっては、前年度までの一般国民の消費水準との調整が図られるように」との、意見具申を受けて導入されたものである。具体的には、一般世帯の消費支出水準(生活水準)の変動に対応するという観点から、格差縮小方式と同じように、予算編成直前に公表される政府経済見通しにおける、翌年度の国民の消費支出(民間最終消費支出)の伸び率を基礎とし、さらに前年度までの一般世帯の消費支出水準の実績などとの調整を行うことで、生活扶助基準の改定率が決定されている。
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2014年11月11日

全国の生活保護、また最多更新

 厚生労働省は11月5日、全国で生活保護を受けているのは8月時点で前月比836世帯増の160万9830世帯となり、過去最多を更新したと発表した。受給者数は前月から564人減って216万3152人だった。
 世帯別(一時的な保護停止を除く)では、伸び続けている65歳以上の高齢者世帯が75万7118世帯で全体の47%を占める。働ける場合を含む「その他の世帯」は前月から1613世帯減って28万981世帯だった。
 1人暮らしの高齢者が増えているため全体の世帯数は増えているが、母子世帯やその他の世帯は、昨年秋から緩やかな減少傾向が続いている。
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2014年11月10日

少ない年金が問題

 保護世帯 3日やったら やめられない―受給者の本音か冗談か、または受給者へのねたみか、皮肉交じりで多くの関係者が口にする。働かずして多くの金を手に入れることができる生活保護制度の内部では、一部に不正受給という暗部もある。
 生活保護に対する苦情の多くを占めるのは「受給者がパチンコをしている」や「受給者なのに車を持っている」といった内容。中には「受給していることを自慢された」「所得があるのに申告していない」といったものも。
 通報が事実でない場合や、保護に対する理解不足から誤解が生じている場合もあり、通報の全部が事実ではない。しかし、中には通報に基づき調査した結果、保護打ち切りに発展する悪質な事例があることも事実だ。
 保護費をもらうために書類上だけ離婚したという事例も多い。離婚したその足で保護相談に訪れるケースは、複数の窓口で確認されている。3世代にもわたり保護世帯という家系や、親族間に保護世帯がたくさんあるという事例も珍しくなく、保護が“世襲”されている実態も確実にある。福祉事務所は「保護を受けることに対する抵抗感が薄らいでいると感じる」と口を揃える。保護の「権利」を声高に主張する受給者も少なくない現状に、現場ではモラルの低下を痛感している。
 もちろん「悪質な事例はわずか一握り」で、保護費をもらわなければ生活が成り立たない現実もある。中でも高齢者世帯は国民年金でもらえる基礎年金(月額6万6000円)だけでは生活できない。
 71歳の高齢者1人世帯が無年金で生活保護を受けた場合、1ヵ月当たり12万円(冬期手当を含めて)を手にすることができる。年金があればその分、減額される。老後に十分な蓄えがなければ生保を受けるしかなく、長年にわたり年金を納め続けた人でも、保護基準以下の金しか得ることができないという、制度の矛盾がある。そして生保受給者となれば医療費は無料となり、それも保護費から賄うため財政を圧迫する。高齢者は収入のない場合が多く、一度受給すると止めることができないのだ。
 ◆受給者への制限◆ 生活保護の受給者は、特に高い価値でなければ住居や土地を持ち続けることは可能だが、特別な場合を除き自動車は所有できない。収入がある場合は、保護費からこの分が引かれる。パチンコは「自分の金の範囲内で遊ぶのはかまわない」というのが法的な見解だ。
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2014年11月09日

生活保護法改定で、現役ケースワーカーがその落とし穴を告白!

 不正受給などが問題視されている生活保護制度に対しては、批判する人も増えていて、そうした声を受けて、「改正生活保護法」が施行され不正受給の罰則が強化されたばかりである。
 生活保護制度を現場でサポートする「ケースワーカー」。 受給者の自立を支援する彼らは約1万7000人いて、150万以上の生活保護世帯を支えている。この変更について、誰よりも生活保護の実態を知る現場のケースワーカーたちはどう見ているのか。ケースワーカー歴6年のA氏はこう話す。
 「今回、『改正生活保護法』が施行されて、不正受給の罰則が強化されましたよね。私はこれで自治体がより不正受給を隠蔽するのではと懸念しています」
 では、なぜ不正受給者ではなく、自治体側が隠すのか。
 「不正受給が発覚した場合、今までもらっていたお金を返還しなければならないのですが、ほとんど徴収できずに焦げついているのが実情なんです。そしてもともと、生活保護費は4分の3を国、残りを各自治体が負担しているのですが、徴収できなかった場合はその損失をすべて自治体で賄わなければならない。そうなると、『ならば、不正を見逃したほうがマシ』という自治体が出てくるはず。さらに今回は、返還に加えて不正受給者に罰金も科せられるわけですが、これも焦げついたら、自治体の負担になるわけですよ」
 つまり、不正受給が発覚すると、自治体が自らの首を絞めてしまうため、ということだ。
 一方、ケースワーカー歴5年のB氏の見解はこうだ。
 「確かに、そうした問題もあります。けど、今回の改正には銀行や官公庁に対して調査権限の拡大も盛り込まれたことで、不正受給が銀行への開示請求で発覚した話があるように、銀行や官公庁に収入や課税調査の回答が義務化されたのは大きい。これで、不正受給を試みる受給者自体は減ると思いますよ」
  改正法では、新規申請者に収入と資産を示す書類の提出義務や親戚までの財産調査(扶養義務の拡大)があり、申請がしにくくなるという話もある。
 では、そもそもケースワーカーは、1人で何ケースくらい担当しているのか。
 「1人の担当は、80ケース以内に収めると決められていますが、それで済んでいる自治体はほとんどないです」
 実際、ケースワーカー歴2年のC氏も、最初は規定の80ケースだったものの、新規の申請を受け付けていった結果、1年目で100ケースにまで増えたという。B氏の市でも、ケースワーカーがこの5年で倍の人数になったが、それでも追いついていないとのこと。
 「ただ、人手や財政の負担が大きいから、これ以上受け入れにくくするという流れはおかしいですよね。生活保護水準を下回る生活をしている国民はまだまだいるのに、今回の法改正は申請のハードルを上げかねない。これだけは言っておきたいのですが、書類を見て問題がなければ、私たちが断ることは絶対にありません」
 「新規申請を厳しくするのではなく、困っている人を広くすくい上げて、自立を促すのが僕たちの仕事ですもんね」
 不正受給を厳しく取り締まるあまり、申請のハードルが上ってしまう……それで、本当に困っている人たちが救われなければ本末転倒だ。“最後のセーフティーネット”として、社会から零れた人々と逃げずに向き合う。その「覚悟」を持って対している現場のケースワーカーたちは、今回の改正が改悪とならぬよう訴えている。
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2014年11月08日

生活保護利用者の実態

 「貧困」から脱出するために生活保護を利用することになる。しかし、生活保護の基準が実際に「貧困」から抜け出せるようなものではない。1日3食の食事すらできない生活保護利用者が余りにも多い。そして、毎日のんびりお風呂に入ることもできずに、真冬でもシャワーだけで身体を洗うというのが実態だ。
 そうやって、政府は生活保護利用者世帯を経済的に攻撃し、従順になることを強制している。行政に対する「怒り」を抑える政策がないから、治安管理の対象として、生活保護利用者を監視下におくことになる。「不正受給」キャンペーンは、生活保護利用者をさらに「貧困」へおいやるのだ。これによって、すべての生活保護利用者が「不正受給」しているのではないかと宣伝して、抵抗力を奪おうとしている。
 生活保護利用者であっても、仕事をしている仲間も多いが、企業はここぞとばかり「搾取」を強制する。そして、企業には「非正規」労働者が多く、会社の管理者の顔色を見ながら働いていることが多い。そして何よりも恐れるのは「労働契約の解除」なのだ。だからこそ、企業は自分たちに対しての不満の声を塞ぐのだ。「人間らしく」働く権利すらも否定するのだ。
 生活保護利用者であっても1人の人間なのだ。その人間として生きる権利を侵害する勢力に対しては断固として声をあげなければならないのではないか。生活保護利用者はもっともっと「怒り」を企業や行政に向け、生きる権利を奪還しなければならないのだ。
 当り前のように思うかもしれないが、生活保護利用者の衣食住の権利は、大幅に侵害されている。さらに「文化的な最低限度」の生活すらできていないのが実態である。だが、ただ単に企業や行政に「お願い」しても絶対に生きる権利を拡充することはできない。正当な権利を主張すべきなのではないか。
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2014年11月07日

生活保護制度における不服申立て

 生活保護を受ける受給者の権利として、生活保護を申請している人や、生活保護を受給している人が、行政の決定に不服がある場合に、行政に不服を申し立てることができる。 不服の申し立てを争訟といい、争訟を起こすには行政機関に不服を申し立てをする行政不服申立てと、裁判所に決定を求める司法審査(訴訟)の2つがある。
 行政の組織に不服の申し立てをする行政不服申立てには、処分を下した行政に対する異議申立てと、処分をした行政以外の機関に対して行う審査請求、また、審査請求の判断に不服があった場合に行う再審査請求の3つの方法がある。
 生活保護の処分に不服がある場合には、審査請求と再審査請求ができるので、行政組織への不服申立てには、審査請求を行い、審査請求に対して不服があれば再審査請求をすることになる。
 審査請求は、生活保護の申請が認められなかった場合や、生活保護の申請をしても、連絡がないまま放置されている場合、また、保護の申請の意思をはっきりと示しているのに、申請書をくれなかったり、受けとって貰えない場合に行うことができる。
 ほかにも、生活保護の申請は認められていても、生活保護の受給金である保護費が少ないときや、生活保護の内容に不満があるときは、生活保護費を受け取っていても、審査請求を起こすことが可能である。また、福祉事務所などが保護の廃止や停止を決定したり、保護費の減額がされた場合、審査請求が行える。
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2014年11月06日

生活保護を現物給付に変えようとすると何が起こるか?

 生活保護でパチンコなどをして遊び暮らしている人などが報道されるたびに「現金給付を止めて現物給付にしろ」という議論も発生する。では、実際に生活保護を現物給付にするとどうなるのだろうか。
 食料を給付するにしても、人によって食べられるもの/食べられないものがある。野菜が好きな子、嫌いな子もあれば、牛乳を飲むとお腹を壊す場合もあれば、アゴが弱って固いものが食べられない人もいる。彼らに対して一律に同じものを配るのか。そうするといらないものを配られた世帯にとってはそれは無駄になる。貴重な食料配給なのに食べられないものを配られるという悲しさ…。
 そして、チョコレートはぜいたく品だから配らないならば、他の子がチョコレートを食べている横で子どもチョコレートの1つすら買ってあげられないという家庭になる。生活保護を受けるということはそこまでひどい扱いを受けなければいけないものなのだろうか。
 また、衣類や日常用品にも当てはまる。人によって必要とされる衣類や日常用品は異なる。完全母乳で粉ミルクが不要な世帯もあれば粉ミルクが必要な世帯もある。子供がサッカー部に入ればサッカー用品が必要だし、水泳部に入れば水着が必要である。これらの支給をどうするか。「サッカーシューズなしで練習しろ」だろうか。
 個々のケースにきめ細やかに対応すると、ネットスーパーのようなもので150万以上の世帯に対してこれを提供するのは膨大な作業になり、極めて非現実的である。しかも生活保護に相応しい商品かの判定まですると、「どのスパイクは許可する/しないか」「どのすね当ては許可する/しない」というネットスーパー以上の大きな負担が発生する。
 実現できるものではない。
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2014年11月05日

既存の社会保障制度の「仮定」が崩壊

 貧困が起こっている理由はどこにあるのだろうか。既存の社会保障制度の「仮定」が崩壊していることだ。1つとして、日本の社会保障制度は働いていればまっとうな生活ができることを仮定としている。つまり、ワーキングプアは想定されていない。2つ目の仮定は、家族というものがあることで、1人世帯になった途端に貧困になるリスクがとても高くなる。日本は3世代世帯も多く、家族の人数が多いというのが一般的な常識だったのだが、実は、現在のデータを見ると、単身世帯が最も多くなっているのである。
 3つ目の仮定は、一度転落しても再チャレンジできるということだった。日本のさまざまなセイフティネットは制度的にはあるのだが、多くは貸付金や一時的な免除制度で、失職して所得が下がったので一時的にお金を借りることができても、いつかは前よりさらに高い所得を得てお金を返さないといけないのだ。しかし、日常生活が苦しくてお金を借りた場合は、いつまでたっても返せない。転落しても戻ってこられるというストーリーは、日本の場合は難しい。
 こうした仮定の崩壊によって何が起こるのか。国民皆年金、国民皆保険が崩れてきている。国民健康保険の社会保険料を払えない人が急増しており、国民年金にいたっては、4割の人が払っていない状況。そして、『恒常的な貧困』も存在するようになった。日本の多くの制度が貸付制度なのである。例えば、貧困世帯の子供が学生ローンで学費を借りても、奨学金ではないので、返せずに多重債務に陥ることが社会問題になっている。
 そこで、唯一の制度として生活保護があるのだが、国民の2%程度しかカバーしていない。すべての貧困世帯をカバーしようとしたら、その何倍もの予算が必要。それができない状況だと政府は主張、公的扶助もパンク状態にあるという(やり方次第でできるのにもかかわらず、ますます締め付けが厳しいなってくるのだ。
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2014年11月04日

生活保護の中に新しい格差を生むな!

厚労省の計画では、1人親世帯においては、生活保護世帯の生活扶助費+児童養育加算+母子加算を、一般世帯の1人親世帯の消費実態と比較することになっている。だが、そのような問題ではなく、母子加算は、母子家庭の特別な状況に応じたものなのである。
一人親世帯はそうではない世帯に比べて圧倒的に不利である。そのことは、数多くのデータによって示されている。さらに、「生活保護の1人親世帯は、一般の2人親世帯との均衡がとれているべきなのだ。
もちろん、生活保護の2人親世帯も、一般の2人親世帯との均衡を問題にすべきなのであり、児童養育加算はそのための加算である。母子加算はその上で、一人親であることに対する加算なのだ。それを考慮するべきである。2人親が1人親になったときに、同じ生活水準を保つための母子加算である。どれだけなくては2人親と同じ生活水準を保てないのかを検証すべきなのだ
低所得の1人親世帯と生活保護の1人親世帯を比較するということは、「1人親世帯の子供は、1人親世帯なりの生活しかできないという現実の追認となる。また、生活保護世帯の中に、生活保護であり、さらに1人親であるというハンディを背負わされてしまう子供という格差を生んでしまう。
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2014年11月03日

「1人親世帯」の貧困率は国際的に最悪

 国際比較から見て、日本の貧困はどうなっているのか。その特徴はどうなっているのか。
 まず1つ目は、日本の貧困は、失業ではなく、ワーキングプアが多いということ。ヨーロッパなどでは無職による貧困世帯が多いのに比べ、日本はワーキングプア率が高い。2つ目は、母子世帯や単身世帯、高齢者世帯を始めとする特定世帯の貧困率が突出して高いということ。特に、1人親世帯の貧困率はOECD諸国の中で最悪である。3つ目は、政策による貧困削減効果が少ないことが挙げられる。公的扶助の受給率を比較すると、日本では生活保護制度があり、これは国民の1.6%をカバーしているが、他の国に比べて受給率は低い。
 公的扶助の受給率の低さは、子供の貧困にも影響を与えている。子供がいる世帯の貧困率について、税金や社会保険料を払う前の『再分配前』と、税金や社会保険料を払い、児童手当や生活保護など政府からの給付を受けた後の『再分配後』を比較してみると、通常の政府の機能としては、再分配後の方が貧困率は低くなるのが当たり前なのだが、日本とギリシャだけは再分配後のほうが貧困率が高いという状況になっている
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2014年11月02日

「低い学力」「夢がない」貧困層の子供たち

 日本の貧困の実態において、特に注意しなければならないのが、子供のいる世帯だ。7月の発表では、過去最悪の貧困率を更新している。
 「一時的に電気が払えない世帯があっても、電気が止められるまでには時間がかかるので、今は、それほど問題ではないと思われるかもしれませんが、子どもの貧困状態は、学力、健康、自己肯定感などと相関関係にあることがわかっています。全国の学力テストの点数と親の年収の比較を見ると、きれいな相関があります」
 また、これも1つの例として、大阪市の小中学校児童4100人に調査した結果がある。小学校5年生と中学2年生の調査では、「夢がない」と答えた貧困層の子供の割合は、小学5年生だと24%、中学2年生だと44%で、非貧困層の18%、38%をそれぞれ上回っていた。
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2014年11月01日

高齢男性の貧困率が下がると同時に若い男性の貧困率が上昇

 日本の貧困化が進んでいる。2014年7月に発表された「平成25年国民生活基礎調査」によると、18歳未満の子供の貧困率は16.3%と過去最悪を更新した。「日本は平等で貧富の差がない」というのが錯覚した“常識”だったが、最新のデータや海外との比較は、それを裏切る結果となっている。「子どもの貧困」(岩波新書)などの著書で知られる国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩・社会保障応用分析研究部部長は、日本の貧困の実態やその背景について次のように語った。
 日本では長年、貧困がないということが常識とされてきた。貧困の実態をモニターする指標である相対的貧困率が初めて発表されたのは、2009年になってからだ。「日本は平等」という誤った“常識”の根拠は1970年時点のデータで、実際には1980年代から所得の格差が拡大し始め、現在もそれが継続しているのだ。
 「2012年は、子供の相対的貧困率が16.3%となり、初めて社会全体の貧困率16.1%を上回った。年齢別に見ると、これまで日本の貧困率は、若いころが低く、中年期に最も下がり、高年期になってぐっと上がる「J字形」を描いていた。
 しかし、社会保障制度の中で公的年金が成熟してくるに従って、高齢の男性の貧困率が徐々に下がり、同時に若年層の貧困率が上がってきたことによって、近年は男性に限ってみれば、人生の中で最も貧困率が高いのは若い世代という現象が起こった。また、2010年の資料によると、65歳以上の一人暮らしの女性の貧困率も高く、46.6%と半数近かった。現役世代でも、一人暮らしの女性は31.6%と3人に1人が貧困だ。
 若い男性の貧困率が上がってくるのは、時系列で見れば鮮明にわかる。1995年から、2007年を比較すると、20〜25歳のところで貧困率が徐々に上がってきて高いピークになっている。これが一時的な貧困なのか、継続的なものなのかの判別が必要である。
posted by GHQ/HOGO at 08:06| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする